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オルタナティブ民族ロック

「最近の韓国ドラマ」

韓国ドラマが好きでね、よく観るんです。毎日観てます。ただし、ワンパターンのホームドラマや時代劇は飽きました。しょうもないエピソードが次々に絡み合って無理矢理長くしているんですからね。それに時代劇といっても常に閉ざされた王宮の話なのでつまらないのです。ワンパターンというのは財閥に政治家との戦い、赤ちゃんの取り違えにすり替えで起きる家族闘争、何かればやたらと交通事故に遭遇といった話ばかり。時代劇だって変わりません。財閥と政治家同様の王位をめぐる両班(支配階級)の権力闘争劇です。

両班は、高麗、李氏朝鮮王朝時代の官僚機構・支配機構を担った支配階級の身分のこと。士大夫と言われる階層とこの身分とはほぼ同一である。 李氏朝鮮王朝時代には、良民と賤民に分けられる朝鮮王族以外の身分階級の最上位に位置していた貴族階級に相当する。

ウイキペディア「両班」より

最近のドラマで良かったのは、「コンデ・インターン」「オッケー、グァン姉妹」「哲仁王后」「夕食、一緒に食べませんか?」「ミッシング、彼らがいた」ですね。

「コンデ・インターン」は、インスタント麺メーカーの内部紛争の話です。コンデとは、“クソオヤジ”のような意味らしく、僕のような頭の固い年寄りを言うようです。インスタント麺企業で長く働いたおっさん(コンデ)が、自分がイビリ抜いて追い出した男の下でインターンとして働くというお話です。

企業インターンの「ミセンー未生」や「ファイティングガール」や、教師インターンの「ブラックドック」のような真面目な話ではなく、「ペガサスマーケット」のように能天気なお話です。ですから気楽に観られます。当初は悪役の雰囲気だったキム・ウンス(ファイティングガールでは会社を放って逃げ出す無責任な社長を演じていました)がいいんです。お芝居が上手です。専務以外、本気で憎むべき敵はいません。


かみさんがソン・スンホンのファンなので、「ブラック恋する死神」「プレーヤー」「偉大なショー」「サイムダン」など、彼のドラマをよく観ています。「夕食、一緒に食べませんか?」が面白いのは、キム・ウォネやイ・シオンなどのプレーヤーの共演者や、僕の好きな女優さんソ・ウンスなどがゲスト俳優たちが登場してくるところです。

当初は明るいコメディドラマなんですが、途中から嫌な感じの内容にシフトしていきます。このドラマは終始コメディに仕上げられていないのが欠点かもしれません。

現在放送中のコメディ時代劇「哲仁王后」は、パターン化した嫌な感じの時代劇なんですが、これまた好きな女優さんのシン・ヘソンが出ているから観ちゃうんです。現代の大統領シェフ(自惚れで女癖が悪い。チェ・ジニョク)が、何者かの罠にかかってビルから落ちちゃうと、朝鮮時代にタイムスリップするんですが、それだけでなく、当時の王様・哲宗(キム・ジョンヒョン)の王妃(シン・ヘソン)になっちゃっているんですね。タイムスリップ&精神的性転換???なかなか面白い設定なんですが、ダメなのは時々、残酷な人殺しもある通常の王宮ドラマになっちゃうところです。コメディならコメディで通すべきで、その部分が実に面白くないんです。

それは、かみさんが好きなエル(キム・ゥオンス)主演の「暗行御史(アメンオサ)」もそうでしたね。基本がコメディならばコメディで通してもらえば安心して観られるのにね。

暗行御史(あんこうぎょし、アメンオサ、朝鮮語:암행어사)は、李氏朝鮮において、地方官の監察を秘密裏に行った国王直属の官吏である。正規の地方官吏を監視する役目であり、国王の権力を強化するために設置されたが、政争に利用されることもあった[1]。史書に初めてこの語が現れるのは1555年明宗5年[要検証ノート]、:嘉靖34年)であるが、実質的に最初の暗行御史は1509年中宗4年、明:正徳4年)であったと見られる。高宗時代の1892年まで存在した。

ウィキペディア「暗行御史」より

「グッとくる主題曲」

さて、今回はドラマそのものよりも音楽です。WOWOWで放送中の「オッケー!グァン姉妹」の主題曲です。ドラマは韓国ホームドラマなので、ワンパターンでフォ都合主義の悪い方向にいっちゃってるので注目しなくてよろしいのですが、主題曲が素晴らしいんです。

オルタナティブな音楽グループ・イナルチによる曲なんですが、いいですよね。基本はベースにドラムというリズム隊に女性3人のボーカルが絡むという…日本で言えば桜川唯丸に上々颱風ですね。

韓国にはパンソリという朝鮮時代からの伝統(民族)音楽があります。グループ名のイナルチというのは朝鮮時代後期のパンソリ名人の李捺治(イ・ナルチ 1820-1892)からとられています。

パンソリ(판소리)は、朝鮮の伝統的民俗芸能。19世紀朝鮮で人気のあった音楽であり、口承文芸のひとつである。1人の歌い手(ソリックン 소리꾼)とプク(太鼓)の奏者(鼓手 コス 고수)によって奏でられる物語性のある歌と打楽器の演奏である。パンソリのパン(판)は、多くの人々が集まる場所を意味し、ソリ(소리)は音を意味する。

ウィキペディア「パンソリ」より

ヴォーカルをつとめる男女4人は韓国の伝統音楽を学んだ人たちです。パンソリをYouTubeで観るとわかるのですが、打楽器だけで呪文を唱えるような歌唱法はイナルチの骨子ですね。彼らはパンソリ歌唱をシンプルなリズムの上にのせているのですね。かっこいいのは、その音楽で踊るダンス隊です。それは、ヴォーカル2人にチンピラ風の男たちが大挙して踊っている日本のグループとは一線を画す芸術性です。プログレッシブロックといっても良いでしょうね。

最近購入したプログレッシブロックCD

そういえば正月に購入したキングクリムゾンや、その頭領であるロバート・フリップのソロCDボックスも聴いてないなぁ。僕は集中して本を読むのも音楽を聴くのも嫌いだからなぁ。




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