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教師とのトラブルをドライに解決する中国人学生のお話し

教師として日本人と中国人に接して、それぞれの学生のクレームの出し方がずいぶん違うって事に気がつきました。

授業の質とかに対するクレームは日本も中国もさほど多くはありません。問題になりやすいのは感情的な行き違いです。

教師も学生も残念なことに相手を選ぶことはできません。ですから当然ミスマッチが生じます。また多くの場合、教師はひとりですが学生は複数です。グループの中で階層ができてしまうこともあります。

教師も当然辛いのですが、学生はもっと辛いと思います。

さて行き違いが生じた場合に、学生のほとんどはまずはストレスを抱え込みます。不愉快だからとか、気持ちが晴れないからといってすぐに教師に打ち明けることはありません。モヤモヤを抱え込んでしまいます。

そしてモヤモヤが許容量を突破すると様々な作用が生じます。反抗的になったり、授業に来なくなったりとかの方法をとる学生もいます。その中で教師に打ち明けるという方法をとる場合、日本人と中国人では違うなって思います。

この記事はわたしの感想です。統計などに基づいてはいません。

日本人学生は「どうしてわかってくれないの」と言う

社会人の学生や思春期の学生も教師とトラブルになった場合、どうして先生はわかってくれないのですか?と言う傾向があります。

教師としてのわたしは、わかってくれないと言われると、心の中で「神様じゃないから心の中までわからないよね」って思います。ただこの「わかってくれない」は本当は「わかってほしい」という意味だと思います。

それで「わかりたいので話して欲しい」と言うようにしています。

実は学生が話してくれても、何が問題なのか?何に傷ついたのかわからないことが多いです。でも会話を通して問題は解決できないにしても、教師がわかろうとしていることが相手に伝わり、問題が深刻化することを避けることができることがほとんどです。

相手も恐らく問題の根本的な解決ではなくて、ストレスの圧を抜きたいと考えているのだと思います。

中国人学生は「あなたには問題があります」と言う

中国人学生は教師に不満がある場合、問題を教師側に完全に押しつけてくる傾向があります。

あなたは資格に欠けると直接的に批判してきたり、あなたのことが好きではないのでクラスを変えて欲しいとか言います。中国人だけではなくてアメリカ人やカナダ人にも同様の傾向があるように思います。

こうなると話し合うことが難しいです。

お互いにビジネスライクに問題を解決します。他のクラスへ転籍させるだけです。人間関係を改善しようという思考は実は学生側だけではなくて学校側にもあんまりありません。

ストレスを減らすと言うよりは、ストレスの原因はお互いの関係性にあるのだから無理して関係を保つ必要はないと考えているように感じます。

教師も学生も友だちではない

わたしも人間ですから、人並みに感情があります。またできれば憎まれるより愛されたいと思っています。

とはいえ、わたしは学生たちの父親でもなければ、師匠でもなく、ましては友だちですらありません。日本語教師です。ですから日本語をきちんと教えることに注意を集中しています。その上で、もし可能なら良好な人間関係を築ければ良いなと考えています。

それで正直に言うと、中国人から自分とあなたとは合わないのでクラスを変えて欲しいという意見は受け入れやすいです。別に自分を受け入れてもらう必要はありませんし、授業の内容がレベルに合わないなら他のクラスに行けば良いだけです。

それに対して、人格や接し方を改善してくれと言われると「困ったな」と思います。それは授業の内容というよりは好みの問題だからです。

わたし自身も、ある教師の性格が自分とは合わないなと思っても、教えている内容や教え方が素晴らしいなら良い先生だと思いますし、いくら人が良くても授業に内容がなければ残念に思います。

こういった思考になったのも日中で教える機会があったからではないかなと考えています。

さて中国の小学校、中学校、高校の教師はそれはそれは厳しいそうです。そのことはまた別の時に書きたいと思います。

今日も最後まで読んでくれてありがとう。また明日!

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