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「議員秘書」に必要な素養はなにかありますか?

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さて、第1回目の今回はこんなご質問を頂きました。
議員秘書になるには資格は必要ないと知りました。特にこれは身に付けておいた方が良いという資格、教養は何かありますか? ーーネコマネキさん

議員秘書、というとどんなイメージをもたれるでしょう。
ビシッとしたスーツに黒メガネ。手には分厚い手帳とペン。携帯電話で話をしながら、メモを走らせる。ちょっと早口でキリっとした印象、でしょうか。毎日新聞を読み、勉強を欠かさず、国会の動き、世界の流れ、経済の動きをも把握して、議員を支える。

テレビや雑誌で見る「議員秘書」はこんな風に描かれていることが多くあります。確かに、間違ってはいません。知的で格好の良いスマートな議員秘書。でも、議員秘書になるには、もっと大切なことがあります。

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私は議員に秘書をご紹介することもしています。議員からどんな秘書が欲しいのか、何ができることが必須条件なのかを聞くと、たいていこれまでの苦労話が出てきます。

以前、ある議員からこんな話を聞いたことがありました。
地元の有力者から秘書に使ってくれと人を紹介されたことがある。人柄が良さそうだったので採用したけれど、その人の一生懸命な印象は良いと思ったが、いざ働いてみるといわゆる完璧主義の人で、人のミスも気になるらしい。しばらくすると事務所全体の雰囲気が悪くなり、報・連・相もままならない状態になった。自分が彼に注意してもかえって私が説教をされるくらいで、こちらが閉口した。そのうちに辞めたいと言われ、退職していったが、その人がいなくなっただけで事務所の機能が回復した。こういう人は困る、と。

この話に、私もしばし困ってしまいました。さて、面接の段階でどうやってこういうタイプを見分けるのか。第一印象では難しい案件でした。

そこで、その事務所の他の秘書さんにもう少し話を聞いてみることにしました。
辞めていったその人の、癖や特徴できになることは無かったか、と。そうするとその秘書さんはこう言いました。「その人は返事ができないんです。何か指示を出されても『はい』とは言わず、今自分がその指示されたことをできない理由を長々と話すので、そのうちその人に仕事を頼むのが嫌になった」と。

これはどの仕事にも当てはまることかもしれません。事務仕事でも、現業の仕事でも、上司からの指示に返事ができないのは困ったことです。ただ、これは議員秘書の場合「困った」では済まなくなります。

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国会議員は選挙で選ばれ、"国民の代表"として国を動かす仕事をしています。その国会議員の後ろには、衆議院だったら10万人余の人の支持があります。ですから議員が仕事を指示するということは、国民の代表として国を動かす仕事を指示している、ということになります。(原則として、ではありますが)

議員秘書の仕事は「国会議員の政治活動を補佐すること」。
だから、一番大切なのは議員の指示に対して「はいっ。」という返事をすることなのです。
「はいっ。」と返事をしてその仕事を引き受ける。それが有権者の負託にこたえること。

そうです。敢えて言えばということにはなりますが、議員秘書として必要なのは議員からの指示には「はいっ。」と言って先ず引き受けること。その後で議員の指示に何か間違いがあれば、それは真っ直ぐ指摘したらよいのです。5分を争う猛烈な忙しさの最中でこの順序を違えると、秘書仕事には大きな支障が出てしまいます。
議員秘書に必要なことは、どんな場面でも議員の指示には先ず「はいっ。」ということ。そして先ずは仕事をすすめること。これが何より肝要なのです。
秘書は、議員と行動を共にすることも多いのですが、一緒にいる時間が長い分、欠点も目につきます。国会議員と言っても普通の人間。良いところもあれば、ちょっとなぁと思うところもあります。でも、仕事は「国会議員の政治活動を支えること」です。この点を忘れずに取り組むことができれば、「秘書としての資質はある」と言えるでしょう。

難しい仕事もありますが、議員秘書はやりがいのある仕事でもあります。真剣に取り組むことができて「はいっ。」という返事ができるなら、誰にも務まる仕事でもあります。この国で困っている人の声を拾い上げ、議員に届け、ルールを作ることができるのも議員秘書ならでは。
興味のある方はぜひ議員秘書にチャレンジしてみてください!



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