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キャリア教育

●1999年「キャリア教育」
日本で「キャリア教育」という言葉が公的に登場したのは、1999年、中央教育審議会答申「初等中等教育と高等教育との接続の改善について」においてだった。
ちょうどバブル景気が崩壊した頃で、非正規雇用、フリーター、ニートの数が増えていることが問題となっていた。当時、文科省としては生徒にきちんとした勤労観・職業観を身に付けてもらうのは、従来の進路指導という枠組みの中で十分できるのではと考えていた。ところが、高校の進路指導というと、生徒が希望する大学や入社したい就職先に入れてあげるのが主眼になってしまって、「生き方」とか「キャリア形成」というところまで目が行かなかった。そこで、あえて耳障りな言葉を使うことで先生方に意識してもらおうと、思い切って「キャリア教育」という言葉に変えてみたという経緯。

文部科学省は、「キャリア教育とは、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」と定義付けしている。
※ 社会の中で自分の役割を果たしながら,自分らしい生き方を実現していく過程を「キャリア発達」という。

●2022年、高等学校の新学習指導要領に「キャリア教育の充実」を明記
文科省では「キャリア教育」の一環として、中学校においては職場体験活動、高校においてはインターンシップを大事にしようというキャンペーンを張った。その結果、そういう活動は充実してくる一方で、「キャリア教育」ってインターンシップをやっていればいいんでしょ? ということになってしまったり、「キャリア形成」は何か特定の教科・科目のみでできるものではないので、曖昧なつかみ所のないものになり、「何をやってもキャリア教育、だったら何もしなくてもキャリア教育」となってしまったり。そんな反省も踏まえて出てきたのが、「新学習指導要領(2022)」の総則だ。「キャリア教育の充実を図ること」と明記され、日本の学校である以上「キャリア教育をしません」とは言えない状況になった。

●「キャリア教育」の教科書は作らない?

教科書を作ると教える内容が一律になってしまう。しかし、日本は地域によって生活や職業に対する意識も違うし、普通科も専門学科も似たような教科書を使ってうまくいくだろうかという懸念もある。そして、実はインターンシップがそうだったが、インターンシップさえやっていればキャリア教育をやったと言えるだろうという意識が一時期多くの先生方の中に強くあったという教訓があった。教科書さえこなせばキャリア教育は終わったと思って欲しくないというのも、教科書がない理由としてはある。

●大学に「職業指導(キャリアガイダンス)」を義務化
2009年には文部科学省が大学教育の質の保証と学生支援充実の観点より、職業指導(キャリアガイダンス)の実施を法令上に明確化することを提言した。この提言により、キャリアガイダンスは大学設置基準に位置付けられたことになった。

✅の部分は、2022年度の新学習指導要領への改正で変わっていく?

「色んな選択肢があることを知っていたかった」
➡︎ ✅職業体験機会(インターン含む)の提供、?アルバイトの容認、
色んな社会人との接点(OBOG・外部講師)
「仕事は楽しいものだと大人に言って欲しかった」
➡︎ 色んな社会人との接点(OBOG・外部講師)…ロールモデルとの出会い
「自分自身を理解するサポートをして欲しかった」
➡︎ フレームワークの構築、標準化、カリキュラムに組み込む、コーチングの導入


◎参考サイト
https://www.mynavi.jp/trendnavi/no35.html

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/1312816.htm
https://www.kaonavi.jp/dictionary/career-education/

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