自然スケッチが「観察力」を育てる
観察のやり方を僕たちは教わってきませんでした
アサガオの観察など、観察の経験はあっても
「どんな変化があったかをよく見なさい」と言われただけです
あれでは観察のやり方を教えたことにはなりません
観察とは、
近所のムクドリたちの騒ぎっぷりに異変を感じて
外に出たら自宅の屋根にツミ(←肉食の鳥。ムクドリを襲う)がいた
とか
スズメは単3乾電池と同じ重さだと気づいた
とか
ヤマガラがどうもスットンキョウな顔をしている理由を発見した
といったものです
・何か違う?との違和感に気づくことも観察だし
・何かに似ていると共通点を見つけ出すのも観察
・図鑑には載っていないけど自分なりの解釈を加えるのも観察です
これらを育むのにとても良い方法がスケッチです
1. 描くと、よく観察する
ボクは自然ガイドですから「自然観察会」を開催しますし
写真を撮るのも好きなので
カメラを通して動植物をよく観察していると思っていたのですが
実際、絵を描くようになると段違いに注意を払っていると気がつきました
あんなに見慣れたサクラだけでも
全然わかってなかったことが明らかになったのです
・1つの花芽から2つ花が出てくるのでサクラの花は必ずふたごである
・花びらはイラストで描かれているほど細長くなくほぼ丸い
・サクラの花びらほぼ白くなのに、遠くから見るとピンクに見えるのは、がくが健闘してるから
といった具合です
クワガタムシの目を覆うような突起物があると知ったのも
絵を描くようになってからです
2. 観察すると、絵がイキイキする
観察を通じて
「へえ!そんな仕組みになってたんだ!」と、知れば知るほど
この驚きを伝えたくて、描く鉛筆に力が入ります
心が動いているので、仕上がる絵もイキイキとします
逆に言うと、ろくに観察しなかった題材の場合
仕上がりもそんな感じです
ボクの過去の投稿で「あ、これは手を抜いたな?」と思うのがあったら
きっとそれはろくに観察しなかった作品です
3. 観察のアンテナがぐんぐん伸びる
絵の仕上がりが満足いくと
次も描こう!と、モチベーションが上がりますし
観察が大切だ!と理解できているので
もっと観察するようになります
ボクは観察のアンテナが高感度になってきているイメージがします
観察というと目視に頼りがちですが耳でも情報を得ようとしています
先ほど挙げたムクドリの件も
普段のムクドリの声とは違う切羽詰まった感じを
耳で聞き分けたから気付けたわけです
観察を重ねれば重ねるほど観察アンテナが育ってきて
それまで受信できなかった自然界の情報をキャッチできるようになります
4. ようこそ、自然観察の世界へ。
自然を絵に描いていてわかってきたのですが
美術の時間のようでもあり生物の時間でもあります
もしかしたら未来の学校には
「観察」という授業が登場するかも知れません
そのくらいいろんなことに応用が効く力だと思います
さあ、みなさんも一緒に自然スケッチをしながら
「観察力」を養っていきましょう
もっともっと面白い景色が見えてくるはずです!
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