歳を重ねて若返る秘訣・・

今月11月10日に、世界三大テノールのお一人、ホセ・カレーラスのリサイタルに行きました。２年前に見たときと比べて、さらにパワフルで、さらに透明感があって、さらに楽しいリサイタルでした。

カレーラスのリサイタルの最高の見所は、アンコール。客電が点いて、席を立って帰る人がいても、まだ聞きたい観客からの拍手があると、何度も繰り返し歌ってくれます。

今回も、8曲目のアンコール、グラナダを歌ってくださったときは、客席が3分の1くらい空席になっていました。それでも、全力で、歌うことの喜びを全身で表現されていて、感動で涙がこみ上げてきました。

カレーラスもそうなのですが、年齢を重ねたある時期から、邪気を失い、透明感あふれ、おごり高ぶるどころか、純粋な子供のような無邪気な姿を見せてくださる方がいらっしゃいます。

一方で、功なり名を遂げ、地位も名誉も得られたはずなのに、プライドが高くて、認められることを求め、まだまだ邪気を増強している方もいらっしゃいます。

この違いは何だろうかと、ふと思ったのが、次の２つのことです。一つは、これまで与えられたもの、全てのご縁に感謝すること。もう一つは、他者との比較ではなく、純粋に自分の心が求めるものに従うこと。

カレーラスの姿からは、観客への感謝、歌うことへの感謝、そして、歌いたいという気持ちが溢れているように思いました。

人生１００年時代、後半は、感謝の気持ちと、他者との比較ではなく自分の心に正直に、生きていきたいと思う今日この頃です。