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絶望は続く

先日
某老舗の牛乳メーカーが、自己破産申請した
その牛乳メーカーのTwitterアカウントは、つい先日まで明るい話題で溢れており、SNS担当者にとっては急なことだったとわかる
「今日あなたが働くこの場所が倒産しましたのでお店も閉店です。明日から無職です。」と告げられた心境を思う

その牛乳屋さんは、酪農家の任意組合が創業した牛乳メーカーであり、過去には年間18億以上の売上があったらしいが、昨今の牛乳離れ、大手メーカーとの価格競争、そしてコロナ禍やウクライナ情勢による飼料や燃料代などの高騰により、4億以上の赤字に転じたらしい
14年から赤字経営だったということだがそれでも続けてきた意味とはなんだろうなんて聞かなくてもわかる
日本の国に住む人々の口に入るものを安全に生産している責任に他ならない

そんな志高く日々努力を続ける産業に、国はどうしてこんなに優しくないのか
苦しんでいる酪農家に、経営継続ではなく廃業の後押しをするような補助金しか出ないのはなぜなのか
そのそも「日本にとって大切だから」と思っているのは、私たち酪農家とその関係者だけなのか

そんなことを考えていると、うちの組合でも「搾乳をやめる」と、1件の酪農家から申し出があった
国のほとんどの酪農家が赤字経営を耐え忍んでいるような、先が見えない中で、たとえ一時しのぎの資金を貸しても返済しなければいけないし、事態が好転するという保証は何もない
借金が増えることで余計苦しめてしまうかもしれない

ただただ廃業手続きをし、いくらかでも多く今後のための資金が残るように手伝うしかできない歯がゆさよ

こんな国に何故なったんだろう
絶望しかない