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美しさとCO2削減の両立ぶりがすごい。【欧州サーキュラーエコノミー視察】Vol.2

人の性格が服装に表れるように、街の様相もその性格を表わすとすれば、ヘルシンキはスマートで、シンプルだ。さすが北欧デザインの本場、余計なものがないのだ。

店の外には客引きのための派手な看板やのぼりのようなものは一切ないし、店内に入れば、日本でテーブル上でよく見るような販促のための様々なPOPもない。レジ前にはスマホ決済のQRコードのオンパレードなどもない。

さらに、「プラスチック」がほとんど見当たらない。

たとえば、地元資本のハンバーガーショップでは、「ビニールに入ったおしぼり」「小分けのケチャップ」「プラコップ」「プラのカトラリー」などは一切なかった。水や調味料はボトルに入ったものをセルフで取るシステム、コップはグラスだ。さらに、トレイは金物でできていた。よくよく見れば、一見プラっぽいピンクの椅子も木製なのだった。

備品にプラスチックが全くない
テーブルも椅子も木製

そしてその感じが本当にさりげない。「当店はCO2削減に向けて・・・」などといったことはどこにも書いていない。

駅ビルのシーフードレストラン。まるで家具屋さんのようだ。

役所もまた同じ。イベントに参加するのでCity Hall(市役所)に行ったのだが、日本では壁や柱に張り紙の宝庫のようになりがちな場所だが、ここではただの一枚のポスターも立て看板も、チラシすらなかった。

この日は一階でイベント開催していた。市職員がイベントの仕切りと録画を担当。

ヘルシンキは2035年カーボンニュートラルの目標に向かって、行政が主導してやっている。なのに紙ゴミになる運命のものを集めるわけにはいかないだろうし、そもそもそういうものを嫌う文化なんだろうと思う。

そしてとにかく古着屋さんが多い。古着カフェなんてのもある。

お洒落なママに人気のセカンドハンドカフェ

ここはデパートの一角で、階段の上は新品、下は古着とカフェ。子育てママたちの溜まり場にもなっているみたいで、スイーツやドリンクを楽しみながら、自分や子どもの服を買っていたりする。

モノを大切にする文化。そしてゴミを出さないということに本気で取り組む町。捨てる運命にあるような余分なものを生み出さず、生み出したら徹底的に使う。
かつての日本もそうだったのではないか。いろいろ考えさせられる。


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