企業分析『グッドコムアセット』
皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!
今回も、
不動産・建設業界の企業分析をしていきたいと思います。
不動産業界・建築業界に所属するものとして、
企業分析をすることで、
企業の良いところを自分自身に取り入れていきたいと思います。
いくつかの企業の数字を分析して比べていくことで、
企業の特色がわかるのではないかと思います。
参考資料としては、
決算短信、決算説明資料、EDINET、株探、IRBANKを用いて、
数字の分析をしていきます。
今回は、グッドコムアセットについて分析していきますので、
よろしくお願いいたします。
本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。
Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。
不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。
Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。
自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。
※ 最近読んだ話題の本
では、本編に参りましょう。
1.企業概要
「グッドコムアセットの企業概要」について解説していきます。
グッドコムアセットとは、
2回ほど仕事に携わらせていただいており、
以前より名前の方は認知しておりました。
しかしそれほど詳しくは調べていなかったので、
今回数字を見ていきたいと思います。
事業内容としては、
マンション販売、マンション管理事業を行っております。
創業 2005年
資本金 15億円(2022年4月)
2005年に設立し、
2016年にはJASDAQ上場、2018年には東証一部に上場を果たしております。
設立13年で一部上場まで果たせるスピード感は
目を見張るものがあります。
投資用のマンションの売買のみでここまで
のし上がってきたという感じでしょうか。
設立からもそれほど年月を経過していない
比較的若い会社なので、
今後投資用マンションだけなのかは疑問符が付くところです。
配当利回りが4.0%(2022/8/22時点)ととなっており、
高配当株となっております。
大株主は代表の長嶋義和氏が31.39%、
長嶋弘子氏が11.13%を保有しております。
この高配当を維持できるかを、
資料を見ながら情報を集めていきたいと思います。
2.バランスシート
「グッドコムアセットのバランスシート」について解説していきます。
(2021年1月~2021年12月 有価証券報告書より作成しております。)
1.バランスシートの大きさは204億円となり、
これがグッドコムアセットの資産の大きさとなります。
2.流動資産が流動負債と固定負債を併せた額よりはるかに大きくなっております。
流動資産の中で、
現金は79億円、
販売用不動産が仕掛けと併せて100億程度あります。
流動負債の中で1年以内の短期借入の割合が大きく、
30億円ほどあります。
現金だけで流動負債を返済できるほどの
現金持ち企業となっております。
3.自己資本比率は45%となっております。
比較的高い数値となっております。
今回、特筆すべきは固定資産をほぼもっていないということ。
不動産企業では他に見たことがないほど、
固定資産が少ないBSでした。
徹底した持たざる主義の会社ですね。
また、
純資産が多く現金持ち企業なのは、
グッドコムアセットの特有のビジネスモデルが関係しております。
一般的に不動産開発というのは、
土地を購入し、設計、施工という流れをとります。
しかし、グッドコムアセットは、
土地を見つけたら手付を払って仕入れの契約をします。
その後、その土地を建設会社に購入してもらい、
建物を建てた後に土地と建物の代金を支払います。
支払いは、
完成物件すぐに販売して、
売上が上がってから支払いをします。
こうすることによって、
土地代(資金)を数年”寝かせない”ようにすることができます。
不動産業界では、
土地を別の会社に買ってもらうことを
「抱いてもらう」といって、
お金が借りれない小さい不動産業者がやるスキームです。
しかし、
お金が借りれる財務内容だとしても、
このスキームを使い続けることによって、
高い成長性を誇っております。
3.損益計算書
「グッドコムアセットの損益計算書PL」について解説していきます。
まず、画像の図は、
2020年11月~2021年10月 有価証券報告書・IRBANKより作成いたしました。
1.営業収益(売上高)は342億円
2.売上原価は281億で原価率は82.1%
3.営業利益は103億円で営業利益率は9.9%
4.営業CFは97億円でFCFは96億円
上記のようになっております。
売上の総額が342億円あります。
セグメントの構成比率は一棟売りが261億で、
住戸単位の販売が65億です。
基本的には不動産販売しかないので、
分かりやすい数値となっております。
売上原価は281億円で、
原価率は82.1%です。
営業利益率は9.9%%なので、
他社と同じような数値となっております。
数字としては面白味があまりないのですが、
営業利益は2014年が3.4億円だったので、
7年で10倍となっております。
成長スピードがかなり速い企業となっております。
4.株価と指標
「グッドコムアセットの株価と指標」について解説していきます。
有価証券報告書と株探のサイトから数値を引用しております。
株価は、
上場ご順調に上昇し、
2018年4月に1109円を付けその後横ばい。
コロナショックで425円まで下落するも、
コロナバブルで2020年10月に2380円の最高値を付ける。
その後下落して1000円から1500円の間で横ばい。
2022年8月23日時点で1343円となっております。
PER 8.3倍。
日経平均のPER(荷重)だと13倍程度なので安めであるが、
他者比較で高め。
PBR 1.79倍。
他の不動産系の企業より、
高めになっております。
配当利回りは3.95%で、
ここ数日上昇傾向にあるため、
少しずつ下がってきている。
総資産回転率は、
1.48と他社比較で高めとなっています。
最後に、
売上高のグラフを掲載しております。
上場以降も売り上げを伸ばし、
2011年に3.4億円であった売り上げを、
2021年には34億円としており、
10年で10倍としております。
決算発表資料では、
さらに強気の売り上げ目標を掲げております。
不動産業界で売上34億円という規模は、
まだまだ上があるので、
成長中というところでしょうか。
PERも他社と比べると高く、
資産回転率の高いビジネスモデルということから、
注目が集まっているいるのかもしれません。
5.補足
「グッドコムアセットの分析補足」について解説していきます。
※内容はIRBANKを引用しております。
今回、
高配当株ということで、
配当金について、
データをまとめてみました。
1.配当金推移
2.配当利回り推移
3.配当性向推移
4.EPSの推移
についてまとめてみました。
今回は上場して間もないため、
データが5年分しかありませんでした。
1.配当金推移について
2017年以降増配を毎年増配を続けております。
2.配当利回り推移について
2%から3%で推移しております。
現在が3.9%なので、
当社の歴史的に見て高い水準にあります。
3.配当性向推移について
配当性向は直近3年30%前後で推移しております。
4.EPSの推移について
ほぼ右肩上がりを続けております。
まだまだ上場間もない会社ですが、
上場後の株価のボラティリティが落ち着きつつあります。
売上が10年で10倍となっていることから、
かなり成長スピードが速いとみて取れます。
資産回転率の高さから、
まだまだスピードを保ったまま、
成長が期待できると考えられますね。
6.まとめ
ここまでグッドコムアセットを見てきましたが、
徹底した持たざる主義と”土地を抱いてもらう”ことで、
資金を拘束しないビジネスモデルから、
急速な成長を遂げている企業でした。
成長中の企業だとしても、
しっかりと配当を出しており、
高配当としてもグロースとしても興味を持てる
銘柄となっております。
ただ、
現在は不動産市況が良いため、
一本やりでここまで伸ばしてきましたが、
今後、不況になった時に伸ばしていけるか、
注視していきたいと思います。
引き続き
高配当株×不動産関係会社の分析していきますので、
参考程度に読んでいただければ幸いです。
少しでも良いと思ってくれたら、
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