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【#一日一題 木曜更新】 10代の「きもい」を紐解く

山陽新聞の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字程度で書き、週に1度木曜日に更新します。 

 ジュディ・オングさんの「魅せられて」を聞き、10代のむすめが「やばい。きもいじゃん」と大笑いしていた。

女は海
好きな男の腕の中でも
違う男の夢を見る
Uh… Ah…Uh…Ah…
私の中でお眠りなさい

 何がきもいのと聞いてみると「だって、他の人『でも』いいってこんなに堂々と歌う?」と笑う。歌詞だけ拾うと確かに。女は男に身を任せて恋焦がれるものという風潮があった時代背景が影響しているとはいえ、「あなただけでは足りないの」という思いを「女の代表」みたいに歌われても今の時代は確かに困る。全編にわたり主語は「私」でお願いしたい。

 むすめの語彙もどうかと思うのだが、都度聞いてみると彼女の「きもい」には色々な思いが総括されている。
 37歳芸人さんと19歳女性の結婚報道に、彼女は開口一番「きもい」と漏らした。ただ、この年齢差婚はとてもセンシティブな話題で、女性の年齢と男性の年齢の組み合わせの違いや二人の背景により周囲に湧き上がる感情が大きく違う。

 今回の彼女の「きもい」は「知っていることが違い過ぎる二人が恋に落ちるのがおかしい」という意味合い。大人はモノを知っている(はず)、一方で子どもはモノを知らない(はず)。知識と教養の差が著しく大きな二人。その二人が恋をして結婚するなんて、モノを知っている方、つまりは大人が自分のいいように子どもを懐柔しているに違いないというのだ。だから、きもい。

 彼女の嫌悪感は、女性が自分と同年代であることも大きいだろう。では43歳男性と25歳女性ならどう?と尋ねてみると、「うーん、それはおじさんが好きなんだなと思えるかもしれない。その年になってみないとわからない。でも肩書に対するフィルターはありそう」とこれまた率直。
 
 同年代のむすめを持つ親としては、やはり19歳女性が37歳男性との結婚を決意した背景が気になるが、「魅せられて」と同じで主語が「私」であるなら周りとやかく言うことではない。
 ある友人が「年の差婚は周囲がうるさい。でも若い方が30歳を超えた時点で何も言われなくなる」と言っていた。彼の経験に基づく言葉でなんとも興味深い。くだんのお二人も、女性が30歳超えるまでどうか仲睦まじく静かに暮らせますようにと願う。

   それにしてもむすめよ。
「きもい」という言葉に色々詰め込み過ぎである。
 
 



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