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帯状疱疹から憩室炎

帯状疱疹で右下半身の神経が痛んだあと、今度は左腹部が痛むようになった。持病の憩室炎?いや、帯状疱疹の痛みだろうと考えて放置していたら、さらに痛むようになった。

激痛で目黒での打ち合わせも休んでしまった。カルチャースクールは痛みに耐えて出かけた。3日経ってから発熱、37.7度まで上がると、そのまま寝こんでしまった。やっぱり(多分)憩室炎だった。目がグルグルと回って吐き気がするほどになり、明日は病院へ行こうと決めた。万が一の場合には救急車をお願いしようと考えていた。夜中にトイレに起きた際にはフラフラと蹌踉めいて倒れそうになった。

翌日になって歩けるようだったので、隣の駅近くにあるかかりつけの病院に行った。消化器科で医師に(多分)憩室炎であることを言い、一応検診を受けてから抗生物質薬を処方してもらおうと思ったのだった。入り口で体温を測ったら36.2度だった。そのまま受付に行き、「(多分)憩室炎で来た。昨夜は体温が37.7度だった」と言ったら「当院は1週間以内に高熱が出た人を受診できないんです。明日、発熱外来を受けてから受診できるかどうかを判断することになります」と、僕お気に入りのショートカット医療事務員(僕は短髪ちゃんと呼んでいる)に優しく言われた。「今は36.2度なんですよ」と答えたら「申し訳ありません、1週間以内に高熱が出た方は受診できないんです」と優しく言われた。

「憩室炎で腸に穴が空いたら(穿孔)大変なことになるんだよっ!」って言いたかったが、決まりなら仕方がない。短髪ちゃんに愛想笑いをして手を振りながら病院を出て、最寄り駅に戻り、駅前の胃腸内科病院(町医者だ。10年前まではかかりつけの病院だった)を受診することにした。

「憩室炎なんです。受診するのは10年ぶりなんですが・・・」と言うと「承知しました。10年だと記録があるかどうかわかりませんから受診票に記入して下さい」と受け入れてくれた。

10年ぶりに再会した町医者は少し年をとっている感じがした。昔は胃カメラを2度ほどやってもらったことがあるが、診察も回りくどい説明なしで腕のいい若い医者という感じがした。はっきりした物言いには腹が立つこともあったが、個人的に信頼していた。

それがこちらの事情で、10年前から隣町の総合病院を受診するようになった。総合病院は電車代もかかるし、何しろ医師たちがいい加減だった。総合病院ゆえにアチコチの病院を渡り歩く浪人医師たちばかりで、そのくせ変にプライドがあるから始末が悪い。それでも医療機器が揃っているので、採血、検尿、レントゲンにCT、MRIと即日結果が出る。

「医者はバカでも検査が早いほうがいい」ってなことで10年間の長きにわたって世話になっていたのだ。しかし、今回限りで総合病院との決別のときを迎えたのだ。内科、消化器科だけだけどね。

僕の左腹部を触診し「あ、本当に憩室炎らしいね。薬出しておくから2~3日経っても具合が改善しなかったら、また来てね」と言う。「じゃあ、これからお世話になりますから、よろしくお願いします」「ああ、はいはい」と10年間の隔たりは彼の老化だけだった。いや、実は医師の老化ではなく、僕の意識の老化なのかもしれない。

それにしても帯状疱疹にはじゅうぶんに注意しなくてはいけない。発疹だけならいいのだけれど、それが神経を犯すとなれば、他の痛みに気づかない場合がある。それが生命に関わる病気であれば大変なことになるからだ。

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