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ひとの手によるもの

読み終わらないままの二冊を返却しに図書館へ行くと芝生がまるっとなくなり何やら作業が始まる前だった。以前はこのすぐ近くに住んでいたがほとんど通わず本屋に行っていた。引っ越してからはわざわざ通っている。この感覚はなんだろう。いつでも行けると行かなくて、遠くにあると貴重に思えるみたいな。貸店舗の貼り紙を見て悲しがるのにも似ている。閉店するならもう一度行きたかったとか。ありがたさは、いつもあるものに対して薄れている。当たり前でなくなった瞬間、気づく経験は山ほどしているはずなのに。

夜中に道路や線路、ライフラインの工事・点検など、ひと目につかない時間帯に行われていることも多い。町内のハンギングやゴミ集積所の掃除もひとの手で保たれている。生活も、仕事も、掃除も。料理も、子育ても、介護も、看護も。看取りも。ミサイルがつくられ、ボタンを押下するのも。

いけない、いけない。壮大な話になってしまった。

数日前から喉の調子が良くなくて咳も出る。熱はないが病院へ連絡し検査をすると陰性だった。コレステロールの件でお世話になった優しい先生から、風邪薬を出すので発熱したりつらくなったらすぐ病院に連絡をと言われた。陰性と聞いた途端、そういえば寒気もするので風邪なのかもと切り替わる。病は気から。

おいしいお野菜が届き、食べ、寝て、治します。
ひとの手のやさしさが身にしみる夜です。
みなさんが暖かくすごせていますように。


読んでくださりありがとうございます。