ぼやいてみてもいいじゃない

うちのひとは釣りへ。私は洗濯へ。

昔ばなし『桃太郎』のおじいさんとおばあさんを地で行く夫婦だ。おじいさんは山だったか。そこは見逃してほしい。文明の利器のおかげで川に移動することなく楽をするおばさん。

おばさんは腸炎の養生のためお粥さんで過ごしていた。だいぶ飽きていたので冷凍パンを解凍して朝から焼いた。村人の敵は鬼だけど、消化の悪い不飽和脂肪酸は腸炎の敵。バターもマーガリンもばつ印がついている。先日買い込んだばかりのとろけるチーズを一枚取り出し食パンにのせてグリルに入れた。チーズもばつ印だけど食べたいんだもん。ダメだったらすぐにやめる覚悟を決めてトーストスイッチをONに。自動で焼き上がるガスコンロ機能は進化がすごい。おばさんはあらゆるものに助けられているのだ。

実際、なんの苦労もなくチーズトーストは胃におさまった。しかし、美味しいとは感じなかった。あんなに大好きなパンなのに。どちらかというと、万が一これが負担となりお腹が痛くなる不安のほうが大きかったのかもしれない。好奇心と恐怖。恐怖が勝利した。いや、単にまだ早かったのだろう。デカフェのスティックコーヒーもダメだった。実際のところ予想はしていたし、確認したかったんだよね。うむ。

おじさんは、メジナとベラとキュウセンを背負って帰ってきた。煮付けにと言われはいと返事をする。自分は食べなくても料理はするよ。夕方まえに洗濯物を取り入れてたたみ引き出しにしまう。すこし体がだるくなってきた。昨日から元気だったのに。お昼も食べてないようなので夕飯の準備にかかる。

野菜をサラダピルスナーから取り出し新玉ねぎとカットしたトマトをのせてドレッシング(キューピー深煎ごまドレッシング)をとろとろ〜とかける。グラスと缶ビールをテーブルにのせておじさんを呼ぶ。解凍していたイカの一夜干しを切り、筋をとったスナップエンドウとにんにく炒めに。釣ってきた魚は4尾だったので頭を落とし煮汁とスライスした生姜をふつふつさせ、並べて落し蓋をする。すこし強めの火で8分のつもりがタイマーを10分に設定していた。見事に鍋はだが焦げている。フライ返しで干上がった魚を救出。なんとか食べられそうでほっとした。小松菜とお揚げさんの味噌汁とごはん。おじさんはいつもどおりにビールを呑みつつ箸を動かす。録画しているがっちりマンデーを見ながらあれこれ話すのが楽しい。

冷凍うどんをチンして、温めたチョーコーの白だしの小鍋へドボン。本日2回目のチャレンジは卵だ。恐る恐る割り入れかき混ぜる。お椀に移しテーブルへ持ってきてすすってみた。コシの強い讃岐うどんはふーふーしたあと噛まなくてはならない。時間をかけながら食べるも美味しいとは思えなかった。めずらしくおじさんもおいしい？とたずねる。食べるときが一番いい顔していると称賛されるおばさんこと私。いい顔ではなかったよね。半分ほどたべて残す。ごめん、うどん。

食べることは生きること。
旅することは生きること。
ずっとそう思って生きてきたおばさんは現実に直面する。

食べるってエネルギーが相当必要なんだと。
エネルギーが不足している。
気力だけで乗り切る年齢ではないと実感。

音楽好きなアカウントのひとがコーチェラでBLACKPINKの出番だとツイートしているのを見かけ、慌ててテレビをつけた。のめり込むように4人のパフォーマンスを堪能し、次世代のかっこよさに惚れ惚れ。おじさんも一緒に視聴し、ヒップを叩く振り付けを真似するくらいには興味があるようだ。新しく好きになる容量がまだあることに嬉しくなった。

相対的にいえば、良いことも良くないことも半々の一日。まあだいたいいつもそんな暮らし。早めに寝て、明日は仕事とできれば図書館に行きたい。特定健診の予約も忘れずに。

体調についてのご心配、励ましをありがとうございます。寄る年波には勝てないですね。ぼやくっていいなあ。いやいや、いつもやってるじゃんと自分で突っ込んでおきます。みんなのぼやきも楽しみにしてるよ〜！