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舞台・魔法使いの約束2章 感想

何度も観劇して、何度も配信をみて、あまりにも良かった……しか感想が飛び出て来なくて感想を書くのが遅くなってしまった。
勢いで書いているので長いし、読みづらいのは仕方ないと思って欲しい。

1章のときも思ったけれど、2.5舞台としてとても丁寧に原作に寄り添っているし、ストーリーをメインからだけではなく、親愛からも組み込んでいて、難しいパズルだろうにとても良く脚本が出来ている。
脚本と作詞を浅井さんひとりで書いていることが世界観のブレのなさに繋がっているのかなと思わされる。歌詞も、前回からの引用だったり、今作内でも意味を違えて引用があったりと痒いところに手が届くつくりになっていて嬉しい。
まほやくという作品はストーリーと世界観がひとりひとりのキャラクターの設定として深く作られていると感じるので、脚本やセリフに組み込まない強い想いや出来事を歌にするときに、例えば詞の作成者が別だったら全く纏まりがなくなってしまう気がする。監修ももちろん入っていると思うけれど、歌詞が本当に上手くキャラの関係性や出来事や世界観を拾ってくれていて、ありがたい。

キャストのインスタライブでキャストたちはゲームのストーリーだけでなく、キャラのこれからの話も聞いているということを知って『制作とキャラと世界観の共通認識が出来ているのは素晴らしいな』と思った。2章までの舞台のキャラ認識や世界観認識もそうだし、これからゲーム上でストーリーが進んでいっても我々が抱くキャラ認識と舞台に大幅なズレはないかもかなと安心感がある。
キャストの話といえば、1章の時も思ったけれど、それぞれの役割やキャラクターが本人たちともリンクしているように感じたのも凄く嬉しかった。
北以外の先生役の魔法使いたちはその通り各国の中では一番年長者で、年齢やキャリア的にも特に若者の多い2.5現場だと割と先輩になるキャストがキャスティングされている。
別に年上だったりキャリアが長いからといってキャストたちで教えあったりする必要はないと思うけれど、稽古中や公演中に芝居や歌のことを話し合える座組は雰囲気が良いことも想像出来るし、教わる側はもちろん、教える側にも良い経験になると思う。風通しが良く向上心に溢れた現場なのだろう。
他の舞台でも何度か見ているキャストは色々気づくことがあって、やっぱり北川くんのアーサーはマイペースさと頑固さと前向きさが、本当にアーサーにぴったりだなと改めて思ったし、かなりミュージカルや歌ものの舞台に出ていたので、歌の伸び代はもうないのかな……と思って眺めていたけど1章で上手くなって、2章で更に伸びてびっくりした。特にパレードのアーサーとカインのデュエットは、公演が始まってからふたりともグッと伸びて見るたびに驚かされたし、成長に感動してしまった。
森田桐矢くんのラスティカは美しいだろうなと思ってはいたけど役柄としてあまり想像できなくて、キャスト発表後親愛や他のストーリーを読み、少し不穏を背負う役柄は、本当に森田桐矢くんにピッタリだな……とキャスティングに感動した。あと歌がもの凄く上手くなっていてびっくりした。
フィガロとレノックスは別のキャストを想像していたけど和合さんのフィガロは緩急の上手さがやっぱり流石過ぎるし、レノックスは寿大くんの真っ直ぐさとアクションの美しさが本当にレノックスだった。
レノックスといえば、ファウストがアレクの肖像画を眺めていて、後ろからレノックスが出てきて同じくアレクの肖像画を眺めるシーン、アレクの肖像画を眺めながらあの鍵を取り出すのは……初見では心を100発殴られて倒れてしまいそうな演出だった。レノックスは今回魔道具としての鍵をみせていないし、3章ではファウストが初めてレノックスの魔道具を見るシーンもあるのかなと想像してしまって今から心に打撃を負っている。

2章公演中にまほやくの方も2周年が始まって、各々の記念日を読んで、リケの記念日を読んだ後にネロが振る舞うパンのシーンを見て泣いてしまった。
設定やこの先の共有もそうだし、まほやくとまほステは本当に丁寧に誠実にメディアミックス化しているな……と2周年ストーリーを読了したあとに改めて思わされた。2周年ストーリーの後半はステが終わった後に公開されたけれど、ステの公演最中に公開されていたら見る目線や心情が全く違うものになりそうなストーリーだったので、ステ終わりでの公開は、どちらもしっかりと堪能することが出来て本当にありがたかった。
2部の開始時期もおそらくまほステ3章と足並み揃えてるんだろうなと感じたので、2022年春はまほステに心奪われた後まほやくにも心を狂わされるんだろうな……と今からわくわくが止まらない。

パレードは、パワーズの歌と演出にドキドキしていたら幕が上がっていって、現れた正装の魔法使いたちに感動と興奮と美しいものを浴びすぎて浄化されるかと思ったし、目が足りなくて困った。歌で繋ぐ各々の国や関係性の歌詞も曲ももの凄く合っていて多幸感に包まれる。

今回はパレードの曲、集いし者たち、称号の関係性の曲とオムニバスみたいに長くて繋がる曲が多くて凄く聞き応えがあった。それぞれ演劇として説明すると長くなってしまってまとめきれない気がするけれど、まほステに限らずミュージカルとして物語を曲で繋ぐと、観客側の時間の感じ方を短くさせてくれると感じている。
先述の通り詩も凄く世界観を掬っていて素晴らしいと感じるけど、坂部さんの曲ももの凄く素晴らしくて美しい。聴き馴染みが良く、ちゃんとそれぞれの色を曲が表現していて、それが観る側、聴く側の印象とも違っていないことが嬉しい。
特に集いし者たちが本当に好きすぎてCDにはなると思うけど何度も聞きたい。
本山さんの振付も本当にどれも秀逸で、特に「浮かび上がった紋章〜」のところで自分の紋章を押さえる振りは効きすぎる。(あと「嵐が起きるか」の振りがテニミュみたいだと思った)
「呪いの言葉がいつか愛の歌になるかもしれない」から始まる反する言葉続きが、物凄く『まほやくのストーリー観』で感動したし実際曲とステージの上の全部の美しさに感動して泣いてしまった。(「いつかの悪夢が希望の正夢になるかもしれない」をファウストが歌っているのは息ができなくなる)

月蝕の館のシーンは、ゲームストーリーとは展開が違うけど、もの凄く上手く作られていてそのキャラがそのキャラらしい働きをしてて何の違和感もなかった。1周年ストーリーと上手く関係性を混ぜているように見えて、この先のことも見ているみたいでわくわくしてしまった。
ムルとシャイロックのシーンは、橋本くんとジェーくんの役者としてのぶつかり合いのシーンという感じでふたりの熱のぶつかり合いにぞくぞくした。ムルとしてシャイロックの心を煽る橋本くんがジェーくんのお芝居をより引っ張り出しているんだなと感じる。また、ゲーム内だとシャイロックはもっとクールなように見えたけれど、ジェーくんのお芝居はもっと情感が篭っていてムルへの囚われ方がもっと切ないもののように思えた。ジェーくんのシャイロックの解釈なんだなと感じてそれも好きだなと思うし、そういう役者や演出の解釈の発見があるからこそ2.5のステージは楽しい。

そして矢田さんのファウスト…………好き……しか言うことがなくて困る。
わたしは矢田さんのファンなので劇場では大体ずっと観ていたのに、美しすぎて表現する言葉がなくて、一緒に観た知り合いに「美しい……」しか言えないbotになってしまった。
今回は東も揃って、フィガロとレノックスも居るので舞台上でのファウストの人間関係が深くなり、実際フィガロとレノックスとの3人で居るシーンは過去の関係の示唆に心臓を掻きむしりたくなった。ゲームでもそれは毎回そうだけれど、実際役者が演じているのを観るとより浮き出されて理解が増すし衝撃を受けてしまう。
今回はレノックスとのシーンが多くて、称号曲では「行くぞ 僕について来い 僕からはぐれるな」は過去のことだったのに、月蝕の館ではしっかりレノックスに向かって「僕について来い」と言うのが凄く強くて革命家ファウストの匂いがしたし、レノックスの表情にもそれを感じた嬉しさが溢れててグッときた。
たぶん、ゲーム内のファウストならこの時期では色々な心のしがらみでレノックス相手にそう言うことは出来なかったんじゃないかなと思う。でも矢田さんの演じるファウストはこの時の実際のファウストより『中央建国の革命家』の強さを物凄く感じるので、今回そう言っても違和感は全然なかった。あと矢田さん自身の目力が強すぎて、400年隠者をやっていても消えなかった、人を率いた誇り高い瞳の輝きが矢田さんの演じるファウストの目に出ていると感じた。
そして2幕最初の銀色の三日月は……矢田さんの歌声に「銀色の三日月」歌わせたいの、わかる…………親愛ストーリーからそこ抜き出してくるのもありがたい……
この時の背景映像も美しくて、ファウスト定点でオペグラもしたいのに全体でもみたくて忙しかったのを覚えている。
引きでみたとき『星月夜じゃん……』という感想に至った。

この曲ではセリフが歌になって会話があるのも本当に痒いところに手が届いてくれる……みたいな、ミュージカルを観てて『こういうの好き』となる演出が詰められてて観ながら舞台に手を合わせてしまった。
ここの「行くぞ 僕について来い 僕からはぐれるな」を処刑の丘の前で歌うのが、ゲームストーリーでもあることだけど目の当たりにするとあまりにも心臓に負担が大きい……。

相変わらず照明や映像の作り方も美しくて、どのキャラもどのセットもその場にあるもの全て美しく見せててありがたかった……早く舞台写真が欲しい。


キャストは書き出すとキリがないけど、思い出として残したいのでひとりずつ。

はるちゃん→アーサーとの交流で1章よりオズが一緒にいる不思議さは無くなっていたし1章より美しくなっていた気がする。何よりオズの強さと重厚さが佇まいから匂い立つのが素晴らしい。
北川くんは書いたので割愛
岩城くん→メイクが前より落ち着いてカッコ良さが際立ってたみたいにみえた。先述したけど歌も上手くなっていたし、演技も殺陣も凄い良くなった。
新谷くん→「やったー!」がリケまま過ぎてびっくりした…初舞台なの信じられないくらい出来ているしそして可愛いし強さを感じて『リケ
…』ってなる。
ゆめとくん・司くん→このふたりは前回より『ふたり!』って感じが増してて凄かった。パレードのとこ、からくりオルゴールにしたい。
鮎川くん→キャスティングで『正解』だったけど実際はもう……ほんと脚長おじさん(物理)だし、アーサーと対峙するときの「へえ」の手の振る舞いが見たやつ(みてない)だったから解釈が一致で最高だった。あとマドレーヌのところ鮎川くんの提案だと聞いて本当に『愛』でありがたさがある……
神永くん→想像がつかなかったけどわたしが最後に神永くんを見たのはダンデビだったからで、痩せたと聞いて舞台で見て『偉い…………』と感動してしまった。そして物凄くセリフが聞き取りやすいしセリフ最後の息が流れるのも凄くオーエンの不穏さが出てて良い……
太郎くん→前作でも最高だったけど今作も最高のアクション……脚が長い、歌が上手い、芝居が上手い……ネロとのシーンがやっぱり凄く好き。
矢田さんは割愛。
田村くん→どんどん歌が上手くなってびっくりした!東で歌うシーンが物凄く顕著に変わっていった……!シノの気の強さと若さゆえの尊大さがぴったりで嫌味じゃなくてちゃんと可愛く感じられるのは田村くんの持つ弟っぽさからもきてるのかなと思う。鎌をあれだけ扱えるの凄い。
加藤くん→上手くなってる〜〜〜〜!!!ってびっくりした……しかも公演始まってからもまだまだ上手くなるし……本当に伸び代しかない!強く振る舞うところが特にどんどん強くなっていってブランシェット家次期党首………って跪きたくなった。
坪倉くん→SNSの本人画像見て『加工が強いな〜』と思っていたらオペグラから見たネロがそのままの顔してて度肝を抜かれた。びっっくりした。魔法使いはイケメンって賢者は言うけど本当に……。リケとのシーンが何度見ても好き過ぎる。あと期間中SNSで料理作ってたの本当に可愛い。
ジェーくんと橋本くん書いたので割愛。橋本くんは歌もダンスもめちゃくちゃ上手くて目を引く……

森田くんも書いたので割愛。
皆木くん→クロエはどのシーンでも泣いてしまうのでダメなんですが皆木くんが『あざとい』演技じゃなくて、ちゃんと真っ直ぐな演技でクロエを作ってくれていたから余計に泣けた。スカーフのとこみると毎回胸が詰まるし泣いてしまう。
和合さんと寿大くんは割愛。3章が楽しみすぎてお腹が痛い。
大海くん→想像がつかなかったけどびっっっくりするくらいルチルだった!どうしてもちょっと骨格の男らしさが増してるけど気が強くて美しくて真っ直ぐなルチルで最高だったし、声が似てる……!
今牧くん→越前とまた違うけど可愛いし上手いし本当に少年でありがたい……ブラッドリーとのシーンが大好き。新谷くんと仲良くしてるのも可愛すぎる。
月蝕の館でミチルとルチルの魔法陣が重なったの、こんな風にもなるんだ〜とゲームでは見られない演出に感動した。
星乃くん→クックロビンどんどん可愛くなってくるし、改めて本当に器用なひとだな……と思う……。
平川さん→ドラちゃん可愛すぎて癒し………今回本当に魔法使いたちを好きになってるのが全面に出ててにこにこした。
佐々木さん→大きい!!!!上手い!!!!迫力のニコラス。最後のリプライズのところ、指先を見ているのがあまりにも辛い。
今さん→歌と辛くあたる演技の迫力……魔法科学の歌ニコラスとの力が凄すぎて歌の圧が強い……ほさかさんも言っていたけどアーサーとヴィンセント、顔が似ていて血族を感じる……。
新くん→上手くなったし、賢者として強くなったのを感じた……!!!色んなインタビューで『普通』でいるようにするってことを言っていたけど、あの中で普通でいることって物凄く難しいし、ずっと居るから色んなキャラに感情移入してもおかしくないのに、揃ったところではちゃんと『みんな』をみている賢者様だから強いし包容力があって素敵だし強いひとだな……と思った。2章をみてからまほやくをプレイするときはどうしても賢者が新くんの姿になってしまうし、それが嬉しい。
それから、キャストの話でもう一つ。
呪文での魔法発動のポーズは、それぞれキャストが作っているという話がとても良かった。
魔法発動のポーズは、そのキャラの決めポーズとなるものだろうし、キャラの性格や世界観など、まほやくについて、キャラについて深く考え、キャラを自分に落とし込んだ上で一体化させることが最も必要になるものだと思う。
それをキャスト自身に託されているというのは、(もちろん大きく違えば演出などからNGはあるだろうけど)それこそ役者たちへの信頼だなあと嬉しかったし、役者のキャラへの解釈が詰まっていると知ることができて嬉しかった。

あとはあの人数を舞台に乗せてちゃんとひとりひとりきちんと場所に意味があるし、見えるようになってるし、作品への寄りそいと理解と愛があるほさかさんがまた好きになった。
他にもそのキャラの背景によって化粧品の質も違うと聞いたメイクのこだわりとか、相変わらず素晴らしい出来の小道具とか、衣装もちゃんとお金がかかっていて最高で……。

配信はもう終わってしまったけど、円盤が楽しみだし、そして3章も楽しみだ。
次は地方公演もあるし、今度はメインストーリーの締めくくりなのでみんなが打ち上げも出来るような環境ならいいなと思う。
次回もきっとこちらの想像を越えるような、美しさと愛とほんの少しの痛みを包んだ舞台を観られるのをたのしみに、まほやくをプレイしたり1章の円盤を観て過ごしたいと思う。

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