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靴下に穴があく。

これはもう、何かの呪いなのでは?

新しい靴下をはいたその日に穴があく、という悲劇がつづいたことがありました。

きゃぁーっ、となったのは素敵なお洋服屋さんで試着させていただくために靴を脱いだら親指がこんにちわしていた時でした。

足の指を骨折してから後は変なところに力が入っていたのかもう毎日靴下に穴があいており、開き直って適当な糸で繕ってはき、また別のところに穴があくという繰り返しで、あまり高価な靴下は買わないようにしておりました。

とくに旅に出るときはかなりの距離を歩くので、靴下は繕ったあとだらけになりました。

そんな旅の途中の蚤の市で、テーブルの上に旧いラベルの意匠も美しい艶やかな糸を見つけてふらふらと立ち寄ったお店に、これは食べてはいけない種類の代表格というキノコの形をした木製品が並んでいました。

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まわりははかり売りの繊細なレースが巻かれた木の板や、木製の軸がついたかぎ針などなどで、異彩を放つキノコが気になりカタコトでこれは何に使うものですか?と尋ねました。

お店の方は身振り手振りを交えながら、繕い物をする時に使うのですよと教えてくれました。

ワタシ、コレ、ヒツヨウ。

即決価格で購入しました。

あまりにキノコに目が行っていたので気づかなかったのですが、馴染みのありそうなもので例えるならばお仏壇のおりん棒に似た細い棒状のものもあって、そちらは手袋の指の部分に使うのだと教えていただきました。

キノコの柄の部分に剥がれたところがあるのは、もしかしたらそうやって使って来られたからかもしれないと思いながら、今ながめています。

キノコを使うと繕いたい部分に丸みが出るので、これまでやぶれるたびにつまみ縫いで小さく固くなっていたつま先が楽になりだんだんと穴があく頻度も少なくなりました。

わたくしがあの時おしえていただいたのがダーニングであったことを知ったのはごく最近のことでそれまでは自己流で繕っていました。

あえて下地とは色調の異なる糸でワンポイント刺繍のように繕い、アクセントにするという発想が素敵だなと思いました。

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こちらは日本のメーカーさんのものでダーニング用として大きい台座と細い棒状の持ち手が交換できるキットも発売されていました。

今日、おろしたてのセーターに大きな穴があいていたのをみつけて久しぶりに繕ってみたのですが生地が薄かったのと、穴が大きすぎたためあきらめました。

とほほ〜。。

裏に薄い生地をあてて繕えばよかったのかも。

あわてているとあらぬところで更に時間がかかってしまうなぁと思いながら針を運んでいて、ふと、こうしてゆっくりとやぶれたものを直して大切に使うことに憧れて旅をしていたことを思い出しました。

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