翻訳のコツ④翻訳に必要な検索力の身につけ方。翻訳リソースを確実にする方法。翻訳の現場から。
最近、担当した翻訳で、めちゃくちゃ樹木の名前を調べなければならない機会がありました。野山の草木の分布、生息をまとめたようなデータ、図面なのですが、Salix caprea /ヤナギ属 みたいな樹木や、草木名にしても、学術名の羅列です。
辞書に載っていても、せいぜい、もくれん科の樹木、だとか、落葉樹だとか、その程度なので、ネットを駆使して調べることになります。
調べていて気が付いたのですが、同じ英単語、樹木、草木名にしても、様々なサイトの和訳が統一されていないことです。wikiや、個別のサイトと、意味が全く違う場合などがあります。例えば、ある植物について、あるサイトは、落葉性といっているのに、別のサイトでは、常緑樹と書いてあるのです。これでは、採用したサイトによって、意味が正反対の誤訳をしてしまいます。
こうした際、身の守り方としては、大きな属柄しか翻訳しないことです。例えば、マツ科の単語だとしたら、その後の詳しい翻訳は避けて、ただ、マツ科、マツ属として逃げます。(翻訳物の文脈を読み取ります。今回、僕が担当した樹木分布図は、詳しい樹木名までは、求められず、ただ、どういう木か、わかればいい…アカシアなのか、ニレなのか?程度のものでした。だから、この手法が使えました。しかし、もちろん、翻訳において、すべて、このようなことが認められるわけもなく、通常、きっちりと、特定の翻訳、単語を見つけて、マッチさせなくてはなりません。
生成AIでの検索も、もし、ネットのサイト間での統一がない場合、使えない、あまり信じられないと思ってください。基本、普通の検索の方が、AI検索より正確です。
今回、ここにURLは載せませんが、僕の行ったことは、国立図書館のサイトを調べ、植物名の検索を参考にしました。そこにはいくつも、植物検索に引用性が高い、学術ベースのサイト名があり、最終的には、日本の植物学の基礎を築かれた牧野富太郎さんの標本をもとにデータベース化されたサイトを、植物名の翻訳に使用しました。
今回は、わかりやすく、植物、草木樹木名がテーマでしたが、皆さんが翻訳する際、様々な専門分野、業界、事跡を翻訳することになります。
同じやり方で信ぴょう性あるリソースを探してください。国、省庁、学会、協会、国家公認の団体、連盟などのサイトが有効です。
翻訳のコツ。翻訳に大事なこと。動画で解説。
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