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シティリーグシーズン6優勝 WTB~パルキアを添えて~

kumeです。2つ前のシーズン記事以来のnote投稿となります。

(予選3戦目のミュウVMAXはこちら後攻です。記載ミス失礼しました🙇‍♂️)

今回のシティリーグ優勝で、目標であったJCSのボーダーをおそらくクリアできたので上々の結果となりました。
惜しむらくは他のシーズンで後もう少し勝てていればWCSも夢じゃなかったので次回に活かしたいと思います。

今回、自主大会も含めてかなり成績の良かった
パルキアを添えたWTB(ウォーターツールボックス)」のレシピのご紹介と解説をしようと思います。

シティリーグやCL横浜等でデッキ選択に迷ってる方、
WTBが好きな方や流行りのパルキア構築にしっくり来ていない方等におすすめです。
よろしくお願いします。

■WTB(ウォーターツールボックス)とは


最近ポケカ人口も増えてWTBが何かわからない方もいるとは思いますので少し触れておこうと思います。

WTBは「ウォーターツールボックス」の略称で、水タイプの様々なアタッカーを駆使して戦うデッキのことを指します。

CL愛知よりも前のタイミングではありますが、シティリーグで結果を残したデッキの1つです。
時期としては、ちょうど「かがやくゲッコウガ」が収録されたバトルリージョンの発売から数週間後にあたると思います。

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発売当時は、エネの重さから「かがやくゲッコウガ」は特性用ポケモンとしてくらいしか思われていない側面が強かったですが、
特性「ひょうせつのまい」を使える「モスノウ」
「かがやくゲッコウガ」+水エネ3枚を回収できる「ルリナ」
採用することでアタッカーとして運用することに着眼点を置くことが可能になりました。

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毎ターン好きなところに90×2を与えつつ、れんげきの「インテレオン」が持つ特性クイックシューター込みで相手の盤面を崩壊させることができる強みは唯一無二の性能だと思います。

現環境においては、以下のような組み合わせデッキのことを指すと考えて良いでしょう。

モスノウ+かがやくゲッコウガ+インテレオン+水のVポケモン(スイクン、スターミー、ケケンカニ等)

CL愛知の環境考察にも食い込むほど影響力を増したデッキで、ベンチバリアのマナフィ採用率も低かった時期には初見では対応無理なんじゃないかというほど非常に優れたデッキでした。
やることは単純明快でベンチに水エネを何枚も加速できるモスノウを立てて、状況に応じて最適な水ポケモンアタッカーで戦っていきます。

・参考レシピ

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私もWTBを試してみて、楽しい汎用性の高い強いデッキだなと実感し、
トレリに持ち込んで感触を確かめたりしていました。
友達との練習で、Tier1どころかGodの領域に達している
「ミュウVMAX」デッキとも何度か対戦してみて、
タフネスマントを貼ったスイクンを押し付けるプレイングが有効ということを体感的にですが理解しました。
ただこれも要求飛び越えられる可能性は全然あるので気休めにしかならなかったです。

■オリジンパルキアVstarの登場


そこから数週間経って、オリジンパルキアVstarが発表されました。

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皆々いろんな感想がTwitterのTL上で飛び交っていましたが、
強い評価が多かったと思います。

オリジンパルキアVstarの強い点
・Vstarパワーが汎用性高い
・かがやくゲッコウガと相性がいい
・技の威力が高い(自力でも160まで伸ばせて、Max260)
・進化前のVのHPが220と高い
・進化後もHP280と高い

現在のポケカにおいて、先攻2ターン目にボスで進化前のVを処理されることで一気に負けゲームになることが多いので、そこを(一応)ケアしやすいHP220というのは強い要素です。
ここで、このカード発表後の世間一般の構築としては
・非ルールのインテレオンと組ませる
・アルセウスVstarと組ませる
というのがTwitterのTL等で見受けられました。

正直、初めて私がこのカードを見たときに感じたのは以下でした。

「WTBにまさに欲しかった要素!!!」

■WTBにパルキアを添える理由


なぜ、まさに欲しかった要素と思ったのか。
理由はWTBの弱い点を考えるとわかりやすいです。

WTBの弱い点
・ベンチのモスノウを取られると動きが止まる
・そのためにユキハミを2体準備しておく必要がある
・かがやくゲッコウガ以外で殴るポケモンV達はタフネスマント無しでは耐久力が無く、場持ちが悪い

主にこの3点です。
使ったことがある人は痛感しているであろうポイントです。
あとはケケンカニVスタートが逃げ重すぎてキツイというくらいかなと思います。

これらを解消してくれるパルキアVstarという登場によって、
WTBの柔軟性に剛を加えたような感じになると思いました。

パルキアVstarを加えて改善される点(→で加筆)
・モスノウを先2等で取られると動きが止まる
・そのためにユキハミを2体準備しておく必要がある

→パルキアV、ユキハミとベンチで並べることでどっちを取られても次ターンで水エネ加速して攻撃ができる


・かがやくゲッコウガ以外で殴るポケモン達はタフネスマント無しでは耐久心元なく、場持ちが悪い

→パルキアVstarに進化出来たら耐久デカいので場持ちが良い

上記のような感じで、痒い所に手が届いています。

あと、新弾カードの強化点として言及するとしたら、
ヒスイのヘビーボールも最大のポイントです。
ピン差しのたねである、かがやくゲッコウガやマナフィを拾える点が素晴らしい性能だと感動しました。

そしてBO3の自主大会で2位という成績を取れました。

そしてcspポイント回収のため、全く同じデッキを使ってトレリ優勝



ちなみに仲間内ではたまにWTBのことを渡部と呼んでいます。

そのまま本調子で自主大会のチーム戦(スタン枠)で出場し、最終的には惜しくも2位ですが、個人5-2と貢献できました。

エクストラ枠として出なかったの結構意外に思われましたが、スタンの自信が割とあったので変わってもらいました。
仕事が忙しかったこともあり、シティ3日前までは1枚も変えずにこの時の構築をずっと愛用してました。

そしてシティ前日に練習に付き合ってもらいました。
仮想的はパルキアVstarです。

簡単に言うと、バトルVIPパス、セイボリー、クロススイッチャーが入ってる、攻めっけのある構築です。(Twitterとかでよく見る系統のやつですが、カイは0枚)

先攻、後攻色々試した結果
・ツツジお祈りゲーで勝ったゲーム2割
・先殴りで優位とれたまま勝てたゲーム2割
・その他負け 6割

ざっとこんな感じで勝率としては微妙でした、、、

具体的にはセイボリー打たれながらクロススイッチャーで進化前のパルキアを狩られてピンチみたいなことがまあまあ発生しました()

あとは自主大会でもそうでしたが、ツツジが刺さったおかげで勝てた試合がいくつかあり、
なんかよくわからないけど結構勝てるデッキ」という印象すら持っていたほどです。

自主大会ではそこそこパルキアVstar軸にも勝ててたのですが、
その時は世の中的にも構築が定まっていなかったので特に脅威に感じなかったのかもしれません。

安定感、妨害、攻め等の要素が強化された昨今のパルキアVstarといざ戦ってみるとこちらに強いられる要素が強くてなかなか勝率が安定しませんでした。

またそれと同時に仮想的としてミュウVMAXにも勝てるようにしなきゃいけないので、課題は満載でした。

■現スタン環境の壁について

先攻でも後攻でも理不尽に強いミュウVMAXに勝てるかどうか”

いわゆる、ミュウ検定にまず通って、そこからパルキア検定、アルセウス検定等、新たなデッキを作るうえで「ものさし」が多々あると思います。

すべてをちゃんと言語化するのは困難なので、
ミュウVMAXを仮想敵とした時に
何をクリアしてないといけないのか
言語化していきます。
こっちが使うデッキはWTBとか特に指定はなく、一般的な任意のデッキとします。
負けのパターン化による分岐で考えます。

◇こちらが先攻の場合

 ・バトル場をポケモンVで番を返した場合
  →後攻メロディアスエコーでワンパン、そのまま残り4枚のサイドを2ターンで取られて負け(冗談でもなくほんとによくある負け方なのがヤバい)

 ・バトル場を非ルールポケモンで番を返した場合
  →後攻メロディアスエコー等で非ルールポケモンを倒される
  →こちらの返しでメロエッタor相手のVを倒してサイド5-5 or 4-5となる
  →相手の返しでミュウVMAXでサイド5-4 or 5-3, 4-4 or 4-3となる
  →こちらの返しでボスも引けず、ミュウVMAXを攻撃するも打点届かず
  →そのままサイコジャンプで回復しながらサイド取られる or ミュウVMAX 2体目を用意して耐久押し付けしながらポケモンをテンポよく倒される、そのままズルズルサイドレース負け

この場合の勝ちパターンとしてはミュウVMAXやメロエッタをひたすら無視してボスで2-2-2で取る等がある。(ただし要求はなかなか厳しい)

レジギガスのような完全な非ルールポケモンのみのデッキにおいては上のパターンで考えるのは難しいですが、メロエッタによるサイドレース優位や、ミュウVMAXの技コピーによるサイコジャンプがズルいのでなんとかなるミュウVMAXはやっぱ頭おかしい。

こちらが後攻の場合

・後攻1ターン目でミュウV等を倒す術がほぼないので、場を展開して番を返す

 →ボスで裏のVを呼んでサイドを取られる or メロディアスエコーで前を倒される
 →返しでミュウVMAXを倒そうとするも耐えられる or メロエッタを倒す(どっちにせよサイドレース的に旨味が無い)
 →あとはそのままズルズルサイドレース負け

補足すると、ミュウVMAXの攻撃を耐えるというシーンが必要になるわけですが、なぜかあいつら+30するグッズを重複して使えるので余裕でその要求を超えてきます。

結構雑で相手の上振れ感は若干ありますが、
ウッウロボもあるので案外侮れず実現してきますよね。

とにかく戦ってて心臓に悪いのがミュウVMAX

というそんな印象すら持ちます。

ですが、今までの分岐点をヒントに
ミュウVMAXに勝てるときのパターンを考えると
案外単純であることに気付けます。

・ボスを駆使して2-2-2プランで先にサイドを取りきる
(インファイト戦法)
・パワータブレットは有限なので高耐久を複数回押し付ける
(タフネス戦法)
・2-2-2で勝たせないために、非ルールポケモンを混ぜつつ戦う
(コントロール戦法)


勝手に命名していますが、
今のポケカって殴り合いにおいては、
結局このどれかの要素に詰まってると思っています。

この要素を通せなかった、もしくは通されて負けそうなときに、
「ツツジ」という逆転要素を使って挽回を狙うのが最近のトレンドではないでしょうか。
(ほかにもセイボリー、マリィ等で上記プランの阻害をする等が考えられます)

ミュウVMAXに限らず、
VstarやVMAXポケモンが今やってる
勝ちパターンの定石
ボス使って先に進化前のVを狩ってしまうというのがあります。
サイドレース的に考えると、最悪、進化前のVでなくても、
ネオラントVやクロバットVでもいいわけです。

先2で先にサイドを2取られてしまうからしんどいんです。

結局先攻ゲー、後攻はしんどいとはよく言いますが、後攻でこの勝ちパターンを取られてしまっている時点で
構築として欠陥がある可能性があることに気付くべきなのかもしれません。
(じゃんけんにめちゃくちゃ自信があるならリカバリーが効く部分ではあります)

なので極端な話、パルキアVstarに
ネオラントVやクロバットVを入れるか問題
ってのが最近話題になっていましたが、
後攻での負けパターンになりかねないので、
入れないほうが勝ち上がれる可能性が高くなる
という話に繋がります。

入れるなら「崩れたスタジアム」の採用を検討するのが良さそうです。
その他にはクロバットVMAXを採用するパターンもたまに見かけます。

とはいえ、クイックボールやハイパーボールが解消札になるのは心強いですし、手札事故で種切れ負けする方が嫌という考えも勿論あります。
この辺りはメリット・デメリットの話なので一概には言えない部分も含まれています。

しかし、デメリットの大きさから考えると現段階の最適解としての答えはある程度見えてきたのではないでしょうか。

①盤面を強くするため、ボールを増やす(VIPパス含む)
②山サーチorドロー特性を非ルールor高耐久Vで担う
③高耐久もしくは高火力のVを採用する


この3点です

で結局これをクリアしてる代表的なデッキってのが以下です

・パルキアインテ
・アルセインテ
・アルセジュラルドン


ちなみにミュウVMAXはこの観点で言うと、
②を満たせておらず、ベンチのゲノセクトVが負け筋になりがちですが、
後攻でもメロディアスエコーで殴れることからサイドレース的にカバー出来てしまってる訳ですね(ズルい)

昨今のTier表上位が結局こいつらになる理由も納得という訳です。

■WTB〜パルキアを添えて〜

お待たせしました、ようやく本題に入ります。

パルキアVstarを4-3等厚めに入れているデッキではなく、
ミュウVMAXやアルセウス軸でもなく、
パルキアを添えたWTBで何故シティリーグも挑んだかについてです。

それは、現在のスタンが抱えてる負けパターンの悩みを最も解消させ得るデッキだと考えたからです。

・サイドを先に取られても1枚に留められる可能性が高い
・ゲーム中盤、終盤でも取られるサイドの枚数をコントロールできる
・2-2-2のプランを作れる
・クロバットV、ネオラントVを採用せず安定した構築を実現


前述した○○戦法をすべて満たせると考えました。

後は個人的に満たしたかった要素
バトルVIPパスを採用しない構築
自分が使うツツジによるお祈りゲー率を減らす

バトルVIPパスは非常に強力なグッズであるのは間違いないのですが、
複数採用するならウッウロボが入っていないと私としては入れたくないカードです。
初ターンに使えなかった場合に山にゴミとして残り、終盤の相手のツツジで負け筋になりかね無い点が特に痛いです。
ハイパーボールやクイックボールで切ることも出来ますが、その時たまたま都合よくVIPパス切れる試合が数戦の中で何戦あるかというあたりも運ゲーが絡みまくる不安要素でしかないからです。
VIPパスを引きにいくためには博士の研究やクロバットVを使いたくなるシーンも想定出来ますが、
現環境はじゃんけん勝ちで自主的に先攻取るので博士で引く前提は考えにくくなり、
クロバットVは負け筋の観点でVIPパス引くために入れるには勇気のいる行為かと思います。

エクストラにおいては、山を掘りまくるグッズが多々あり、VIPパスに届きやすい点と、バトルコンプレッサーを採用することでそこのリカバリー可能なので、構築に組み込みやすいと考えています。

最悪、山のゴミになる覚悟の上で1枚だけ入れて、カイを採用するのもあるので、何枚採用するかによってこのカードの考え方が大きく変わるとは思います。

また、ツツジお祈りゲーに関してですが、
元の構築段階だと、自主大会で対戦して頂いた方は印象強いかもしれないですが、それが要因で勝てた試合がいくつかありました。

もちろん勝てたらある意味良いのですが、毎回このお祈り次第で勝ち負け左右されたくないというのは正直ありました。
あとミュウVMAXには刺さりにくいのでその点も含めて構築とプランニング的に勝てるようにしたかったのもあります。

今回のシティリーグではツツジを使用することなく順当にプランニングで勝てました。
ツツジお祈りゲーを最終手段として残しつつちゃんと勝てたのはデッキの改良点として評価ポイントに繋がっています。

今回使用したレシピは以下です。
シティ直前の改造前と後でのポイントについても明記します。

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