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夏のスーツその1:紺の3つボタンシングルスーツ

今回からは私が残したスーツについて、一つずつ紹介していきたいと思います。まずご紹介したいのが夏のスーツです。1着目は紺無地の3つボタンシングルスーツになります。ペコラ銀座のスタンダードラインで30代のときに仕立てて、その後、全体的にキツくなってきたので、直しを入れてもらいました。すでに15年近く愛用しているスーツです。

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紺無地のシングルスーツは、日本人にとって最もオーソドックスなスーツのスタイルで、またリクルートスーツの定番でもあります。あまりに一般的に見かけるスーツでもあることから、ある程度、年季を重ねてくると敬遠される方も多いのではないでしょうか。

リクルートスーツに見えないためには生地とシルエットを慎重に選ぶ必要があります。選んだのはイギリスのエドウィンウッドハウスのもので、強撚糸の生地となります。エドウィンウッドハウスでは最近、エアウールという夏用の生地が復活したようですが、生地の系統としては同じものになります。強撚糸は素材が丈夫で、型崩れがしにくく、また肌にまとわりつかないので、涼しく着こなすことができます。

仕立てた当時の流行であった、3つボタンの(段返りでない)スーツは最近あまり見かけない型かもしれません。ただ、身体にフィットしたオーダースーツは、ボタンの数などに関わらず不思議と素敵に見せてくれます。また、ボタンも上の2つをとめるのではなく、真ん中のボタン1つかけのスタイルにすれば、2つボタンとそう変わらないVゾーンの広さを確保できるため、段返りの3つボタンスーツや最近のVゾーンの狭い2つボタンスーツとそう変わらない印象があります。

次回は夏用に残した、もう1着のスーツについてご紹介します。


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