Happy Forth of July!
16年前の今日、2005年7月4日の日記。
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12回目の独立記念日だったのである。
特にたいした予定も入れず、ひとりぼけぼけしてるつもりだったのだけれど友人夫妻主催の COOK-OUT に誘われた。
COOK-OUT っていうのは日本語で言う「バーベキュー・パーティ」ってとこ。自宅の裏庭やデッキ、テラスなんかにグリルを持ち出して皆でわいわい食べるのだ。
「鍋奉行」ならぬ「グリル番長」は通常そこのおうちのおとうさん。ガスグリル・木炭グリルと種類は違えど、汗を流しながらビール片手にお肉の様子をチェックする頼もしい姿はいずこも同じ。
5月最後の月曜日、Memorial Day の連休から9月最初の月曜日、Labor Day の連休にかけていわゆる「夏休み」シーズンには何かとよく行われる COOK-OUT。お天気の良い日に家族や仲間が集まって、グリルに火を入れたらパーティの始まりだ。時には公園やキャンプ場のグリル・エリアを使ってピクニックになることも珍しくない。
日本での「バーベキュー」とは違って魚介類やお野菜が焼かれることは稀で、定番はやっぱりホットドッグとハンバーガー。つなぎなしのミート・パティの上でチーズがとろけたら、みんなそれぞれ自分好みに仕上げるのだ。レタス・トマト・オニオンにピクルス。ケチャップ・マスタード・マヨネーズはお好みで。肉汁たっぷりなバーガーと皆の笑顔。時折木立ちの間を吹き抜ける一陣の風が心地いい。
グリルで焼いたからなのか、屋外で食べるからなのか、それとも皆と一緒だからなのか...理由はどうであろうとも、とにかく絶品。とびっきり美味。
わざわざ今日のためにフィラデルフィアから取り寄せたというちょっぴりピリ辛のソーセージ。ちょうどいい具合に蒸し上がったとうもろこし。カリフラワーの入った特製コールスローも今年初めての西瓜も、何もかも最高だ。普段はめったにビールを飲まないワタシでさえ気付けば2本目の Heineken が空になっている。
やがて夕闇も迫り、蛍の灯りが目立ち始めた頃。ほろ酔い加減の一団を車に乗せ、花火の見える場所まで移動する。夏時間の真っ只中、しかも夏至を過ぎたばかりの今頃だと、なかなか完全な「夜」にはならず。打ち上げ花火は21時を過ぎなきゃ始まらないし、始まったと思っても30分もしないうちに終わってしまう。日本の花火大会を見慣れた身では少々物足りないかもしれないけれどヴァージニアの片田舎で見る7月4日の花火って言ったらこんなもんだ。
星条旗を振り、COOK-OUT を楽しみ、花火を見る。盛大でなくても、いい。「It's our tradition」そう言ってウインクした友人夫妻のコトバと笑顔が胸に残る。田舎のちっちゃな神社でも、ちょっとしたお正月料理でも構わない。毎年そうやって過ごしていく。ささやかでも、特別な一日。お正月にお雑煮食べて初詣に行きたくなる気持ちと似てるかも。そんなことをふと考えた独立記念日。米国生活最後の7月4日である。
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追記:
トム・クルーズ主演の『Born on the Forth of July』(邦題:7月4日に生まれて)は1989年の作品。まだ日本にいた頃に映画館で観たけれど「7月4日」がアメリカ人にとってどれほど強い意味を持っているのかを何となく肌で感じられるようになった今、改めて観てみたらきっと違う感想を持つんだろうなぁと思う。でも戦争映画は、やっぱり反復して観るのはキツイしツライんだよね...
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