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無ければ、作ればいい

大学で講義をすると、「なぜ、起業したのですか?」と言う質問を受けます。

起業を決意したのは大学時代です。インターネットのなかった当時は、就職活動をするために、企業に直接電話をして資料請求をする必要がありました。東京の会社に大阪から電話をすると、「東京に自宅のない女性は雇わない」「女性は一般職以外雇わない」という回答を何社かから言われました。

また、大学時代に読んだ石川達三という人の本には、「妻というものは、性生活付きの女中である」というようなことが書かれていました。

さらに、大学の研究室では、誰もが教授の顔色を見ながら働いているように見えました。(学生時代の被害妄想かもしれません・・)

そんなこんなで、世の中には、女性や若い人が活躍できる場などないのだ・・と失望したのです。でも、そういう場がないならば、自分が作ればいいと思ったのです。女性であろうが、年齢が若かろうが、外国人であろうが、歳をとっていようが、頑張りたい人が評価され、責任ある仕事を任される会社を自分で作ればいいのだと思ったのです。

どうしてそう思ったのかといえば、私の父も母も、なんでも作る人でした。滑り台が欲しいと言えば、父は滑り台を作ってくれました。電池やモータを使って、いろんなおもちゃを作ってくれましたし、コンピュータゲームが欲しいと言ったとき、パソコンを買ってくれて、一緒にbasic言語を勉強して、ゲームを作ることを教えてくれました。テレビで見るようなケーキが食べたいと言えば、母はケーキやシュークリームを作ってくれましたし、雑誌で見るような洋服が欲しいと言えば、ミシンや編み機で洋服を作ってくれました。

ですから、欲しいものがあれば作ることが、我が家では当たり前でした。

会社も同じです。無いのなら作ればいいと思ったのです。

あれから随分と年月が経ちました。何事も、無いから無理ではなく、今一度、「無ければ作る」という意識に戻らなければ・・と思う今日この頃です。

*写真は、子供の頃に父が作ってくれた滑り台です。

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