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年末に首

12月15日締め切りの角川短歌の題詠のお題が「首」だった。年末にクビなんて縁起でもねぇなぁ、と思いながらあれこれ考えているうちにコロッとこの題詠のことを忘れてしまった。14日に思い出したが、15日必着なのでもう間に合わない。バイク便でも頼もうかと思ったら送料があまりに高いので止めてしまった。

久々にネクタイ締めて思い出す首だけ見れば祖父の面影

ネクタイで束ねて哀し首の皺スーツを着るのはあと何回か

首の皺束ねて締めるネクタイは汗が染み込み縁が擦り切れ

久々にネクタイ締めて畏まり解雇通知じっと聴きおり

「クビはダメ」白き頸を嬲りつつ窓の向こうの夜景を眺む

バイク便なんてよくもまぁ考えたものだと呆れてしまう。無理して投函するほどのことはなかった。

「首」という題は首相が交代したことに因むものらしい。また、首を使った慣用句も多いので、いろいろ面白そうな歌が集まるだろう、ということでもあるようだ。首の慣用句、と言われてもちっとも思い浮かばないので辞書を引いてみた。

首が据わる
首が繋がる
首が飛ぶ
首が回らない
首になる
首に縄をつける
首の皮一枚
首の座へ直る
首振り三年
首を洗って待つ
首を傾げる
首を切る
首をすくめる
首を挿げ替える
首を縦に振る
首を突っ込む
首を長くする
首を捻る
首を横に振る

なんだかロクな慣用句がない。出題者の意図について首を捻ってしまった。

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