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企業分析『三栄建築設計』

皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!

今週は急に気温が上がりましたね。

現場で配筋検査をしていると、
焼肉になりそうなぐらい暑いです。

長時間作業している職人さんはもっと過酷ですね。

ホント頭が下がります。

熱中症にかからないように、
適度に休憩と水分補給を取ってほしいものです。

さて今回も、
不動産業界の企業分析について解説していきたいと思います。

不動産業界に所属するものとして、
企業分析をすることで、
企業の良いところを自分自身に取り入れていきたいと思います。

いくつかの企業の数字を分析して比べていくことで、
企業の特色がわかるのではないかと思います。

参考資料としては、
決算短信、決算説明資料、EDINET、株探、IRBANKを用いて、
数字の分析をしていきます。

今回は、三栄建築設計について分析していきますので、
よろしくお願いいたします。

本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。

Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。

不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。

Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。

自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。

※企業分析・株価分析をしたい方にお勧めの本はこちら

では、本編に参りましょう。

1.企業概要

三栄建築設計の企業概要について解説していきます。

建築の業界で働いていると
転職候補に良く上がってくる企業なので
良く名前は見かけておりました。

ただ、
詳細を見たことが無かったので、
今回、この企業を対象としました。

三栄建築設計は、
1993年に不動産会社として創業し、
その後、設計事務所登録、建設業登録をして、
現在では、「住宅総合生産企業」として、
住宅の土地開発、設計、施工まで行っております。

事業内容は5つに分かれており、
・戸建分譲事業
・注文住宅請負事業
・マンション事業
・インベストメント事業
・アセット事業

となっております。

資本金は13億円です。

従業員数は1000名を超え、
東京、神奈川、埼玉、千葉を中心に、
名古屋、海外まで支店を広げております。

株価は、
2018年1月2704円の最高値を付け、
その後、値を下げ続け2020年のコロナショックで、
2020年3月に安値994円まで下げております。

そこから回復し、
2022年5月30日現在の株価は1628円です。

筆頭株主は、
現在の代表取締役社長で
株式の48%を保有しております。

配当利回りが4.5%となっており、
高配当銘柄となっております。

2.バランスシート

バランスシートについて解説していきます。
(第28期有価証券報告書より作成しております。)

1.バランスシートの大きさは1,417億円となり、
 これが三栄建築設計の資産の大きさとなります。

2.流動資産が流動負債の2倍以上あります。
 販売用の建物や土地が多いので、
 流動資産が多くあります。
 不動産業の場合、在庫にあたりますので、
 流動資産の中に入ります。
 流動負債と固定負債を差し引いたとしても、
 余るぐらいかなり流動資産が大きくなっております。
 前期から決算期にかけて、
 一部の流動資産を固定資産に振り替えております。
 流動資産がかなり大きくあるので、
 次期についても固定資産に振り替える資産がでてくると考えられます。

サムティは、
キャピタルゲインの会社からインカムゲインの会社に
シフトしていましたが、
三栄建築設計も固定資産を大きくするのであれば、
配当金が安定してくるのになーと勝手に想いに耽ってしまいました。
 
  
3.自己資本比率は37.7%となっております。
 ちょうどいい感じの健全さです。
 30%台後半が理想的だなと思います。
 不動産業だと、
 40%台だと多すぎる感覚があり、
 もっと資産効率を上げるべきと考えてしまいます。
 逆に20%台前半ぐらいになると、
 見栄えが急に悪くなる感じがします。
 
今期に関してはBSはかなり健全で、
しかも流動資産がこれだけ積みあがっており、
仕込んでいる不動産(商品)がかなりあるということなので、
来期の売り上げも大きくなる可能性があります。

3.損益計算書

損益計算書PLについて解説していきます。

まず、画像の図は、
2020年9月~2021年8月第28期の有価証券報告書・株探より作成いたしました。

1.営業収益(売上高)は1,340億円

2.営業原価は1,129億円で原価率は84%

3.営業利益は116億円で営業利益率は8.6%

4.営業CFは219億円でFCFは226億円

上記のようになっております。

戸建て住宅販売がメインなので、
原価率が高くなっております。
土地や材料費などがかかるためです。
また、
戸建ては土地と建物が1:1となるため、
マンションにくらべて利益が出しずらくなっております。
マンションの場合は、
土地の持ち分がとても少なくなっております。
1つのマンションに100戸あるとしたら、
土地は100分の1になります。
ということは、
マンションの6000万円と戸建ての6000万円の中身は異なっており、
マンションだとほとんどが建物の金額で、
戸建てだと3000万円が土地で3000万円が建物ぐらいになります。

首都圏内の土地なので、
そこまで安く仕入れているわけではないとおもうので、
建物の3000万円の中で利益をとっていくことになります。

なので、
原価率が高くなる傾向にある考えられます。

営業利益率は8.6%ともう少し欲しいところですが、
現在の市況てきには、
感覚値でいっぱいいっぱいなのかと思います。
土地は高値圏で推移しており、原材料費は高騰しているため)

CFに関して、
2019年には営業CFがマイナスでしたが、
今期は大きくCFを伸ばしております。
また、財務CFが今期マイナスとなっているため、
大きい返済しており、
現金比率が改善されてきております。

4.株価と指標


株価と指標について解説していきます。
(有価証券報告書と株探のサイトから数値を引用しております。)

本日、2022年6月2日の株価 1,835円。
2018年1月2704円の最高値を付け、
その後、値を下げ続け2020年のコロナショックで、
2020年3月に安値994円まで下げております。

そこから回復し、
2022年6月2日現在の株価は1,835円です。
ここ数日で10%以上上昇しております。

PER 5.1倍。
日経平均のPER(荷重)だと13.19倍なので安め。
コロナショックで少し落ち込みましたが、
すぐに回復しております。

PBR 0.66倍。
インカムゲインではなくキャピタルゲインで稼いでいる会社なので、
固定資産などは少なく、
相場としては割安に放置されております。

当利回りは4.44%(6月3日時点)で、
高配当と呼べる利回りとなっております。
株価が下がっているうちに、
購入したいですね。

EPSは356です。
2020年に一度192と下げておりますが、
2021年は過去最高値を出しております。

最後に、
売上高のグラフを掲載しております。

2001年からきれいな右肩上がり。
リーマンショック、震災などがあったとしても、
売上を伸ばしております。

2020年に一時的に落ち込みましたが、
V字回復で2021年は過去最高の売上高となっております。

5.補足


分析補足について解説していきます。
※内容は有価証券報告書・IRBANKを引用しております。

今回、
高配当株ということで、
配当金について、
データをまとめてみました。

1.配当金推移
2.配当利回り推移
3.配当性向推移

についてまとめてみました。

1.配当金推移について
 2014年から上昇傾向にあり、
 2021年に大きく増配しております。

2.配当利回り推移について
 2011年から2021年までの間、
 4%を超えることがなかったのですが、
 現在、4%を超え、4%台中半の高配当となっております。
 利回りが高いということは、
 株価が安いということの裏返しとも読み取れます。

3.配当性向推移について
 配当性向は高くても25%程度で、
 まだまだ余力がある状況です。
 2021年に大幅増配したのにも関わらず、
 配当性向は16%台で、
 大幅増配でも安心の増配でした。

大株主は創業者が48.98%を保有しており、
株価上昇も期待を持てそうです。

6.まとめ

2022年6月26日時点で配当利回りは、
4.64%と高配当と呼べるレベルです。
売上はV字回復をしており、
今後も売り上げが右肩上がりを続行できるかを
投資家は注視していることでしょう。

また、
配当性向は現状20%前後で、
決算発表では配当性向を30%目標としていることから、
余力は十分にあり、
まだまだ増配も期待できそうです。

創業者が48%もの大株主であることから、
大きな売りも出にくく、
株価は2020年の底の1000円前後が固いと考えられます。

2022年に入り、
1500円が下限のレンジが形成されていますので、
ここで底固めしそうな気配ですね。
※2022年6月26日時点1615円

今後も不動産投資・高配当株投資で役立つ情報を投稿していきますので、
少しでも参考になったかたは、
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