東京万景「葛飾区柴又」壱
かみさんの奢りでうなぎを食べに柴又まで出かけた。はじめは四つ木とか浅草橋のうなぎ屋の新規開拓をするか、出版社時代にお世話になった神田のきくかわに行くか迷った挙げ句、比較的交通費のかからない自宅近くの柴又帝釈天参道にある馴染みの(といっても先方は僕のことなど知らない。もう何度も行っているけれど、内向的な僕は女将さんとも女中さんとも親しく話したこともない。じゃあ馴染みじゃないじゃんw)川千家(かわちや)に決めた。
38年前、僕がレース鳩雑誌の編集者だったときに、江戸川沿いの建つ精神病院の院長に連れられて来たのが川千家だった。下の写真の外人を接待するために川千家の2階の座敷に芸者さんを呼んで川魚料理とうな重を食べさせてもらった。
今も変わらないが、当時も貧乏で、うなぎなんか5年に1回くらいしか食べられなかったから、川千家で鯉こくとうな重を食べさせてもらったことが若い頃の最高最良の出来事となった。
さて、パンデミックの最中に、忘れてしまったが、一律給付金が出たからかな? 川千家でうなぎを食べようと柴又を訪ねたことがあった。そのときは、参道のお店が全部お休みになっていて参拝客も数えるほどしかいなかった。真っ昼間なのに幽霊でも出てきそうな雰囲気だった。
弐へ…。
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