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注文住宅の資金計画①契約締結から着工まで

私は住宅メーカーで資金管理をしていました。注文住宅の資金計画はとても分かりずらい。今回は「注文住宅のお金の動き」に注目してまとめています。シンプルにするためにまずは土地を所有している場合についてです。長くなるので2つに分けています。

契約から着手金(着工金)入金まで

1.建築工事請負契約締結&契約金振込
この「請負契約」をどの段階でするかは、メーカーによって異なります。図面をある程度作り上げてから契約をするところもあれば、「参考図面」を添付して契約をする会社もあります。契約をすると契約金(呼び方会社により異なる)を振り込みます。100万円から200万円の会社が多いようです。

2.住宅ローン事前審査申込&承認
基本的には請負契約締結前に、遅くとも契約したらすぐに事前審査を行います。事前審査を行わずに契約をする場合は、ローンが不承認になったらどうなるのかをしっかり確認しておきましょう。

3.地盤調査、敷地調査(役所)、測量
契約するとすぐに土地に関する調査が入ります。一般的には地盤調査は地盤調査会社が、敷地調査は設計事務所が、測量については測量の専門会社が行い、必要な手続きや工事を確認します。土地の登記(権利)関係に懸念がないかも確認します。相続が終わっていなかったり、登記簿上の面積と実測が異なっていたりした場合は早めに手続きをします。

4.図面打ち合わせ(2~5回)
注文住宅は、顧客(施主)と設計担当が打ち合わせを重ねて図面を作り上げていきます。大手の住宅メーカーではまず商品を選び、間取りを作り、細かな仕様を決めていきます。大変な作業です。

5.住宅ローン本申込&承認
図面の打ち合わせを経て、大体の予算が確定したらできるだけ早く住宅ローンの本申込を行います。金融機関によっては、建築確認済証がないと本申込の承認をおろしてくれないところもありますので、事前に確認して「後日提出条件」で審査をしてもらえるように住宅会社を通じて交渉したほうが良いと思います。

6.電気図面、インテリア打ち合わせ
インテリアコーディネーターと照明やインテリア、コンセントの位置などを決めていきます。

7.外構工事打合せ
外構は家の印象を大きく左右するものです。しっかり費用を考えて打ち合わせをします。

8.図面確定
図面を確定すると、その後の変更には費用が掛かることがほとんどです。部材を加工したり、確認申請の準備に入ります。ここで家づくり全体の資金計画も確定します。必要な項目がしっかり見積もられているかを住宅会社の営業担当と一緒に確認しましょう。

9.建築確認申請
設計事務所等を通じて確認検査機関に建築確認を申請し、「確認済証」の交付を受けます。

10.着手金(着工金)の入金
注文住宅の場合、工事の進捗に合わせて2~3回に分けて入金をします。手持ち資金で賄えない時は、住宅ローンの「融資承認」を原資に「つなぎ融資」を組むこととなります。「つなぎ融資」については、借入先の金融機関か、ハウスメーカーの提携商品を使うことが多いです。もちろん、土地に抵当権を設定して分割実行するケースや、ハウスメーカーとの提携ローンを利用して抵当権を設定せずにローン実行ができるケースもあります。

分かりずらい注文住宅の「資金計画」

新築マンションや建売住宅と比べて、注文住宅だと分かりずらいのがこういった「資金計画」です。千差万別の土地に、形のないものを作っていくために「見積もる費用」が多岐にわたり「予想外の費用」が発生しがちですし、利用する住宅ローンによって住宅メーカーへの支払い方法が異なってきます。工期が長いので「資金計画」も立てずらいのです。逆を言えば、ここをしっかり押さえられると(抑えられる営業担当と出会えると)かなりスムーズに手続きが進みます。

次回は着工からお引渡しまでをまとめてみようと思います。

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