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編集者に聞いてみた!学び直したい大人のための「解きながら」シリーズ 編集秘話

「学び直したい!」
そんな熱い思いを持った大人の1歩目を応援する新シリーズがくもん出版から刊行しています。

その名も「解きながら」シリーズ。
 
すでに
『解きながら思い出す 中学英文法』
『解きながら身につける 日常会話の英単語』
『解きながら楽しむ 大人の数学 因数分解と平方根編』
『解きながら楽しむ 大人の数学 2次関数と微分・積分編』
『解きながら身につける 大人の語彙力』
『解きながら楽しむ 大人の源氏物語』
 の6冊が刊行しており、10代から60代までの幅広い年代の方に好評です。
 
・「勉強するのにわかりやすく、働きながら学び直すのにとても役立ちました(30代女性)」
・「申し分ない素晴らしい教材で、ありがとうございました(20代男性)」といったうれしい感想もいただいています。
 
くもん出版のミッションは、すべての人が自ら学び、描く未来を実現できるよう、商品やサービスを通じて、すべての人の成長に貢献すること。
学び直したいと願う大人にその機会を提案する「解きながら」シリーズの担当編集者に、ポイントや開発秘話についてnote担当「こみけん」が取材しました。

大人の数学担当:田島
大人の源氏物語・大人の語彙力担当:長野
日常会話の英単語・中学英文法担当:長島
(くもん出版 企画開発部 編集2チーム)


▲2023年11月に6冊となった「解きながら」シリーズ


くもんが大人向け!?


――「くもんは子ども向け」というイメージの方が多いと思いますが、なぜ大人向けの商品を企画したのですか。

長野:
実はくもん出版の中高生向けの学習参考書は、大人の方にも人気なんです。
「中学基礎がため100%」シリーズや「スーパーステップ」シリーズなどは「資格勉強の前提知識を確認するのに役立った」「コツコツ解いて、日々の生活にはりあいが持てた」といった感想が寄せられていました。
「これは、大人の学び直しにも生かせるのではないか」と考えたのがきっかけです。

――どんな点が大人の方に評価されていたのでしょうか。

田島:
習熟型」という点が評価されているのだと思います。つまり、知っている知識を確認する「テスト型」ではなく、はじめは知らなくても、解いているうちに力が身につく構成になっているという点です。ポイントがコンパクトにまとまっていたり、1つの知識を多角的に確認したり、くり返し学習するつくりになっていたり、問題の難易度が少しずつ上がるように調整されていたり……と工夫がちりばめられています。
 
長島:
ひとりでスラスラ解ける」というこだわりも使いやすさにつながっていると思います。子ども向けの学習参考書や知育玩具も、子どもたちの様子を観察して楽しみ続けられるように調整しながら作られています。そのノウハウ・考え方を盛り込んだ学習参考書なので、大人の方にとっても使いやすいのだと思います。

――「解きながら」シリーズはどんな方に使ってもらうことを想定してつくられたのですか。

田島:
一言で「大人の学び直し」といっても「資格取得」「趣味への探求」「教養を深める」といった様々なニーズがあります。
くもん出版らしい大人の学び直しとは?」を模索する中、アンケートやモニターも活用しながら企画を深め「学ぶ喜びを感じたい」「充実した生活のために学びの時間を持ちたい」という大人の方向けのシリーズを作ることが決まっていきました。
 
長島:
人はどんな時に学びの楽しさを感じるか」という問いもチームで話し合い、何かを達成した時はもちろんのこと「書いて、解き進める中で身につく」というプロセスも、年齢に関係なく味わえる楽しみだという点に着目しました。
この学習の楽しさはKUMONでも長い間大切にしてきた部分であり、大人にも味わってほしい、思い出してほしいという想いから「解きながら」という言葉を軸にしたシリーズが誕生しました。

毎日コツコツ。めざせ!大人の「学習習慣」


――「子ども向け」ではなく「大人向け」だからこそ、こだわった点を教えてください。

長野:
学生と違い、大人は「学習の目標を持ちづらい」という点がポイントです。資格取得が目標の場合を除き、日々の生活ではテストや模試もありません。したがって、継続的に学ぶことに課題を感じている方が多いと考えました。大きな目標がなくても続けられる仕組みを取り入れているという部分がこだわった点です。

――思い立って購入し、10ページも進まない問題集が山積みになっている私でも学習習慣がつきますか。どんな工夫があるのでしょう。

長島:
たとえば、「1日2ページ」「10~15分で解ける分量」といった細かい区切りを設けることで、頑張りすぎないこと、疲れていても取り組めることを目指しました。また、私の担当の英語では大人ならではの例文も入れています。中学参考書では見られない、お酒を飲んでいるシーンや恋愛のシーンがありますね。

もちろん、これまで好評であった「習熟型」の部分はしっかり取り入れているので、つまずかずに力のつく構成になっており、これも習慣化の大きな助けになります。
資格取得を目指すにしても、試験対策の学習をいきなり始めることにハードルを感じる方も多いのではないでしょうか。特に「解きながら」の英語に関しては資格試験にも必要な基礎知識をしっかり復習しつつ、学習習慣を取り戻すという使い方もできると思います。

英単語は1日15単語
(グレーの部分にその日に学ぶ単語がまとまっている。2見開きの問題構成で続けやすい。)


――一方、文系の私にとって「微分・積分」と聞いただけでドキドキしてしまうのですが、苦手な分野も習慣化できるのでしょうか。

田島:
数学はほかの教科に比べて難易度が高いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)。
大事なのは、習慣化のもう一つの大きなポイント「細かい達成感」です。
 
「大人の数学」では、2冊で因数分解から微分積分まで到達することを目標にしていたので、あきらめにつながらないようにモニター結果の分析を重視しました。つまずきやすいポイントはわかりやすくして、例題を入れて解き方を示しつつ、時にはあえて簡素化して、無駄なく集中して解けるようにしています。毎日「できた!」を感じていただけることで学習が習慣化しやすいように、問題構成にこだわったのでチャレンジしていただきたいです。

苦手意識が強い方でも、『因数分解と平方根編』の特に「因数分解」はパズルを解くような感覚で進められると思いますので、まずこちらから解き始めてはいかがでしょうか。


1日15分で行える分量で解いた後「すっきりした!」という社員も。


社員同士で因数分解にチャレンジ中!

――なるほど、数学にもチャレンジしたくなってきました。『解きながら楽しむ 大人の源氏物語』は学習習慣や内容にこだわったポイントはありますか。

長野:
『解きながら楽しむ 大人の源氏物語』については「あらすじ」ではなく「キーワード」を軸にしています。『源氏物語』に出てくる言葉を解説した後、その言葉が出てくる部分の文章を読み、問題を解いていくという構成です。あらすじをたどり、大体の流れを理解する書籍は世の中にたくさん出ています。
一方、本書は大人だからこそ興味を持ちそうな「恋愛」「結婚」などから、「陰陽道」「お葬式」「役職」「身分」に関するものまで、一度はどこかで聞いたことがありそうなキーワードをきっかけに問題を解いていただくことで、親しみながら古文に触れることができるのが特長です。

受験対策という枠組みがないからこそ、解く方の人生になぞらえながら『源氏物語』に親しむことができます。この一冊を解くと原文をもっと読みたくなるかもしれません。

『解きながら楽しむ 大人の源氏物語』はキーワードから古文に入り込む構成。

――『解きながら身につける 大人の語彙力』の「漢字の読み」では料理のメニューがでてきたことも驚きました。「芙蓉蟹」読めませんでした。

長野:
「フーヨーハイ」
つまり、かに玉のことですね(笑)
 
『解きながら身につける 大人の語彙力』は学生時代に学習する言葉にこだわらず、実際に知っておくと大人が生活の場面で役に立つ言葉を楽しく学べることにこだわりました。
 
漢字の読み書きだけではなく、言葉の意味や使い方、敬語、日本の文化という切り口から日常生活に役立つ国語力を鍛えていきます。

1日20問楽しみながら続けることを目指し、「え、知らないかも」という問題も入っているので「覚えなきゃいけない」といって縛られるのではなく、解きながら毎日新しい発見や学びが得られるところも楽しんでいただきたい本ですね。

 

『解きながら身につける 大人の語彙力』には面白い切り口の問題が集まっています。


学習習慣が楽しく身につく「大人の学び直し」シリーズの今後は?


――それぞれに解くと楽しめるコンテンツがつまっているシリーズですね。今後も「大人の学び直し」をサポートする書籍は企画していきますか?

長野:
すでに刊行している『解きながら思い出す 中学英文法』『解きながら身につける 日常会話の英単語』の感想を見ると、書いて解く楽しさというKUMONらしいコンセプトに共感いただいている声が集まっています。
今後も、本シリーズの特長を生かした切り口の問題集を出していければいいなと思っています。今回の問題集につながる形だけでなく、学校で習う教科以外の学びなどにも焦点を当ててみたいです。
 
長島:
今でこそタブレットの学習などが普及し始めていますが、私たち大人が学ぶときは書くことが学習の大きな要素を占めていました。書くことになつかしさを感じるとさえ言ってくれるモニターの方もいます。「解きながら」シリーズは引き続きこの良さを生かしたいですね。
一方で、私が主に担当している英語は、幅広いニーズがあると感じています。新しい大人の学び直しの可能性にもチャレンジしてみたいですね。
 
田島:
「大人の数学」を作成していて感じたのは、現在働いている方だけでなく、定年などで一度仕事から離れた方も「学び続けたい」と思っている方がいるということでした。そのような方にも喜んでいただけるようなものも作りたい思っています。
 
(写真提供:Pixta ・ くもん出版)

解きながらシリーズの詳細はこちら(KUMON SHOP)