【VTuberオリ曲レビュー】影山シエン, 荒咬オウガ「ナイト ライト サイド」、アユンダ・リス「ALiCE&u」、AZKi「afterglow」

こんにちは。音楽オタクこVTuberの杉並クナイです。ロックやヒップホップを中心に、コロンビアのデスメタルバンドから、ベルギーのジャズバンドまで、日々音楽着けの日々を送っています。ちなみにギターは始めて三週間で挫折しました。ボイトレは３日でしんどくなってやめました。。カラオケでは誰も知らない洋楽を歌って場を凍りつかせています。よろしくお願いします。

そんな私ですが、VTuberさんのオリジナル曲やボカロ曲には相当疎いです。なんとなく自分好みでは無さそうかなと勝手に思っていたんですが、聴いてみたらまあ素晴らしい曲が多いですね。驚きました。「今の日本の音楽シーンってこんなレベル高いの！？」って。あ、ちょっと「自分、洋楽とか結構聴いてますけど？」感のある鼻につく言い回しでしたね。どの立場で"日本の音楽シーン"とか抜かしてるんだ、っていう。すみません。

というわけで、今までVTuberさんのオリジナル曲を全然知らなかったお笑い系VTuberがお送りするレビューです。"感想"にするか"解説"にするか"レビュー"にするかは物凄く悩んだんですが、新米VTuberの分際で一丁前に音楽について語る以上は、"レビュー"と銘打って自分なりに気合を入れようと思いまして…。頑張ります。

影山シエン, 荒咬オウガ「ナイト ライト サイド」

夜景を連想させるオシャレ感を存分に出しながらも、押しつけがましい感じが無くて非常に聴きやすい楽曲でした。シンコペーションを利かせたイントロから一気に曲の世界に引き込まれますね。作曲者の宮野弦士さんについて調べてみたら、フィロソフィーのダンスに多数楽曲を提供していた方だとか。やっぱり、こういうアーバンな曲はお手の物ですね。Jam & Lewis辺りの80～90年代のブラコン/R&Bを参考にしたんだと思います。これぞプロ中のプロの仕事。
お二人の歌唱も発声の安定感もリズム感も流石過ぎますね。言うまでもないイケボなんですが、いかにも"女性の皆さ～ん！俺達イケボ出してま～す！"的なイヤミな感じが無いので男性としても非常に聴きやすいです。声色の変化だけでない根本的な歌唱力がある故でしょうね。また、歌詞の内容が、いわゆる俺様系？的な"俺についてこい"みたいな感じで無くて優しく寄り添う感じなので、こういう歌い方なんでしょうね。歌詞のテーマ自体の新鮮さは無いと思いますが、普遍的かつ素敵な内容ですし、それをクサくならずに巧みに表現している辺り本当に良い歌詞。
それにしても、この曲、何回でもリピート再生出来ます。なんか、この文章を書きながら繰り返し聴いてたら感動して普通に少しウルッと来てしまいました。歌唱から作編曲から作詞から演奏から…全てのクオリティがあまりにも高すぎます。もっと伸びるべき曲だと思います。

アユンダ・リス「ALiCE&u」

印象的なのに良い意味でどこか掴みどころの無いメロディと、アユンダ・リスさんの歌唱(上手すぎて何も言えない)が素晴らしくマッチしていますね。得体の知れない謎に満ちた素敵な名曲だと思います。
作曲者のFeryquitousさんという方はアートコアやポストロックを中心に作曲されている…？ようなので、こういう何回でも聴きたくなるような、それでいて胃もたれしない曲がお得意なんでしょうね。所々で印象的なパーカッションのフレージングも楽曲全体にさり気なく推進力を与えていて、本当に見事だと思います。変拍子の曲を多く発表されているようなので、打楽器の効果的な強弱の付け方はかなり熟知されているのでしょう。
また、アートコアやポストロックは先ほどの「ナイト ライト サイド」(R&Bやディスコ系)と違ってブルース要素の薄いジャンルなので、こういう透明感のある女性ヴォーカルが合いますね。とてつもない名曲だと思います。

AZKi「afterglow」

AZKiさんの感情表現力に感動しました。Aメロとかの少し語りかける感じの歌い方って相当上手くやらないとなんかわざとらしくなってしまうと思んですけど、その辺りも達者ですね。たぶんこの曲、アカペラで聴いても凄くステキなはず。それくらい歌そのもののエネルギーがあります。
作曲者の中川大二郎さんについて調べると…。なるほど、JYOCHOのギタリストだったんですね。JYOCHOは海外のマスロックファンからも認知されるバンドなのですが、たしかにギターのフレーズがマスロックやポストロック感強めですね。近年のBUMP OF CHICKENとかもそうですけど、こういうのが最近の若年層にはウケるんですかね？個人的には非常に好みの楽曲でした。名曲だと思います。
…と、ここまで書いて気づいたんですけど、作曲クレジットにはAZKiさんの名前もあるんですね。実際、お二人がどのくらいアイデアを出し合って曲を作ったのかは私には分かりませんが、この歌唱力で作詞作曲も出来るのはヤバすぎますって。

では、今回はこの辺りで失礼します。ごきげんよう。