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アマ竜王戦県大会(初段~三段の部)に参加して~『邪念』との闘い~

 令和4年5月15日(日)にアマ竜王戦県大会(初段~三段の部)に参加しました。結果から言うと、第3位となり入賞することができました。賞状とトロフィーを頂きました。大好きな将棋で人生初のトロフィーを盛ろうことができたので、嬉しいを通り越して、夢心地でした。昨年秋にもほぼ同規模の県大会がありましたが、準々決勝で必勝の将棋を大逆転負けし、入賞を逃しました。なので、「今回の大会は絶対に入賞する!!」という意気込みで参加しました。この大会の1ヶ月前から終盤を重点的に勉強しました。「実戦詰め筋事典」と「必死道場」を教材にし、反復練習しました。
 では早速、本大会を振り返りたいと思います。

予選第1局目

 予選第1局目の相手は、20代か30代くらいのYさんが相手でした。戦型は、私の先手三間飛車に向かい飛車で対抗してこられました。つまり、相振り飛車です。序盤早々1歩得できましたが、攻めの銀がそっぽに向いたので善悪は微妙なところです。ちなみに下の図のような局面になりました。

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 全く経験のない形でしたが、お互い一手一手時間を慎重に使いました。終盤で、Yさんに見落としがあり、こちらが金をただで取れたところ、投了されました。なんとか一勝できほっとしました。

予選第2局目

 予選第2局目の相手は、どこかで拝見した記憶のあるUさんが相手でした。戦型は、後手の私が三間飛車に構え、Uさんは飯島流引き角戦法で対抗してこられました。下の図の局面でノータイムで▲2四歩と仕掛けてこられました。

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 実はこの▲2四歩の仕掛けを見落としていました。以下、普通に進めたら、△2四同歩▲同角△2二飛車▲2五歩となります。本譜もそうなりましたが、この次の一手が非常に難しいのです。もし、①△2三歩なら、角交換して3一角ですし、②△5九角と引いても、角交換からの2四歩で困っています。本譜は、△5三銀としましたが、角交換されて2四歩から一方的攻められる展開になりました。
 この上の図の局面をソフトにかけてみました。なんと、形勢は互角でした!では、上記の手順でどこがいけなかったのか?ソフトで研究してみました。上の図の局面から、▲2四歩△同歩▲同角△2二飛車▲2五歩の局面で、前述した通り本譜は、△5三銀としましたが、良い手がありました、それは、△2六歩!です。▲同飛車ならば、角交換からの△1五角がありました。この1五角は間接的に4八の銀にあたっているので、かなり味のいい角打ちです。
 また、本譜の△5三銀も悪い手ではありませんでした。以下、▲3三角成△同桂▲2四歩の局面で、本譜は△2五歩としましたが、2三角と打たれて、不利になりました。ここは、△2五歩ではなく、△4九角と打ち△2七歩と打てれるようするのが最善でした。
 以降、良いところなく完敗でした。これはもう入賞はおろか、予選敗退するかもしれないという邪念が頭をよぎりました。というのも、本大会は2勝通過2敗失格なので、次負けると敗退となります。でも、「昨年秋の大会で雪辱を晴らして、入賞すると決めたんだ!嫌いな詰将棋も解き、オンライン研究会も熱心にやてきた!次は絶対に勝てる!!」と自分を奮い立たせました。そうです!将棋はメンタルも重要なゲームです。

予選第3局目

 予選第3局目の相手は、小学生くらいの少年が相手でした。お名前を聞くのを忘れていたので、本記事ではA君と呼ぶことにします。振り駒の結果、私が後手になりました。戦型は、先手向かい飛車VS後手三間飛車の最もオーソドックスな相振り飛車になりました。下の図の局面で私は、6四歩と突きました。

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 この手は、戸辺先生の「石田流を指しこなす本【相振り編】」で紹介されていた手です。
 その後は飛車交換となり、終盤で詰みを何回も逃したたものの勝つことができました。感想戦で、A君に色々詰みがることを教えてもらいました(苦笑)
 この勝利で、予選通過が確定しました。

決勝トーナメント1回戦

 本大会は参加者が比較的少なかったので、実質準々決勝でした。つまり、本局に勝てば、ベスト4が確定し目標の第3位入賞になります(※第3位は2人居る)。決勝トーナメントが始まる数十分の待ち時間の間、緊張して過呼吸になりそうなくらいでした。「平常心平常心」と心の中で唱えました。
 決勝トーナメント1回戦の相手は、おそらく序文で触れた昨年秋の大会で準優勝されたIさんが相手でした。「強い人が来た!もうこれまでか!」と内心落ち込みましたが、「いや、違う!自分の将棋を信じて、自分の将棋を指すしかない!」と奮い立たせて、私が振り駒をしました。
 すると、驚いたことに表が5枚出たのです。「お!これは、良いことあるかも」と内心びっくりしました。その予想は的中しました。
 定期的に行っている久米研究会で指した将棋とほぼ同じになったのです。すなわち、私のノーマル三間飛車に右四間飛車エルモで対抗してこられました。下の図の局面に進み、△6五歩と仕掛けてこられました。

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実は、ここで仕掛けて来られるのも想定の範囲内でした。今まで、将棋ウォーズや久米研究会で何度も苦しめられてきた右四間飛車です。その後も研究通り進み、優勢のまま終盤戦に突入しました。
 しかしこの時、「もうこの将棋は勝ちだ!念願の三位入賞だ!!」という邪念が私に襲ってきたのです。これは危険な『邪念』です。昨年秋の大会でもこの『邪念』が私を襲い、必勝の将棋を落とし入賞を逃しました。「将棋は勝ったと思った瞬間に負けるゲーム」だということを思い出しました。「集中!集中!落ち着け、落ち着け!!」と必死にこの『邪念』を闘いました。
 そして、相手玉を受けなしに追い込みました。しかし、まだ将棋は終わっていません。相手の持ち駒は豊富なので、Iさんは王手をかけて来られました。自玉の詰み筋が見えて、

あああ!頓死だー----!!!!!!!!

マジかよー!!(大泣)

と一瞬思いましたが、別の方向に玉を逃げると、自玉は詰まないことに気付き、安心しました。

そして、「負けました。

というIさんの静かな声が聞こえました。
感想戦の少ししましたが、私が「頭の中が真っ白になりました」と連呼していたことぐらいしか覚えていません。

 ついに、ついに、有段者だけの県大会で入賞できました。本大会には、社会人になった平成26年から参加し、去年以外はすべて参加しました。戦績は、私の記憶が正しければ下記の通りです。

平成26年 B級(級位者の部)で決勝トーナメント1回戦敗退
平成27年 A級(初段~三段)で予選敗退
      ※ウォーズ初段になったためA級で参加しました。
平成28年 A級(同上)で予選敗退
平成29年 A級(同上)で予選敗退
平成30年 A級(同上)で決勝トーナメント1回戦負け
令和元年 覚えてないが、早々に負けた記憶がある
令和2年・令和3年 コロナのため自主休場

準決勝

 またもや予選で完敗したUさんと対局しました。心臓がバクバクしていており、あっという間に敗勢になり、完敗でした。
 将棋はメンタルが重要だなと再認識しました。

終わりに

 一夜明けましたが、今頃また嬉しさがこみ上げてきています(笑)
 これからは、強くなることよりも地元で将棋すばらしさを普及していきたいと思います。いただいた賞状とトロフィーは一生の宝物です。
 応援してくださった方、本当にありがとうございました。

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