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瀬戸内VC

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瀬戸内エリアに特化したVCのあれこれ。
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「ベンチャーファンド」をつくってみた。

瀬戸内VCというベンチャーファンドを組成するにあたって、あまり情報獲得がうまく行かなかったので、これから「VCつくりたい!」って人(いるのかな?)のために情報をまとめておきます。 独立系のVCをつくることの意義や、すでにサイズの大きいVCにジョインすれば、みたいなのは一旦置いておいて、シンプルにつくり方ですね。 つくり方はじめにまとめておくと、大きくやることは2つ。 ①LLP(有限責任事業組合)の組成 ②LPS(投資事業有限責任組合)の組成 です。 で、それがそれぞれ

1億円集めても手取り8万円。それでもベンチャーキャピタリストとしてつくりたい未来。

年末年始。 地元に帰って親戚、旧友と会いました。 交わされる会話のほとんどは、子どものこと、趣味のこと、最近のニュースのこと。でも時たま、仕事の話も出たりします。 そんな時に言われたのが冒頭の言葉。 他にもここまではっきりとは言われないけど、「未上場株」「投資」などの言葉が出るたびに眉をひそめていく親族、旧友の顔は中々に堪えるものがあります。 ベンチャーキャピタリスト?私は、「ベンチャーキャピタリスト」という少し変わった仕事をしています。この仕事は、誤解を恐れずに言いきっ

ももスタの運営を10日やった結果、節操なくやっていく覚悟ができました。

岡山のスタートアップ支援拠点「ももスタ」の運営を開始して10日経ちました。 「たった10日で何もないでしょ?」 と思われるかもですが、そこそこ色んなことが起きたのでまとめてみます。 ちなみに、タイトルはSLAM DUNKリスペクトです。 旧神奈川県立三崎高校で三日間だけ行われた「スラムダンク一億冊感謝記念」のために描き下ろされた黒板漫画23枚。まだ見てない人はぜひ。 1.理想空間の萌芽「ももスタ」という特定の場所に平日毎日いることを伝えると、そこに会いに来てくれる人が

一度外れたスタートアップ支援拠点の運営を再びすることになった話(プレスリリース前舞台裏)

瀬戸内エリアにしか投資しないという制約と誓約をもったVCの共同代表やってる山田です。どうもこんにちは。 ちなみに、瀬戸内エリア、思ってるより広いです。 1億円という世界最小VCを運営しているため、VC以外にも各自事業をやりながら兼業で投資業務をやっています。 だから、「投資家って金持ちなんだろ?奢ってくれよ」的なの切に困ります。ぼくらの給与は月に8万円です。 そんな僕たちですが、「10年後も起業家とうまい酒を飲む」がMissionのこともあり、スタートアップの支援的な動

シンプル『BLAST SETOUCHI』の思い出

前夜祭大原美術館 倉敷ロイヤルアートホテル 本祭開催直前 リハで緊張気味な主催者の藤田氏 Opening 直前はこんな感じでした J-Startup WEST 選定企業紹介 Session1『瀬戸内のスタートアップ支援で見えてきたこと』 TVサムネで、こんな楽しそうなことある!?なRSKさん Pitch『スタートアップ & アトツギ』 みんなかっこいいなぁ。。 Session2『地域VCの役割と未来』 Session3『アトツギの持つポテンシャルと

Setouchi Startupsのnote, はじまります

はじめまして!瀬戸内エリアでシード・アーリー期のスタートアップに投資しているベンチャーキャピタル、Setouchi Startups(通称 瀬戸内VC)の公式noteです。 瀬戸内エリアでスタートアップ投資? 地方にスタートアップなんてあるの? えぇ、えぇ、そんなことをお思いでしょう。 でもですねぇ、じつはあるんですよ。 しかも、とっても熱い、地域のプレイヤーたちの実態がそこに。。。 筆者は岡山県出身で東京に在住していますが、東京にいるとローカルな情報ってなかなか入ってき

瀬戸内にVCつくって1年経ったらどうなったか?

「瀬戸内のスタートアップシーンが変わった。」 ​ そう思うことがいくつか起こってたので少しだけ語らせてください。 ​ ①大企業の会長から大学生まで、行政やVCも正しい意味での「スタートアップ」を軸に集まった。​何か新しいことを始める、くらいの意味でも使われちゃう「スタートアップ」。 それが悪いわけでもなんでもないけど、急成長等を前提とする本当の意味での「スタートアップ」でこれだけ多種多様な人が集まったことは今までなかったんじゃないかな。 ​ ②現役のスタートアップ

「瀬戸内にスタートアップってあるの?」「あるよ!!」

僕たちは、瀬戸内エリアに特化した独立系のベンチャーファンドを設立しました。 「地方にはいいスタートアップがない」 そんな風に言い放たれたことがあって、なんかそれがもうずっっっとモヤモヤしてて...。 地方の起業家は、様々な「しがらみ」や「やるせなさ」を抱えて、地方に残っているんですよね。それに対して「東京や海外で調達してきなよ」というだけでなにもしていないことこそが、このような状況を強固にしてんじゃないかなと。 瀬戸内エリアで最もスタートアップが好きな藤田圭一郎さんと

【イベント】夏目漱石と正岡子規が出会った場所で、それ以上の出会いがあった『BLAST SETOUCHI』【レポート】

思わずそんな書き出しをしてしまう。 それがここ愛媛、松山。 2022年11月5-6日と「BLAST SETOUCHI」というイベントに参加したのでイベントレポートを執筆したいと思います。  中身はこんな感じ。 スピーカーを眺めてみると、「瀬戸内」というくくりで目立った活動している人たちの感じ。とてもおもしろそう...。 イロモノ枠だと思うのですが、瀬戸内サニーさんってYouTuberもいました。香川の人かと思っていたのですが、岡山の人みたい。 そんな話はさておき、そ

瀬戸内エリアに初めて独立系VCをつくった話。

アカツキのIPO業務を無事やり終え、地元岡山に帰郷してふらふらしてた。 「株式会社アカツキを辞めました」という今でいうところの退職ブログがバズりにバズったおかげで、岡山中心とする瀬戸内エリアのスタートアップ関連の方々と多くお会いすることができ、状況を一気に知ることに。 知れば知るだけすごい人や企業がたくさんで驚いたのを覚えてる。 当時は「東京行けばいいのに」って気楽に考えてたけど、仲良くなるにつれ、表には出ていない家族のことやその地域のこと、悪くいうとしがらみだけど、単純

「独立系のVCのつくりかた」を超ざっくりと説明します。

だいたい以下の4ステップ ①LLPをつくるLPSは、GP(無限責任)とLP(有限責任)から構成されます。ただベンチャーファンドの立ち上げを行うメンバーがそのまま個人としてGPになってしまうと無限責任を負うことになり、「流石にそれはちょっと重過ぎない...?」ということで、実質的に有限責任にするためのスキームです。 ②適格機関投資家の確保この「適格機関投資家」がいないと、VCはつくれません。僕らは、あまりにツテがなくて、金融庁の「適格機関投資家に関する情報」から探してDMし