教育の地域格差 【原体験を振り返る編】

意識したのは、田舎に住む年上のいとこ達が高校を卒業してすぐ就職していく姿を見た時だったと思う。
大学行かないんだ、と思った。受験勉強したくなかったのかな、田舎だとそういう人多いのかな、くらいに思っていた気がする。「あえてその選択肢を取らなかった」のだと思っていた。

私はいわゆる進学校に通っていたので、99%の同級生が四年制大学に進学をし、周りに漏れず何も疑わずに私も大学受験をした。自分のなりたい職業を思い浮かべた時に、専門学校も選択肢として浮かんだけれど、せっかくそれなりの学力があるんだから四年制大学を受けようと思った。
とにかく、就職という選択肢はなかった。進路相談でも、進学を前提に話が進んでいた気がする。高校を卒業すれば進学をすることは、私がいた環境では当たり前のことだった。

大学生になると、いとこから「キャンパスライフ楽しむんだよ」と言われた。
大人になって、いとこは「大学に行けば良かった」と言った。

彼が育った環境と私が育った環境は大きく違ったんだろうな、と今の私は思う。
彼が育った環境では、大学を卒業した大人が少なかった。大学に行く同級生も少なかったんだと思う。ロールモデルとなる大人や先輩たちは、高校を卒業して就職する人が多かったのだろう。
大学に行くという選択肢に、あまり現実味が無かったのだと思う。

育った環境によって、出会うロールモデルが違う。多数派が違う。選択肢が違う。
そのことは身をもって感じている。

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