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90秒の物語。

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90秒で読んで、一日浸れる物語書いてます。 ただし『やさしい復讐』は超長編。 note創作大賞2022の中間審査に通りました。 https://note.com/kun1ak… もっと読む
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#吾輩は猫であるで始まり名前はまだないで終わる物語

小説 | スマホをなくした

スマホがない! あれ、昨日ヒロキとご飯を食べて、、それからどうしたっけ? 記憶が曖昧だ。飲みすぎたかな。 ただまあ今日は休みだ、仕事もない。早起きなんてしなくてもいい。 二度寝だ二度寝♫ あとでスマホについてはヒロキに聞いてみよう。 夢を見た。 ヒロキと一緒に白い家に住んでる。カーテンは青だ。大きい犬もいる。 ヒロキと私にちょっとずつ似ている子供が庭を駆け回っている。 幸せな夢だ。 起きたら少し頬が濡れていた。 結婚したい、やっぱり私はそう思ってるんだろうなー。 私達

小説 | 吾輩は猫である。彼女曰く

吾輩は猫である。彼女曰く実家のネコに似ているらしい。 「髪の毛の感じがそっくりです……」だそうだ。 サークルの合宿で仲良くなった僕たちは大学生らしいことを沢山した。BBQ、キャンプ、海水浴、、、キスだってした。 おぼこかった彼女がどんどん綺麗になっていくのは誇らしかった。 ある日突然呼び出された。 「先輩、話があります」 珍しく改まっている様子の彼女。僕の軽口にも曖昧にうなずくだけ。 「どうしたの?」 「……好きな人ができました」 僕たちの関係に、名前はまだない。