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ナレーションを極める42 前説を想像する

ナレーターの熊崎友香です。テレビ東京WBSやNHKアジアインサイトでナレーションをしています。

ナレーションをする上で大切にしていることの一つとして「全体の流れを把握する」ことを大事に考えています。

その企画、ナレーションの中身の流れについてはもちろんですね。起承転結、を読み解き、把握し、心に置いて読む。

さらに、その企画の前後、テレビの場合、企画の映像に入る前に、キャスターが前振りをすることがあります。その前振りは、どんな内容なのか、どんなテンションなのか「前説を想像する」をとても大切に考えています。私は、NHKのリポーター出身で、生放送に対応していたこともあり、最初、この前説が書いていない映像の原稿を読むのことに、戸惑いがありました。どんな前振りで映像に入るかわからないものを、どう読んだら良いかわからない!!と。

でも、読むしかない!笑。

今となっては慣れましたが、ニュースナレーションの収録時には、映像がないことも多く、手がかりがありませんので、もし書いてあれば必ず読みます。

前振りがわからず、想像でこういうイメージかな。と収録をし、OAをみてから、思ったより明るいテンションだった。思ったより深刻だった、と反省することもあります。

前説を理解するということは、番組が、その企画をどんなテンション、目線でお伝えしようと考えているかを把握することになります。

また、当然ですが、前説には、その企画の肝となるワードが入っています。今日のそのニュースは、一体何を伝えたいのか?一言で言うと?ですとか、このニュースのどこが注目なのか?そのあたりの背景を簡潔にまとめてあります。

NHKのリポーター時代、もしくはその前、NHKに入る前の時代に、原稿を渡されたら、その原稿を伝えるリポーターになってみよう。「現場の@@さん!」と呼びかけれらたら、一言でなんと答えるかを考える訓練をよくしました。

例えば「はい。ニューヨーク、非常に緊迫した1日となりました」と、大きな事件があったことを伝えるもの、「明日の日本は全国的に晴れそうです」など天気のお話でも、一言でどう伝えるか。

それは、つまりこのニュースは何が言いたくて、何を伝えたいのか。を考えることになります。

一言の冒頭があり、そしてその後、詳細を伝えていく。のがニュースのセオリーで、主な流れとしては、前説→本記 事柄の詳細→理由や背景→これまでの過去や経緯→さらに今日の詳細や今後の流れで多くの原稿が書かれています。

そして、私は番組作りはリレーだと考えています。キャスターがふったVTR振りというバトンを受け取り、同じ温度差で、同じ目線で、同じ目標、同じ姿勢で、映像を駆け抜け、スタジオのキャスターにまだバトンを渡せたらと、理想を想像しています。

当たり前のことを綴っていて、何を当然、と思われるかもしれません、、、興味がありましたら、前説と映像に入ってからのリレーに注目してテレビをご覧になってみてください。




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