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高橋一生のナマ声に出会う

ブログが全く進まない。全くとは「ゼロ」のこと。
全く進まない。一文字も書けない。
理由は簡単だ。

ブログの参考にと買ってきたこの本。ペラっと開いて次に気がつくと、私は、読後感と満足感に浸っていた(1時間経過)。

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2日前にいそいそと出かけたのは、これだった。

坂元裕二 脚本
朗読劇
「忘れえぬ 忘れえぬ」

坂元裕二は、大好きな脚本家。

どハマりするドラマは、たいてい脚本が彼。これに気づいてから私の追っかけは始まった。

「カルテット」「Mother」「Woman」「それでも、生きていく」今も時々見返すドラマは、ほぼ彼の作品だ。


朗読劇があると知ったのは、坂元裕二のインスタ。「よっしゃ!」と小さくガッツポーズ。昨年はコロナ禍で中止になった舞台だ。だから今回はどうしても行きたかった。私はチケットの「先行抽選」の申し込みの時間をカレンダーに入れ、リマインドをかけた。

ドキドキして迎えたその日、私は時計と共に「3,2,1!」で申し込んだ。
早ければ当選するというヤツでないのは知っていたけれど、この朗読劇には、何が何でも行きたかった。そして、私の坂元裕二愛と熱意をこの申込のスピードで彼に伝えたかった。


そして、もうひとり、私が愛を伝えたい人がそこに居た。
その人は朗読劇で朗読する人、高橋一生だ。
(人´_`)♡


「初恋」と「不倫」 東京公演 
『忘れえぬ 忘れえぬ』 
高橋一生×酒井若菜 

劇場で、坂元裕二の脚本を高橋一生が朗読する

これだけで
私はもう頭がおかしくなる。

高橋一生の声は卑怯だ。
あの声を嫌いだという女子はこの世には存在しないだろう(断言)。

簡単に言うと
この朗読劇は私にとって

鼻血がでそうなくらい大好きな男二人に、
右耳と左耳から同時に熱烈な愛の告白をされるのと
同じこと。
(*♥¡¡♥)

これで鼻血が出ないはずがない。


やっと当たったこのチケット。
コンビニで発券するのが舞台当日になったのは、

万が一、無くすのが怖かったから。
そして
万が一最前列だったら、私の鼻血が当日までもたないから。
(*♥¡¡♥)

幸いなことに、チケットは無くすことなく、
席は後ろから数えて5列目だった。
鼻血の失血死は免れた。


私が当選した18日は日曜日だった。
仕事は朝から入っており、その日も予定はグーグルカレンダーに重なるように詰まっていた。

畳みかけるような仕事を全力で終えると、朗読劇が始まる17時30分まで40分あった。

会場への移動時間を考えると、食べ損ねたランチに費やす時間は無い。
ましてや、朗読劇の最中に、満腹を餌にする睡魔が万が一襲ってきたら、居眠りする前に私は舌を噛んで死んでしまいたくなる。

後ろから5列目とはいえ、高橋一生が坂元裕二の作品を演じるその声が届く場所で、万が一にもフガッと鼻を鳴らすわけにはいかない。
そんなことをする位なら、鼻血を垂れ流して失血す方がよほど愛が伝わる。

私は、食事をとるのは止めて、覚醒の為のオーガニック抹茶を買った。
(深い森のように濃くて、ほろ苦くて、あー、あの声にピッタリ♡)

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よみうりホールの入口に着くと、係の人が大声で叫んでいた。
「あと2分で始まりまーーす!お急ぎくださーい!」

私は、右手にチケットを握りしめ、エスカレーターへと
全速力で走った。

「チケットの半券は、ご自身でもぎってください!!」
――もぎってって?
――半券を切れってこと?

聞き返している時間は無い。

真ん中から半分に引きちぎったチケットを渡すと
「あ、そっちじゃなくてこっち」
と、係の人は私の手のひらの中でクシャクシャになった方を取った。

劇場の重い扉が閉まりかけていた。

「ちょ、ちょっと、いま!」

もはやチケットとは言い難いそれを握りしめ
私は重い扉を蹴破るように会場に飛び込んだ。

満席だった。

会場は、
真っ暗な舞台に真っすぐに目を凝らす女子で
満席だった。


案内の人に促され
私は、後ろから5列目、端の通路から2つ目の席に座った。

バッグを膝に乗せ、スマホの電源を切った瞬間、
押し殺し、言葉にならないため息のような、吐息のような
漏れ溢れた何かが、会場を満たした。

遠く舞台の左側、ひとりがけのソファに高橋一生は座っていた。
近眼でも見えるものだ。

あぁ、やっとこの時が来た。

私は、眼鏡をかけ直し、舞台に目を凝らした。


紛れもない、もうじきあの声がこの会場を満たすのだ。

そして私は、今日、
世紀のイケメンに
右耳と左耳の両方から猛烈な愛の告白を受けるのだ。

手に握ったタオルハンカチは、万が一の鼻血にも対応できる厚手のもの。
準備の良さに、自分を褒めてやりたいと思った。

舞台の上の、左の椅子にスポットライトが当たった。

目を凝らして彼の姿を見る。

息を吸う
彼の胸が大きくうねるのを私は見逃さなかった。

(この続きはまた来週!)

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