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2020.9.30wed 学ばなくていいという人を信じるな

お客さんと何気なく話していて、お茶の学び、の話になった。

お茶は学ばなくても美味しく飲める。
学びの深度は誰と比べるものでもないし、自分なんてまだまだだとか思う必要もない。そう思っている。

「そんなの習うことないわよって言われたんです」

茶の湯、茶道のお稽古の話だった。
そう言われたシチュエーションとその先生の真意はわからない。
自分も若い頃はそんな堅苦しいのなんかまっぴらだ、と思っていた。

ご縁があり、煎茶道と茶道の先生と茶飲み友達になった。
年もそんなに違わないのに立派な教授者だったその方に
「ねぇ、お稽古してみない?楽しいわよ」と誘われたのだった。

お菓子も先生の手作りで、それなら楽しそうだと通い始めた。

古臭く堅苦しいと思い込んでいた「道」の世界だったが、
なんと豊かで色とりどりな遊びに満ちているのかと驚くことになった。
かじったばかりでいまだ奥はわからないが、
知れば知るほど高度に遊べる
素晴らしい、大人の道楽だなぁと感動したのだった。

だから、「習わなくていいわよ」「ですよね!」
というのは簡単だし一見やさしさのように思えるが、
実はそうではないのではと思う。

それで思い出したことがある。

お茶が好きになって夢中になってもっと知りたくなったころ、
当時カルチャーセンターや地元テレビの情報番組などでご活躍だった日本茶インストラクターの先生の1日講座に参加したことがあった。
終了後、先生を追いかけていき

「あの、もっとお茶のことが知りたいんです。日本茶インストラクター資格をとろうかと思っているのですが」
なかなか地方での資格取得はむずかしいのだろうか、という思いで聞いたら

「日本茶インストラクターでは、食っていけないわよ」

優しかった表情がさっと曇ってそうおっしゃった。

実際、日本茶インストラクターでは食っていけないのかもしれない。
現実は厳しいと教えたかったのかもしれない。
しかし私は求職のために資格が取りたかったのではない。
もっとお茶のことが知りたかった。それだけだ。
けっこうなショックを受けた。
てっきり「あら!いいわね、がんばってね」くらい言われるかと思っていたが甘かった。
それでも日本茶インストラクター資格をとった。
あの人は今どこでどうされているのだろう。

お客さんが「もっとお茶のこと勉強したいんですよね」と言った。
「日本茶インストラクター資格試験とかどうですか」
歴史、製造、薬理作用、淹れ方、販売・・・日本茶のオールアバウトが学べたので、あれは取り組んでよかったと思っている。
資格をとった後、日本茶インストラクター協会から怒られそうなことばっかししてるし会費継続しなくなっちゃったので今はもう無資格だけど。
それでも体系的に勉強できたのはいい経験だった。
たとえ資格で食えなくても。
(しかし資格取得費用が自分の時より大幅に値上がりしていたので、軽々にとったら?とは言えない・・・あのテキストをこの値段で買うのは果たして・・・・)

「学ばなくていい」という人のいうことを聞いてはいけない。
新しい目を開こうとするあなたの敵だ。
その人はあなたに目をつむって知らないままでいてほしいのだ。
自分が常に優位でいられるから。

勉強を、学びを止めてはいけません。
なんで?どうして?にのびのびと羽根を生やして
お金をかけても独学でも
知れば必ず、学んだだけ必ず、世界を見る解像度が上がる。
学びにムダはない。
いまの先生を卒業して新しい先生と出会う。
本当の先生は、軽々と超えていく教え子に喜びを感じるはずだ。
隷属させる先生は先生じゃないから。

搾取されるな。金もチャンスも。

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