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自転車初心者が鳥取県に輪行しに行った話①

我が家から自転車が消えた日

南雲は生まれてこの方都会から離れた生活をしたことがありません。

首都圏は本当に快適というか空寒いくらいの利便性です。
どれくらい便利かと言うと、首都圏の代表的な鉄道であるJR山手線の、最も駅間の近い日暮里駅と西日暮里駅の距離は500mしかありません。
日暮里を出発してからもう西日暮里駅が薄っすらと見えるほどらしいです。

そのくらい交通の利便性がいいと、自転車を使う場面すらあまり多くありません。
それに加えてコロナ禍ピークで爆発的に普及した在宅勤務化、増え続けるコンビニ、ECサイトの置き配サービスなどの影響を受け、自転車を使う場面はますます減り、しかも家の前に自転車を置いていると前カゴにゴミを捨てられたり、パンクのいたずらをされたりと実害のほうが多くなってしまう始末。

そういうわけで、自転車を一家で処分することにしました。
それからすでに3年以上が経過しています。

『無計画性計画旅行』の達人

ところで、私にとって『旅行』というとイコール『一人旅』がデフォルトです。
都会住みということもあり、半年に一度、人の少ない自然豊かな旅館などに泊まったりします。
ここ数年は、長野の松本や金沢の石川城跡などへ行きました。

今年はと言うと、昨年秋に公開されたアニメ映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の影響を受け、唐突に原作者水木しげる氏の生地・鳥取県境港市への切符と宿を衝動的に取った次第です。

私、旅の際は大まかな旅程を立てるのですけど、
都会人の感覚で『目的地まで徒歩で十分』みたいな乗りで計画を立て、飛び込みで『あそこに行ってみるか?』と歩き始めて、小一時間経った頃に『これ目的地まで徒歩5時間かかるやつ……』と後から気づいたりします。

長野・松本へ行ったときなどは、宿周辺を歩いてもひたすら保養地のようなひと気のない宿街を抜け、国道沿いの潰れた美術館を眺めたのち、最寄りの銭湯まで2kmだと判明したり。
奥日光へ行ったときは、バスを降りるとひたすら湿地と沼。歩いてやっとこさ湯元へたどり着くと町に人はあらず、あるのは巨大な湖(湯ノ湖)だったり。(ボート屋や軽食屋は閉まっていた)
奈良へ行ったときは徒歩で神社を目指そうと2時間かけて歩き、道程半分ほどで疲れ切ってしまい、途中桜のきれいな寺で観音様を拝んだり。

とどのつまり、後から振り返ってみると、どこをどう考えても破綻している計画を立てることが多いのです。

平日の石川城跡。本丸がないことに行った後気づきました。
松本の宿周辺
松本の車道。徒歩者に容赦がない。
潰れてしまった浮世絵美術館
ひたぎさんじゃない方の戦場ヶ原

それは今回の境港にしても変わらず。
境港の宿を取ったことに気を良くし、

「昼に空港着だから、ホテルに荷物をおいた後『夢みなとタワー』へ行って、愛飲してる『澤井珈琲』のファクトリーにも行きたいし、夕方から『水木しげるロード』(宿から4km)へ行って銅像でも楽しむか」
「二日目は皆生温泉行きたい……(宿から13km)」
「帰りの飛行機まで大山いけるんじゃないか??(米子空港から車で片道1.5時間)」

と、予定を一日に詰め込んだりしていました。

それらの計画をトラベルアプリに入れてみると、

「なんで目的地1から2まで1時間以上間が空いてるんだろう……」
「え、一時間経たないと電車来ないの?」
「帰る頃には終電おわってる」
「タクシー会社さん曰く、三時間コースで大山観光はちょっと厳しいらしい汗」

と旅程の破綻に気付きました。
それが旅行出発当日の5日前(!)

旅程が破綻しているにもかかわらずすべての観光スポットを巡りたい南雲は、こう考えたのです。

「車がなければレンタサイクルをすればいいじゃない!」

前世はマリーアントワネットかもしれない。


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