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異次元の少子化対策に思うこと

岸田総理の「異次元の少子化対策」という発言。そもそも「異次元」という言葉に違和感を持った人は多いのではないだろうか。私もその一人だ。
おそらく、異次元=次元が違う=これまでとはレベルが違うことをやりますよ、ということを強調したかったのだろう。

日本の少子化対策はこれまで何十年も放置プレイだった。人口動態は未来が明確に予測できるもので、なおかつ一朝一夕では変わらないものだから、日本の将来を考えたら早めに手をつけるべきだったが、何もやらなかった。わかっていても日本は何もやらなかったのだ。

今回突然のように示された「異次元の少子化対策」は、「これまで何もしてなかったけど、これから追い上げますから」的なエクスキューズのニュアンスをこめて、大げさな言葉を持ち出したのか。いずれにせよこの遅すぎる「本腰」で、何をやるかと言えば、①児童手当など経済支援の拡大②子育てサービスの充実③働き方改革、の3本柱だそうだ。この平凡な政策で、予算倍増という言葉が使われたが、いったいそのお金はどこから?増税への布石では、という声も聞こえる。

日本はおじさん(おじいさん)による、おじさんのための政治なんだなあとつくづく思う。出産とか子育てとか教育とか、奥さん任せにしていた時代のおじいさんたちは、経済、経済で女子供軽視、二の次三の次だったのだ。異次元の少子化対策なら、女性、それも若い女性たちを少なくとも半分以上チームにいれた写真を見たら、少しは納得できるけど、総理が「異次元」と言ってる裏でさんざん政治をやってきた長老が「少子化は女性の晩婚のせいだ」とこれまた女性のせいにしているのだからお話にならない。

なんでこんなに毒を吐いているかというと、来週からフィンランドに行くことになり、かの国の状況を調べ、日本とのあまりの違いに愕然としているからだ。フィンランドの首相と言えば、まだ30代のマリーン首相はじめ閣僚に12人も女性がいる。

画像)毎日新聞より

フィンランドは税金も高いが、公共サービスが充実しているので有名。特に教育に力を入れていて、なんと大学まで教育費が無料なのだ。そして育児休暇は両親ともに160日が認められていて、2020年には父親の75%が休暇を取得したそうだ。まさに異次元。

スマートシティに舵を切ったフィンランドは教育レベルの高さがイノベーションに現れていて、循環型経済のスタートアップがやたら多く、女性のトップもすごく多い。マリーン首相なみの若さキラキラの女性社長で博士号を持っているのはざらだ。トップリーダーの顔ぶれが日本と全然違うのだ。

そういうことはなんとなく知っていたけど、これまでは、それぞれの国の事情があるからと自分を納得させてきたが、いざ詳しく調べていくと、なんか違い過ぎてもうがっかりが止まらない。行けばなおさらだろうなあ。


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