なまえを呼んで
誰かが自分の名前を声に出して呼んでもらう。
眼を閉じて想像の中で、高校の時のあのこに、家族のあのひとに、あこがれのあのひとに、テレビに出ていたあのヒトにも。
これからもきっと会えないかもだし、でも会ったことなんてないあのひとにも、なんならアニメの理想のあのひとにも。
こうなったら、だれかれ構わず、出演してもらう。
すきなひとびとに、これでもかって言うくらい、しつこいくらい何度でも、呼んでもらう。
だんだんと、下っ腹のあたりがしっかりしてきて、あたたまってきて、自分がここにいてもいいかもしれないって、思えてくるよ。いいんだよ。
足元が揺らいでも、涙が出てきても、
明日が来てもいいかもと、ちょっとだけおもえるようになるよ。
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