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【出題予想】令和6年司法試験|民法

割引あり

司法試験の出題予想は「どんな論点が出るか」を考えがちですが、併せて対策をしておきたい出題予想があるように思います。それは「出題形式」です。

過去3年分の問題文を確認してみましょう。

下線部㋐におけるCの主張並びに下線部㋑及び㋒におけるAの主張の根拠を明らかにし、これらの主張の当否を検討した上で、請求1及び請求2の可否について論じなさい。なお、不法行為に基づく構成について検討する必要はない。

令和3年司法試験〔設問1〕

【事実Ⅰ】及び【事実Ⅱ】(1から6まで)を前提として、令和2年5月1日、CがAに対して甲土地の引渡しを請求した。Aはこれを拒むことができるか、論じなさい。

令和4年司法試験〔設問1〕⑴

Dは、下線部㋐の反論に基づいて、請求1及び請求2を拒むことができるかどうかを論じなさい。

令和5年司法試験〔設問1〕⑴

上記の問題文は、同じ問題文でしょうか?違う問題文でしょうか?
それは、「論点」で見れば全て違う問題ですが、「出題形式」で見れば、どの問題文も「『指示』を踏まえて、『問い』に答えなさい」という出題形式であり、全て同じ問題文です。
したがって、令和6年司法試験でも、次のような出題になるでしょう。

「X(or Y)の主張の根拠及びその当否」(=指示)を検討した上で、「Xの請求の可否(or YはXからの請求を拒むことができるか)」(=問い)について論じなさい。


では、上記のような出題形式が予想されるとして、どのような対策をしておくべきでしょうか?
それは、上記のような出題形式について「解答手順」を押さえることです。

では、どうすれば「解答手順」を押さえることができるのでしょうか?
それは、昨年の過去問を使って、実際の本試験の現場で再現可能な「解答手順」を自分なりに発見しておくことです。「論点」、すなわち、「配偶者短期居住権なんて今年の本試験で出ないんだー!」ということではなく、それ以上に「解答手順」(=思考プロセス)が同じだから、それをマスターできているかどうかを確認するために昨年の過去問を検討してみてください。
出題形式が同じなのに、論点によって解答手順(=思考プロセス)が変わるということはありません。


ということで、昨年の司法試験の検討例をあげておきます。「解答手順」の確立に少しでも役立てていただければ幸いです。


(答案例)

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