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小学生の【データの活用】をまとめました!
データサイエンス・ビッグデータ・統計学・AI……
昨今、データを活用することの大切さが発信されていますが、みなさんは平成29年に告示された小学校学習指導要領の算数編に、【データの活用】領域が加わっているのをご存じでしょうか。
今回は、小学生が学ぶ【データの活用】とはどんなものなのかをまとめてみました。
テーマ1【データの活用】とは何か?
① 小学校学習指導要領「解説」には何と書いてある?
「小学生がどんなことを学ぶのか?」ということは「小学校学習指導要領」に記載されています。「小学校学習指導要領」とは全国のどの地域でも一定の水準の教育を受けられるように、学校教育法の規定などにもとづいて文部科学省が告示しているものです。
算数編では、子どもたちが学ぶ内容を系統別にA~Dの4つの領域に分類しています。今回、D【データの活用】は独立した領域として新設されました。これは統計的な内容の充実を図るためです。
小学校学習指導要領の補足的な位置づけである「解説」には【データの活用】について以下のように書かれています。
・目的に応じてデータを集めて分類整理し,適切なグラフに表したり,代表値などを求めたりするとともに,統計的な問題解決の方法について知ること
・データのもつ特徴や傾向を把握し,問題に対して自分なりの結論を出したり,その結論の妥当性について批判的に考察したりすること
・統計的な問題解決のよさに気付き,データやその分析結果を生活や学習に活用しようとする態度を身に付けること
そのうえで以下の2つの観点で各学年の内容が整理されています。
(1)目的に応じてデータを収集,分類整理し,結果を適切に表現すること
(2)統計データの特徴を読み取り判断すること
D【データの活用】については、1年生から6年生までありますが、私たちがイメージするようなグラフなどの学習は小学3年生(棒グラフなど)からです。そして、より実践的なさまざまなグラフの扱いや結論の考察は4年生から始まります。(下記表1参照)
② 切っても切れない【変化と関係】との関係性
実は、今回の小学校学習指導要領では数量の変化や関係に着目した考察を重視するために、4年生からC【変化と関係】という領域も作られています。これは、中学校で学ぶ【関数】と接続が良くなるように、独立させた領域と考えられます。
もともと、【データの活用】と【変化と関係】は同じ数量関係領域にありました。
【変化と関係】では、事象の変化や関係を捉えて問題解決に生かす力の育成を目指しており、【データの活用】と関連性が高い領域であることがポイントです。
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テーマ2 【データの活用】領域のイメージとは?
① 小学校で学ぶこと
まず保護者に安心していただきたいのは、すべてが新たに学習するものではないということです。
テーマ1でも扱いましたが、今まで数量関係領域にまとめられていたものを、今回D【データの活用】として独立させ目立たせた改訂と考えることができます。
ただ、その中で中学校以降の学習から小学校で扱うことになったものもあります。
「代表値(平均値、最頻値、中央値)」
「階級」
(どちらも6年生で学習)
② 学校・高校への学習のつながり
小学校で学んだD【データの活用】は、中学校のD【データの活用】と接続後、高校では【情報Ⅰ】のデータの活用に関わる部分(情報通信ネットワークとデータの活用)にもつながっていきます。
令和7年度大学入学共通テストの【情報Ⅰ】の試作問題(参考問題)を見ると、小学生で学ぶ内容からの出題もあり、小学生のうちからこのような視点に触れていくことの大切さを感じることができるでしょう。
※【情報Ⅰ】は2025年1月実施の大学入学共通テストから出題が開始されます。
国立大学は2次試験に合算して合否を判断する大学入学共通テストについて、これまでの5教科7科目に【情報Ⅰ】を加えた6教科8科目を原則にすると申し合わせています。
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テーマ3 くもん出版の集中学習シリーズ「データの活用にぐーんと強くなる」の特長
① 高校の情報Ⅰも見すえた問題構成
たとえば、4年生では折れ線グラフを学びます。
これはもともと学習されていた内容ですが、『小学4年生 データの活用にぐーんと強くなる』では、登場人物がグラフを見ながら考察を進めていくという考察問題をいくつか扱っています。
情報Ⅰの参考問題にも、エアコンとアイスクリームの売り上げ、気温の関係性に関する問題が取り上げられており、グラフなどのデータから関係性を分析する力が求められていることがわかります。
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もちろんいきなり考察問題を解かせるのではなく、集中学習シリーズの特長である「初めは基本的なところから少しずつ順にステップをふんで難易度を上げていき、解いていくうちに自然と力がついていく構成」により、子どもたちの力を着実に伸ばす仕組みを取り入れています。
② 「変化と関係」「データの活用」の両立
「データの活用」の問題を理解するために必要な「変化と関係」の問題もしっかり掲載しているため、このシリーズでデータの活用する力を確実に身につけられる構成になっています。
たとえば、『小学5年生 データの活用にぐーんと強くなる』では、帯グラフや円グラフの問題の前に、「変化と関係」で扱う割合の問題をしっかり入れています。割合は子どもたちが苦手になりやすい単元ですが、割合の問題を前のページでしっかり学習しているので、帯グラフや円グラフの問題も無理なく解けるという構成です。
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③ 中学校から降りてきた内容もしっかり学べる
『小学6年生 データの活用にぐーんと強くなる』では、中学から降りてきた代表値や新しく追加されたドットプロットをしっかりと学習できます。
以前からある度数分布表やヒストグラムにも、より考えさせる問題を取り入れました。最終的にはデータを読み解く問題で、グラフや表などの複数のデータから必要な情報を読み取って計算したり、自分の考えを記述したりして力を試す構成です。
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重要であるがゆえに新たに新設された【データの活用】。
今後子どもたちが生きるために必要な力であるという認識を持ち、伸ばしてあげる必要があるでしょう。
2023年2月に発売されたくもんの集中学習シリーズ「データの活用にぐーんと強くなる」(小学4年生用・小学5年生用・小学6年生用)を手に取ってみていただけるとうれしいです。
(タイトル写真提供:ピクスタ)
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