『SHOKUNIN 職人・菅野敬一の生き方』 文:髙久多美男 写真:森日出夫 ジャパニスト出版
先日、職人の菅野さんからLINEをいただいた。電子書籍が出たのだという。
私は電子書籍というのは買わないので、せっかくのご案内だが「かく語りき、ですか。」とだけ返した。Amazonで見本を開いてみたら以前に購入した紙媒体の書籍と内容が共通のような気がした。今更、語りが変わるわけもないだろうと、その本を改めて読んだ。
菅野さんの話はよくよく聞いているので、「いいよなぁ」と思いながら読み通した。ここで内容を語るつもりはない。好きな人はとことん惚れ込むだろうが、「何言ってんの?この人」と思う人も少なくないと思う。
見出し画像は、Aero Conceptを扱っているロンドンのBentleysという雑貨店。但し、撮影が2008年11月29日なので、Walton Streetにあった頃のものだ。現在は下のURLの通りLower Sloane Streetにある。ここのオーナーであるTim Bent氏が日本でたまたま手にしたAero Conceptの名刺入れemijahをきっかけに自分の店でAero Conceptを扱うに至っている。Bentleysとは"Bentleys is where craftsmanship meets history – where design and detail transforms the functional into the desirable."という店。いわゆるビンテージのアンティークが並ぶ中にアンティークではないAero Conceptも並んでいる。
菅野さんと知り合った頃にBentleysのことを聞き、早速出かけた。さすがに敷居が高く、何も買わずにショップカードと何枚かの店の絵葉書をいただいて帰ってきてしまった。まだこの頃は日本のものづくりにも夢があった。今はどうだろうか?個人的には気になることがたくさんある。今度、菅野さんのご意見を改めて伺ってみたい。ちなみに2014年に発行された本書の中では菅野さんはこう語っている。
日本のモノづくりはまだまだ大きな可能性を秘めていると思う。もう一度、原点に戻って、自分たちがしたいモノづくりに徹することができれば、世界を驚かすことができるはず(94-95頁)
「原点に戻る」ためには余裕がないといけない。今、あるだろうか?そもそも「自分たちがしたい」ことがある人がどれほどいるのだろうか?薄っぺらな欲望は誰しもが持っている。そういうことではなしに、「夕焼け」や「焚き火」を大事に想う心があるだろうか?
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