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「世の中で起きている悪いことは、ぜんぶ、ボクのせい」

日本映画「ぜんぶ、ボクのせい」と「マイ・ブロークン・マリコ」という2本の映画を観ました。

「マイ・ブロークン・マリコ」

同名漫画が原作の作品です。最近は漫画原作が多いですね。脚本書いたり、画像化されているからラフスケッチするのが容易なのでしょうね。間違っていたらごめんなさいね。

物語は、父親(尾美としのり)に幼い頃からDVを受け、挙げ句の果てに犯されてしまう親友イカガワマリコ(奈緒)が自殺し、その遺骨を、父親が弔うことが許せずに包丁を振り回して強奪して東北の海辺の街(八戸らしいです。この作品も海辺です)まで逃亡する主人公シイノトモヨ(永野芽郁)のお話です。

ノルマ重視のブラック会社勤めも放り出して、いつかマリコと行ってみたいと言っていた海に向ったのです。

その街で突然ひったくりに遭い、一文無しに。遺骨を残して追いかけるもの捕まらす、遺骨の場所に戻ると、遺骨の見張りをしてくれた、まるで神さまのような釣り人の男マキオ(窪田正孝)と出逢います。その男のおかげで一晩を過ごせたが、自殺した親友のことを思い出しながら、その街を流浪するうちに、自殺しようと決心してしまうのです。

崖から飛び降りようとすると、マキオが助けに入ります。この男も半年前にここから飛び降りたらしいのです。ふたりでジタバタしていると、そこに「助けてください!」と叫ぶ女子高生が現れます。よく見ると女子高生を追っているのはひったくりの男でした。トモヨは、思わず男を遺骨が入った入れ物で男をぶん殴るのですが、骨壺から遺骨が飛び出して空中に飛散・・・。慌てて遺骨を回収しようとして、トモヨは崖から落ちてしまうのです。

それでもトモヨは死なないのです。松葉杖姿で足を引きずりながら東京に戻り、会社に「このたびはご迷惑をおかけしました」と言って退職届を出すものの、上司に「本気で迷惑かけたと思ってるなら働けよ、馬車馬みてぇによ!」「ぜってぇ辞めさせないからな、うちゴリッゴリのブラックなんだからな」と言われて、辞めないのですね。

それからしばらくして、自宅に戻ると玄関のドアに紙袋。中にはトモヨ宛てのマリコからの手紙が・・・。それを読んで泣いているんだか笑っているんだかわからない表情で映画は終わるのです。

「ぜんぶ、ボクのせい」

5歳で児童養護施設に収容され、中学生になった少年・優太(白鳥晴都)が、川崎から房総まで母親(松本まりか)に会いに行くものの、理想の母親像とかけ離れた母親の姿を見て逃亡、海辺の街で出逢った軽トラホームレスの男(オダギリジョー)と傷ついた女子高生(川島鈴遥)と親しくなり、成長していく(こういう表現が嫌いなんですがね)物語です。

軽トラホームレスの男は、働かず盗品を金に換えたりして生活している、女子高生は援助交際(これも嫌いな言葉です。売春です)したり、不良とつきあったりして精神的な自傷行為を行なっている・・・。

こういったシチュエーションは昔のドラマに多くあったパターンです。ぴったりくるのが、日テレの無頼派ドラマ「傷だらけの天使」ですね。

軽トラホームレス男は軽トラに放火されて死んでしまうのですが、この犯人として疑われた少年が警察の取り調べで「世の中の悪いことは、ぜんぶ、ボクのせい」と言うのです。この一言は厳しいですね。

解釈は異なるのかもしれませんが、「自分が生まれてきたことによって、世の中には色々なことが起きているように思える」・・・というのは、自分が生まれてこなければ、色々なことが起きるのも目にしなくて、記憶しなくて済むのです。要は自分が生まれたことによって世の中の悪い部分と良い部分が見えてしまうのだということだと思うのです。

2つの作品の「海辺の街の逃亡する主人公」というシチュエーションは似ていますが、そこで出逢う人たちの明暗は異なるものです。それは個々に持っている「運」というモノですが、幸福になるにも不幸にもなるにも自分次第ということのようです。

ああ、世の中で起きている悪いことは、すべて現政権と、それに寄生するいくつかの保守党のせいです(´。`)



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