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GPT4が持つ脳科学の知識で、伝わるプレゼンが作れる

聴衆がプレゼンに求める内容は効き脳ごとに異なる

以前「誰でも作れるセンスのいいパワポ」という本の中で「脳科学に基づくスライドデザイン」について触れました。「ハーマンモデル」では、脳機能を大脳新皮質側の左脳と右脳、辺縁系側の左脳と右脳の4つに分け、個人ごとに利き脳が異なるとされます。この本ではそれぞれの利き脳が好ましいと思うスライドデザインを予測しました。

様々な分野の膨大なデータベースを持つGPT4であれば「聴衆がパワポプレゼンを聞く際に求めていること」を効き脳ごとに分類することが可能かもしれません。そこで「聴衆がパワポプレゼンを聞く際に求めていることを、ハーマンモデルに基づいて各領域ごとに10ずつ箇条書きで答えてください。」と聞いてみたところ、驚く結果になりました。

聴衆がパワポプレゼンを聞く際に求めることを、ハーマンモデルの各領域に基づいて10ずつ箇条書きでまとめました。

A: 分析的思考
1. クリアな目的や目標が提示されている
2. 正確なデータや情報が提供される
3. 論理的な構成や展開がされている
4. 引用や参考資料が明示されている
5. 問題や課題が明確に議論される
6. 根拠に基づく解決策が提案される
7. 質疑応答で具体的な回答が得られる
8. 情報が整理され、要点が抽出されている
9. 進捗状況や成果が明確に報告される
10. 聴衆の理解を深めるための具体例が提供される

B: 実践的思考
1. わかりやすいスライドデザインが用いられている
2. 適切なサイズや配置の文字と画像が使われる
3. 背景色やフォントが統一感がある
4. プレゼンが適切な時間内に収まる
5. 練習されたスピーチで聞き取りやすい
6. オーディエンスに合わせて内容が調整される
7. 質疑応答がスムーズに行われる
8. 適切なテンプレートが使用されている
9. ペースが適切で退屈しない
10. 実践的な例や事例が用いられている

C: 関係思考
1. ストーリーテリングで親しみやすさがある
2. オーディエンスの関心やニーズに対応している
3. コミュニケーションを重視したプレゼンが行われる
4. 表情やトーンで親しみを感じさせる
5. オーディエンスの反応に適切に対応する
6. 視聴者を巻き込む質問やアクティビティがある
7. 柔軟に内容を変更できるプレゼンが行われる
8. 質疑応答でリスナーに親身に対応する
9. フィードバックを受け入れ、改善に活かす
10. オーディエンスのエンゲージメントが高まる工夫がされている

D: 革新的思考
1. ユニークで創造的なスライドデザインが用いられている
2. 新しい視点やアイデアがプレゼンテーションに取り入れられている
3. 従来の枠組みにとらわれないプレゼンが行われる
4. アニメーションやインタラクティブ要素が効果的に使用されている
5. プレゼンテーションで新しい技術やツールが取り入れられている
6. オーディエンスにインパクトを与えるような内容が提供される
7. 異なる分野や専門知識を組み合わせたプレゼンが行われる
8. 既存のプレゼン手法を改善し、独自のスタイルを確立する
9. 情報やデータを視覚的に魅力的に表現する工夫がされている
10. プレゼンテーションを通じて新たな価値や意義を生み出す

これらの40の項目は、聴衆がパワポプレゼンを聞く際に求めることをハーマンモデルの各領域に基づいてまとめたものです。プレゼンターはこれらの要素を考慮し、プレゼンテーションの質を向上させることができます。

GPT4より出力

このようにGPT4は脳科学についての詳細な知識を持ち、さらにその知識をプレゼンを聞く聴衆の視点に転用することができました。この出力結果を使えば、なぜ人によって同じプレゼンを聞いた時の反応が異なるのかを、具体的な「効き脳ごとにプレゼンに求める内容の違い」により説明することが可能になります。

プレゼン製作者の効き脳を調べる簡易テスト

ちなみに、自分の効き脳がどのタイプかを知りたい場合には、GPT4に簡易テストを作ってもらうこともできます。

今回「ハーマンモデルの簡易テストを作りたい。50項目の質問を考えてください」という質問をしたところ、すぐに簡易テストが出力されました。質問項目が一般的であったこと、4つの効き脳毎の質問項目が12~13個とばらけてしまったことを修正するために、追加で「パワポプレゼンを製作する際の状況で質問項目を書き換えてください。質問項目は全部で40項目になるようにしてください。」と依頼して調整します。

これにより、以下のような「プレゼン製作者の効き脳を調べる簡易テスト」を作ることができました。

パワポプレゼンの作成に関連する状況を想定し、ハーマンモデルに基づいて各領域ごとに10の質問を用意しました。質問には5段階の評価尺度(1: まったく当てはまらない ~ 5: 非常に当てはまる)を使用して回答させます。

A: 分析的思考
1. プレゼンの目的や目標を明確に設定することができる
2. データや情報を正確に分析し、適切に利用する
3. 数字や統計を用いて主張を裏付ける
4. プレゼンの構成や流れを論理的に組み立てる
5. 引用元や参考資料を明確にする
6. 問題点や課題を明らかにし、解決策を提案する
7. 受け手の疑問に対して根拠を持って回答できる
8. 情報を整理し、要点を抽出するのが得意だ
9. 目標達成に向けてスケジュールを立てる
10. プレゼンの改善点を分析し、改善策を見つける

B: 実践的思考
1. スライドデザインがシンプルでわかりやすい
2. 文字や画像が適切なサイズで配置されている
3. スライドの背景色やフォントが統一されている
4. タイムマネジメントを意識してプレゼンを進める
5. プレゼンの練習やリハーサルを十分に行う
6. オーディエンスに合わせてプレゼン内容を調整する
7. 質疑応答の準備をしておく
8. 必要に応じて適切なテンプレートを使用する
9. プレゼンテーションに適切なペースで進める
10. 実践的な例や事例を用いて説明する

C: 関係思考
1. ストーリーテリングを取り入れて親しみやすくする
2. オーディエンスの関心やニーズに応じて内容を調整する
3. 視聴者とのコミュニケーションを意識する
4. プレゼン中の表情やトーンで親しみを感じさ
5. プレゼン中の表情やトーンで親しみを感じさせる視聴者の反応を読み取り、適切に対応する
6. オーディエンスを巻き込む質問やアクティビティを取り入れる
7. プレゼンテーションの内容を聞き手に合わせて柔軟に変更できる
8. 質疑応答の際に親身になってリスナーの質問に答える
9. プレゼン後のフィードバックを受け入れ、改善に活かす
10. 視聴者の関心を持続させるためにエンゲージメントを高める工夫をする

D: 革新的思考
1. ユニークで創造的なスライドデザインを試みる
2. 新しい視点やアイデアを取り入れたプレゼンを行う
3. 従来の枠組みにとらわれないプレゼンテーションを目指す
4. アニメーションやインタラクティブ要素を効果的に使用する
5. プレゼンテーションで新しい技術やツールを取り入れる
6. オーディエンスにインパクトを与えるような内容を提供する
7. 異なる分野や専門知識を組み合わせたプレゼンを行う
8. 既存のプレゼン手法を改善し、独自のスタイルを確立する
9. 情報やデータを視覚的に魅力的に表現する工夫をする
10. プレゼンテーションを通じて新たな価値や意義を生み出す

これらの40の質問に回答し、各領域ごとに得点を合計することで、パワポプレゼンの作成におけるハーマンモデルに基づく簡易テストを実施できます。それぞれの領域の得点が高いほど、その領域におけるプレゼンテーションスキルが強いことを示しています。

GPT4より出力

脳科学に基づく効果的なプレゼン製作

このように①聴衆の効き脳を予測し②自分の効き脳を知ることで、脳科学に基づく効果的なプレゼン製作をすることができます。

①と②が同じ場合は、自分の好みのプレゼンを作るだけで、相手に想いや情報を伝えることができるでしょう。しかし①と②が異なる場合は、相手が好む内容を考えて、より相手に伝わりやすいプレゼンを作る必要があるかもしれません。自分ひとりで作るのが難しい場合は、聴衆と同じ効き脳を持っていそうな人に相談するとよいでしょう。

このように、脳科学の知識を使い効き脳を意識すれば、自分のプレゼンを飛躍的に伝わりやすくすることができます。相手によってプレゼンがうまく伝わらない…というお悩みをお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひ試してみてくださいね。

※今回のサムネイルはSlidesgoの有料テンプレを使用して作成しました↓

※2023年1月にパワポ本を出版しました。こちらもよろしくお願いします!↓


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