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【#一日一題 木曜更新】 10年

山陽新聞の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字程度で書き、週に1度木曜日に更新します。ほらいつか岡山在住ライターとして一日一題から依頼が来るかもしれないし……し…? 

こつこつ、こつこつ。
10年続いてること、ありますか。

日記や趣味、運動でもいい。わたしはとても飽きっぽいので、日記や家計簿で生活の記録を続けている人を無条件に尊敬してしまう。小さな出来事の走り書きでも、日々の小銭の使い道でも、10年も続いていればそれは単なるメモではなく、立派な「記録」になる。

夫が10年以上も手帳への生活綴りを続けているのを知ったのは、ほんの2、3年前。家族で「10年前は……」と話していた時に彼がふいに手帳を出してきて、ページをぱらぱらしながら「◯年の◯月は……」と言い出したのだ。

え、何それ?  え、手帳だよ。え、日記?  日記っていうか仕事でも使ってるやつで、その日のことがひとこと書いてあるだけ。うっそん、そんなの書いてたの?

結婚して20年近く経つというのに、彼が手帳をそんなふうに使って、しかも全て保管していたとは知らなんだ。習慣てこういうことか。わざわざ人に披露するもんじゃないもんね。

今年に入り、ある人から「10年史、作りたいんです。手伝ってもらえませんか」と打診された。

その人と知り合ったのは8年ほど前で、NPO団体をたち上げたばかりの彼に私が取材をしたのがきっかけだった。昨年だったか、ある仕事の最中に私が「設立10年?わー!10年史まとめましょうよ」と軽く言った。メールだったかもしれない。

すごいじゃない。子どもたちのための団体が、10年継続。しかも運営資金は寄付金のみ。行政や企業の助成金、クラファンなどには一切頼っていない。彼曰く「助成金や補助金をもらうと、煩わしい仕事が増える」。しびれる。彼は時間やお金を、全て団体の運営と子どもたちのために使いたいのだ。

そんな彼の熱意に支援者は絶えず、設立10年。不定期だけどわりとよく新聞やテレビに取材されて、その直後に支援者が増えるらしい。やはり寄付をする層に効果的なメディアは、新聞とテレビ。

すごいなあ。10年。
10年史制作、光栄です。
心を込めて編集します。

そしてふと、私も続いていることあったなあと気がつきました。言葉のそばにいる仕事に専従して、10年以上経っていた。

早いね、10年。


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