第128話 幸せはいつもそばに

たぶん、わたしはずっと幸せだった。

ずっと、愛されていた。

そんなことにも気付かなかった。

足りないものを求めて
満たされていると言い聞かせて
ここまで来てしまった。


結婚していた15年間

そこには、わたしが欲しくてたまらないものが
たくさんあった。

それなのに、無かったことにしていた。
愛されていたことも、
幸せだった日々も
全部、無かったことにしていた。

まるで、他人のことのように
思い出されない記憶になっていた。

思い出すことが出来ないほど
失ったものは大きくて
あの頃のわたしの全てだった。


でも、わたしはずっと幸せだった。

もっと、大切にしていればよかった。

自分のことも
まわりの人のことも。

もっと、素直に生きていればよかった。


わたしはもう、前に進んでいる。

これでやっと、本当にお別れが出来そうだ。

わたしは、可哀想なわたしではない。
強がりでも何でもなく
そう思う。

人は変わる。

だから、もっと今を大切にしよう。

明日どうなるかは分からないけれど、
大切なのは今日だ。


大切な人の笑顔を少しでも長く見ていられますように。

一緒に笑って居られますように。

たとえ離れても、幸せを願っていられる
わたしで居られますように。


もう、何も失いたくないけれど
未来は分からないから
少しでも後悔が少ないように

今を大切にしていこう。


わたしに出来るのは
それくらいしかないから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?