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「ジオメトリック」なベットサイズとは?

 たまに聞く、「ジオメトリック」という言葉。なんだか口にするだけでポーカーが上達したような気分になっちゃいますね。

 日本語にすると「幾何的(きかてき)」といって、その意味は「形などが法則により一定のパターンを持っている様子」だそうです。

 難しい専門的な概念に聞こえるかもしれませんが、その意味はとても簡単です。ジオメトリックであることの効果を数学的に証明することはどうやら難しいようですが、シンプルに使うこと自体は1日くらい練習すれば誰でもできると思います。

 短い記事ですが、例を挙げながら解説されている記事があったので、今回はこれをシェアします。

 それではどうぞ。

ジオメトリックなベットサイズとは?

2021年 written by Dan B.

 「ジオメトリック」という言葉を聞くと、なんだか数学的で複雑なように感じると思う。実際は全然そんなことなくて、きっと君もこの概念をテーブルで使っていると思う。

 適切にベットサイズを使い分けることで、相手のスタックをまるごと勝ちきることができるだろう。

「ポット・ジオメトリー」とは?

 ポット・ジオメトリーとは、それぞれのストリートにおけるベットサイズが、最終的なポットサイズにどのような影響を与えるかを考えることだ。シンプルに言ってしまえば、ベットサイズを大きくすればポットも大きくなるというだけのことだ。

 いくつか例を出して解説する。COから2.5bbにオープンレイズして、ブラインドにコールされた状況を考えよう。(PSB = ポットサイズベット)

例①:フロップで小さくベットした場合

《フロップ》33% PSB
《ターン》75% PSB
《リバー》75% PSB
⇒ COは62.5bbのポットを獲得した。

例②:フロップで大きくベットした場合

《フロップ》75% PSB
《ターン》75% PSB
《リバー》75% PSB
⇒ COは90.7bbのポットを獲得した。

 この例からわかるように、フロップのベットサイズは最終的なポットサイズに非常に大きな影響を与える。33%PSBから75%PSBへと上げるだけで、リバーのポットサイズは50%も上昇する。プリフロップでも同様で、例えばオープンサイズを2.5bbから2bbへと減らすだけで、リバーのポットサイズは17%も低下する。

 このようなベットサイズがポットサイズに与える影響を考えることが、ポット・ジオメトリーだ。

 例えば、多くのプレイヤーはプリフロップレンジを相手によって変えることができないので、レイズする際は少し狭いレンジで大きくベットする方が理に適っているかもしれない。

(大きなベットサイズに対応できないようなプレイヤーを倒すための方法は「弱いプレイヤーを倒してウィンレートを上げる方法」という記事も参考にしてほしい。)

ジオメトリックなベットサイズとは?

 ジオメトリックであるとは、ポットサイズに対するベットサイズの比を、残るストリートで揃えてオールインすることだ。ぴったり同じでなくても、大体揃っていれば大丈夫だ。

 この考え方は主にソルバーの解析で使われている。ポーカーの最も重要なゴールの1つは、最強のハンドでオールインして相手のスタックをすべて奪い取ることだ。ベットサイズをジオメトリックに設定すると、最も効率的にこのゴールを達成することができる。

《例①》ターンのポットサイズが14bbで、スタックが残り93bbだとしよう。この場合のジオメトリックなベットサイズは139%PSBなので、ターンでは19.5bb、リバーでは73.5bbにするとオールインになる。

《例②》ターンのポットサイズが31bbで、スタックが残り85bbだとしよう。この場合のジオメトリックなベットサイズは76%PSBなので、ターンでは23.5bb、リバーでは61.5bbにするとオールインになる。

 ちなみに、このベットサイズは以下の公式を使って正確に求めることができる。

まとめ

 ジオメトリックなベットサイズを適切に使いこなすためには、テーブルの外で時間をとってしっかり研究しなければならない。

 ベットサイズをジオメトリックに設定することが、どんな場合でもベストだという訳ではないことに注意してほしい。オーバーベットにはナッツアドバンテージが必要になるので、一般的なサイズの方が効果的になる場合もある。

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 記事は以上です。

 ジオメトリックなサイズを求めることは難しく感じるかもしれませんが、慣れればすぐにできるようになります。シンプルにトリプルバレルでオールインを撃ちきる場合の感覚を知っておくと、強いハンドでチャンスを最大限に活かすことができるはずです。

 また、ジオメトリックに撃ち続けることが効率的だと書いてありましたが、それは完全にポラライズされたレンジで、完全にコンデンスされた相手に対して撃つ場合に限定されているということに注意してください。実際のレンジのポラライズの程度に合わせて、調整をかけていくことになります。

 ただ、適切なベットサイズを求めること自体よりも、とにかく相手のスタックをすべて取り切る意識を持つことの方がまずは大事なのかもしれません。リバーのアクションを考えておくことで、その先にゲームツリー全体を俯瞰するような意識を持てると良いですね。

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