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新型コロナは「ミカン文字のあぶりだし」

新型コロナウイルスの感染拡大で、ニュースに目が離せない。

毎日刻々と感染者が報告される中、ここでどういう対応をするか、省庁、自治体、企業、組織、個人、すべてが試金石だ。あるいはミカン汁で書かれた見えなかった字が「熱」であぶり出されているように思える。

ダイヤモンドプリンセスの対応に関しては日本の「リスク管理問題」「省庁の縦割り問題」や「国際コミュニケーション問題」があぶり出されたし、NTTの下請け会社のSEさんの「熱が出ていても出勤問題」では、社員の健康よりも業務を優先させる企業体質があぶり出された。タクシー運転手が罹患したことで「タクシーは怖い、電車にしてます」といった町の声を流して風評被害やミスリードをしたテレビ局もあぶり出されたし、感染者の受入れ体制を整えた病院にクルーズ船の罹患者を搬送したら、「感染源が来た、病院名を明かせ」と騒ぎ立ててた県会議員もあぶり出された。

「非常時になるとその人の本質がわかる」と言うけれど、今がまさにそれだ。だからここで真っ先に手を打つ企業や組織は高い評価を受ける。

1月26日から在宅勤務体制に切り替えたGMOの対応は見事だ。NTTのケースが出る2週間も前に発表しているのだ。

MOインターネットグループ 新型コロナウィルスの感染拡大に備え在宅勤務体制へ移行 https://www.gmo.jp/news/article/6641/

この流れにすぐに追随できるかどうか。それによって「働き方改革」「リモートワーク」が実際にどれぐらい進んでいるのか、単なるポーズだったのかが今、あぶり出される。パンデミックが収束した頃にやっと「リモートワークを開始しました」と発表しても、やらないよりは良いけれど、そういう企業体質がまるわかりになってしまう。

対応を「先回りする」のか「後手にまわる」のか。そのスピードとタイミングも見られているのだ。

では個人はどうするのか。まずは罹患しないように手洗いの徹底と人混みを避けること。そして無駄に騒ぎ立てないこと。それと風評被害の片棒をかつがないこと。和歌山の病院がああいうことになって、「ふるさと納税の返礼品をキャンセルしたい」などと言ってくる人がいるというが、ウイルスがどういうものか、もっと勉強してから行動してほしい。

そして、「なるべく外出を控えましょう」と政府からも言われたことだし、それならば今は世の中の動きを冷静に見て、何があぶり出されているのか、そして「自分が責任者ならどうするか」を考えてみる時間にしたらいいと思う。たとえば、なぜ東京マラソンは一般ランナーへの返金をしないのか、など理由を考えてみる。批判をするのは簡単だけれど、ものごとには必ず理由があるのでそこを考える。

素材に事欠かない今は「思考力」「判断力」を鍛えるのには絶好のチャンスだと思っている。

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