「靴を磨いてここにきたのね」 そう言葉をくれた面接官が、私の次の目標になった。
雑誌の編集者になることが夢だった。大学生活では4年間、編集部で懸命に働き、満を持して就活に挑んだ。
しかし結果は全敗。内定は1社ももらえなかった。絶望したけれど、ある言葉を思い出し、再び立ち上がれた。
7月ごろ、憧れの編集長とお話しできる面接があった。彼女に会うにふさわしいと思う、パリで買った青い古着のワンピースに革のリュック、革靴で挑んだ。
部屋に入り緊張で震える私を見るなり、編集長は「あなた、靴を磨いてここにきたのね」と言ってくれた。こんなに思いやりにあふれた言葉は