見出し画像

新NISAスタートで日本人の投資熱が高まった!? 今こそ考えたい投資初心者が事前に身につけておくべき知識うんぬん

2024年から新NISAがスタートしました。

投資経験者の私からみても旧NISAと比べて新NISAは格段に良い制度になったと思います。さすがに5年超保有すると非課税優遇が消えるってのは酷でしたし(旧NISA)。

注:私は投資知識を披露して対価を得ている専門家的な人間ではないので、NISAについて詳細な説明を求める方は、他の方の解説を参照してください(とくに、つみたて投資については "解説したがりの人" が多いですし)。
端的に言うとNISAとは20年以上前にあった「マル優」の株式投資&投資信託版です。配当(分配金)や値上がり益に対して、本来は売却時に課税される分が「NISAで買います」と設定して買っていれば非課税となります。
そこがテレビや雑誌等でお得ですよと言ってる点。ただし、株式は値下がりもするので、下がったところで売れば損します。

生々しい話ですが、情報はその価値が高ければ有料であるべきものです。
「この株を買えば儲かる」といった話などはその最たるものでしょう。
皆さんもご存じのように、先人たちが言ってる「うまい話には裏がある」「タダより高いものはない」というのは真理です。
それなのに、世の中には無料で手に入る儲かり情報があふれています。
何故か?


まず投資初心者が考察すべきは情報を出す側の「目的」「狙い」


初心者が自らの思いつくままに銘柄選択して資産運用をスタートさせることはほぼ不可能です。それぞれが何がしかの参考情報を活用するのですから、意識すべきことは情報の確度です。

・証券会社が発信する情報
・経済専門番組やラジオNIKKEIなどで発信されている情報
・Ⅹ(旧Twitter)などのSNSやYouTubeで発信されている情報
・5ちゃんねるやYahoo掲示板などで匿名の誰かが発信している情報
・○○投資顧問など 銘柄情報を会員に提供して利益を得てるサイトの情報
・株式専門の雑誌や新聞が発信する情報
・会社四季報や日経会社情報などの季刊誌の情報  などなど

無料の記事なんでそれぞれについての私見は述べません。
これを読んだ皆さんご自身で「情報を出す側」の狙いを考察し、
参考にする情報元を決めてください。



投資で大事なのは情報の入手と見極めに尽きるので、ここで書き終えてもいいのですが、他の方々が言うような「とりあえず投資をしてみる! あとは慣れるだけ」で済まない人がでてくるのが投資の世界でして。
儲かった場合の「早く売りすぎた」「売るのが遅くて高値圏で売り損ねた」については、実体験を積み重ねて徐々に研究していけばいい話ですが、もし値下がりしてしまった場合は・・・。

ここからは慣れる前に損失が大きくなって退場とならないための諸注意を書きたいと思います。

例を挙げて説明してみましょう。

1月某日。架空の人物Aさんは、株式投資をはじめる前段階として
初心者向けのハウツー本を何冊か買ってしっかり読んで基礎的なことを理解したうえで株式専門の雑誌で書かれていた「今年注目のテーマ株一覧」の中から良さげな銘柄を複数見つけ、日本経済新聞、会社四季報、ネットの情報などもチェックしつつ吟味した上で、
株式購入第一弾として現在500円の某銘柄を1000株買った・・・
とします。

ありがちなケースと思います。「慎重な人である」と評価する方も多いでしょう。しかし実際は大多数の人がこの通りにやると × となります。

まず、架空の人物Aさんの資産、余裕資金は幾らくらいなんでしょうか?

例えば、夫婦合わせて年収500万円、貯蓄額も現在約500万円ほどあるが自分たちの老後や子供の教育資金などを考えると400万円はローリスクのものに限定したい。余裕資金は100万円ですかね?
・・・とでもしましょうか。

ここまで書けばお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、
投資資金100万円で株式購入第一弾が500円の銘柄を1000株も購入するのはやりすぎです。

予想だにしない損失をかかえると人はフリーズ&現実逃避しがち

500円の銘柄1000株買ったということは50万円を株券に変えたことになります。つまり、自由に使える余裕資金は残り50万円。

50万円で買った株がもしマイナスになっても、残りの50万円を投入すれば十分取り返せるだろうなどと楽観視しがちですが、実際に500円だった株価が450円、400円と下がってしまうと、想定してない額のマイナスゆえに、心がフリーズして、現実逃避してしまう人が結構います。

残りの50万円を別の銘柄に投入しようにも「2連敗」が頭をよぎって恐怖し、身動きがとれなくなるかもしれないのです。

これがもし株式投資でなく競馬や海外カジノであると仮定するなら、
ほとんどの人が少額からはじめるでしょう。ギャンブルは予想が外れたら即0円になるのですから、慎重になるのは当然です。

ところが、株式投資に関しては株価は値上がりしたり値下がりしたりするものの、その会社が潰れない限り0円にはならないということで、気が緩み、初回から思い切った額を投入してしまう人が一定数います。
審美眼があり、かつ強運の持ち主も世の中にはいるので、その行動は暴挙だ!とも言い切れないので歯切れは悪くなりますが、よく分からないものに高額BETするような人はいずれ痛い目に遭うのが世の常です。

ここで注意してほしいのは、株式投資で成功するには初回の売買で必ずプラスにならないといけないと言ってるわけではないことです。
ダメなのは予想外に大きな損失をかかえてしまったという状況になること。
そして投入した金額が大きいほど、そうなるリスクが高まるのです。

アタフタしてどうしたらいいか分からず、「これは悪い夢だ」と考え、保有株の株価を見ないようにするのはNGです!


株価の下落に現実逃避している間に、株価がさらに下がってしまえば取り返しのつかない状況になり兼ねません。
「ん? これはマズいか?」ってくらいの精神状態のうちに、買った銘柄の買った根拠、情報の確度を今一度吟味し、調べ直すことが必要であり、自信が揺るがなければ持続するのもアリな一方、見込み違いと思ったら売ってしまう(=損切り)ことも非常に重要なのです。

「下がれば損切りも選択肢」という考え方があることを前もって頭にないと初心者はなかなか損切りできません。


他に前もって知っておくべきなのは、STOP高とSTOP安について。
以下のサイトなどが参考になるでしょう。

上記の例で書いた500円の株価の場合、制限値幅は100円です。つまり、たった1日でSTOP高なら600円、STOP安なら400円にまで株価が変動します。もし1000株保有していたとして。たった1日で50万円が60万円になるのは万々歳ですが、50万円が40万円になった時のアナタの精神状態を想像してみてください。
STOP安についての知識さえあれば、仮定の話として「もしも50万円で買った株が40万円になった時、自分はどう思うだろう?」と想定問答ができ、そうならないための対策として、1000株でなく100株にしようかとか200株にしようかといった慎重な行動がとれます。しかし、知識がなかった場合、その万が一は予想外な現実として訪れてしまいます。

これが知識の有無の差です。

さらに言うと、上がると期待して買った株がどこかで天井をつけ、下げトレンドに転換し、買値を割ってさらに5%、10%、・・・のマイナスになるといったことも普通に起こるのが株式投資です。

買った株が上昇した時の「いつ売るか」は、実際にそうなってからでも十分考える時間があります。しかし、買った株が下落した時の「いつ売るか」は実際にそうなるとなかなか冷静ではいられません。ゆえに事前に「どこまでなら持続して、マイナス何%を超えたら損切りする」といったマイルールを決めておくといいと思います。


ここまでいろいろと書きました。
例えば投資資金が100万円の人に対して、「株式投資に初回からいきなり50万円つっこむのは多すぎる」と上記では書きましたが、最終的な判断はもちろん皆さんに委ねられます。

初心者のうちは情報を収集する能力も、精査・吟味する能力も足りていないケースが多いので、その銘柄を買った根拠も当人が思うほど信頼性が高くない=ゆえに少額で試し買いしたほうがよいというのが私の説です。
一方で、初心者を経て中級者、上級者となる過程で、
「これは絶対に大きく上がる株だ」と直感と確証がビンビン来た際、
株式投資とは余裕資金の中から少額をつぎこむものだという固定概念にとらわれていれば、大きく儲ける千載一遇のチャンスを逃してしまいます。

そのあたりのさじ加減が非常に難しい・・・。
買値より下がれば、思い悩み、胃がキリキリするのが株式投資ですが、少額での試し買いなら失敗しても現実逃避するところまではいかないでしょう。しかし、高いリターンを目指すなら・・・。

株式投資を長く続けるには如何に損失額を小さくするかが重要。一方、株式投資をする目的=大きく儲けられるかは本人次第。


自動車の運転でいうギアの上げ下げ同様、株式投資におけるギアの上げ下げも結局は本人が判断するしかないということです。


最後に、NISAでの売買について少々。
NISAは値上がり益が非課税となる反面、損益通算ができません。ゆえに可能な限り、絶対に儲かる銘柄を選択しなければいけません
しかし、当然ながら株の世界に絶対はありません。

専門家の中には、「人気の投資信託をつみたて投資で買えば、長期目線で損することはなさそう」とか「高配当株を買えば安心だ」と言ってる人もいるようですし、そちらを参考にされるのも選択肢だと思いますが、
いろんなことを言う人がいるということは、結局それらの中から何を選択するかは己自身であるということです。


アナタの投資家ライフに幸運が訪れますように・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?