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企業分析『日本エスコン』

皆さん、
おはこんばんにちは!
kumazoです!

今回も、
不動産・建設業界の企業分析をしていきたいと思います。

不動産業界・建築業界に所属するものとして、
企業分析をすることで、
企業の良いところを自分自身に取り入れていきたいと思います。

いくつかの企業の数字を分析して比べていくことで、
企業の特色がわかるのではないかと思います。

参考資料としては、
決算短信、決算説明資料、EDINET、株探、IRBANKを用いて、
数字の分析をしていきます。

今回は、日本エスコンについて分析していきますので、
よろしくお願いいたします。

本編に入る前に、少しだけ自己紹介をさせてください。

Kumazoは一級建築士で不動産・建築業界で15年以上従事し、
マンション・ホテル・戸建て住宅などを設計してきました。
個人的にも不動産投資を行っており、
建築専門の立場から不動産コンサル等を行っております。
現在では、不動産投資用のマンションを設計する立場で、
不動産関係のいろんな方々と仕事をしていることもあり、
内情には明るい立場におります。

不動産投資を正しく理解し、
大失敗をする人やだまされる人が減ればと思い発信をしております。

Kumazoは建築オタクなので、
建築を通して人が幸せにすることができたらうれしいです。

自分で「不動産投資の基本のき」というブログも書いておりますので、
こちらもどうぞ。

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では、本編に参りましょう。

1.企業概要

「日本エスコンの企業概要」について解説していきます。

日本エスコンについては、
名前だけ聞いたことがある程度で、
良く知らなかったのですが、
決算資料を見ると事業の手広さが見受けられたので、
興味を持ちました。

事業内容としては、
不動産分譲事業、賃貸事業、コンサル事業を行っております。

この中で興味を持ったのが地域開発です。
北海道の新たな日本ハムファイターズの
ホーム球場周辺のボールバーク開発や
JR北広島の駅前開発、
筑波駅前の再開発などの大型開発を行っております。

さらに都心の納骨堂に事業コンサルを行ったり、
ハワイの複合施設のバリューアップ事業へ参画したり、
3Dプリンターによる建築の研究開発に出資をしております。

多種多様な事業内容です。

創業 1995年 
資本金 165億円(2021年12月)
従業員数 連結344名(2021年12月)

1995年に不動産事業として創業し、
マンション開発事業を中心に規模を拡大しておりましたが、
2018年に中部電力の子会社となっております。
もともとマンションの分譲が大部分を占めていた事業も、
中部電力の資金力と中部電力が所有している不動産を有効活用し、
デベロップとしての幅を広げております。

もともと国営企業にあることなんですが、
地方にたくさんの土地を所有しており、
その使い道に困ることがあります。
国営企業なので変なことはできないので、
地域に喜ばれる土地活用をしなければなりません。
そのようなノウハウが中部電力にはないので、
日本エスコンを子会社化し、
土地活用を推進するという目的があったと決算資料に掲載されております。

中部電力の子会社になってから、
5年ほどしか経過していないので
まだまだ開発できていない土地が沢山あると考えられます。
開発の腕の見せ所ですね。

大株主は中部電力が50%以上保有しており、
次に日成ビルド工業が6%と続いております。
他にはいく人か個人投資家が見受けられます。

配当利回りが4.7%(2022/8/15時点)となっており、
高配当銘柄に分類されますね。

この高配当を維持できるかを、
資料を見ながら情報を集めていきたいと思います。

2.バランスシート

「日本エスコンのバランスシート」について解説していきます。
(2021年1月~2021年12月 有価証券報告書より作成しております。)

1.バランスシートの大きさは2527億円となり、
 これが日本エスコンの資産の大きさとなります。

2.流動資産が流動負債の1.7倍程度あります。
 流動資産の中で、
 現金は336億円、
 販売用不動産が仕掛けと併せて1300億程度あります。
 流動負債の中で1年以内の短期借入の割合が大きく、
 829億円ほどあります。
 前期に比べて568億円ほど増えているのですが、
 これはピカソグループ株式取得のための借り入れとのことでした。
 (2021年10月にピカソグループを連結子会社化しております)

3.自己資本比率は24.77%となっております。
 比較的低目となっており、
 これは親会社の存在が大きいため、
 少し攻めた経営が可能なのでしょう。
 自己資本比率が大きい方が、
 融資や個人株主に対して見栄えが良いですが、
 親会社がいるので優先順位は少し下がります。

3.損益計算書

「日本エスコンの損益計算書PL」について解説していきます。

まず、画像の図は、
2021年1月~2021年12月 有価証券報告書・IRBANKより作成いたしました。

1.営業収益(売上高)は790億円

2.売上原価は584億で原価率は73.9%

3.営業利益は103億円で営業利益率は13.03%

4.営業CFは-108億円でFCFは-405億円

上記のようになっております。

売上の総額が790億円あります。
セグメントの構成比率は不動販売事業が89%
不動産賃貸事業が10%
不動産コンサル事業が1%となっております。
不動産販売事業が大部分を占めております。

売上原価は73.9%で、
原価率は他社と比較すると低目。

営業利益率も13.03%なので、
他者と比較すると高目となっております。

セグメント別でみても、
売上規模が小さいものの、
賃貸業は47%の利益率を誇っております。
利益率が高い要因は原価率が低いことが推察されます。

原価率がなぜ低いかというと、
不動産の原価はほとんど土地と建物ですので、
地方の土地だと首都圏に比べ安く手に入れられることと、
親会社の中部電力から引き受けた土地
安く引き受けたことが考えられます。

CFについて、
今回はピカソグループを子会社化したことにより、
マイナスのCF
が前年比に比べかなり大きくなっております。
営業活動のCFもマイナスで棚卸資産がかなり増えたことが
要因と考えられます。
もともと営業CFはマイナスの期も多いことから、
土地(商品)をかなり抱えているということが見受けられます。

4.株価と指標

「日本エスコンの株価と指標」について解説していきます。

有価証券報告書と株探のサイトから数値を引用しております。

ミニバブルで2006年4月に最高値1943円を記録し、
その後リーマンショックも伴って下落。
2009年7月には22円の底値を記録。
その後2012年まで横ばいの後、
アベノミクスで株価上昇。
2018年2月に1063円の直近高値を付けて、
その後横ばいで推移しており、
2022年8月18日現在では818円となっております。

PER 9.4倍。
日経平均のPER(荷重)だと13倍程度なので安めであるが、
他者比較で高め。

PBR 1.26倍。
他の不動産系の企業より、
高めになっております。

配当利回りは4.65%で、
比較的高めとなっております。

最後に、
売上高のグラフを掲載しております。

1999年から順調に右肩上がりに売り上げを伸ばしてきましたが、
リーマンショックと3.11で10分の1まで減少。
株価も10分の1となりました。
その当時、相当の投げ売りと企業規模の縮小をしたと推測されます。

その後アベノミクスの中で徐々に上昇し、
売上を伸ばしてきましたが、
2007年の最高値にはまだ届いておりません。
来期予想では、
最高値更新で1000億を超えると予想されております。

不動産販売がメインの事業ですが、
今後他の事業がどこまで伸ばせるかが、
カギとなってきそうですね。

※ 2003年の売上減少は決算時期の変更によるものです。

5.補足

「日本エスコンの分析補足」について解説していきます。
※内容はIRBANKを引用しております。

今回、
高配当株ということで、
配当金について、
データをまとめてみました。

1.配当金推移
2.配当利回り推移
3.配当性向推移
4.EPSの推移

についてまとめてみました。

1.配当金推移について
2013年以降増配をつづけておりましたが、
2021年は増配することができませんでした。
(据え置き)

2.配当利回り推移について
配当金利回りは徐々に上昇しており、
近年では4%後半で推移しております。

3.配当性向推移について
配当性向も右方上がりで、
2020年までは30%台で安定していましたが、
2021年に56%と大きくなっております。
少し高くなりすぎている感が否めません。

4.EPSの推移について
2013年以降上昇してきましたが、
2019年にピークを迎え現在では下落傾向になります。

2021年はピカソグループの買収で大きな金額が動いたことにより、
CF・配当性向・EPSの悪化がみられる。
しかし、今後飛躍のために買収したので、
決算資料にもあるように、
次期は最高売上が達成される予想である。
買収後のBS・PLの変動を追ってみていきたいと思う。

6.まとめ

中部電力という大きな企業の子会社になったことで、
攻めの姿勢でプロジェクト進捗が可能となったと考えられます。

また、中部電力から引き受けた土地もありますので、
再開発をすることにより、
地方再生の起爆剤になれば社会貢献性も高いと考えられます。

EPSが停滞してきたタイミングで、
他社を買収し次の一手を打っていることに
さらなる成長の可能性は感じます。

しかし、
しっかりと結果がついてくるか分からないので、
今後も注視していきたいと思います。

引き続き
高配当株×不動産関係会社の分析していきますので、
参考程度に読んでいただければ幸いです。

少しでも良いと思ってくれたら、
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