和田誠 『お楽しみはこれからだ 映画の名セリフ PART2』 国書刊行会
PART1は洋画だけだったが、本書は少し邦画も取り上げている。あとがきの中で和田がこんなことを書いている。
そういうところもあるかもしれないが、記憶に残るのは何かしら引っ掛かりがある所為ではないかと思うのだ。日本語を母語とする者が、腹の底から感動するような日本映画を観たとしたら、かえって一つ一つのセリフが独立して記憶に残るということは無い気がする。それは当たり前に美味いと思うものが毎日何気なく食べているものであって、所謂「御馳走」は自分のナマの状態から少し距離がある「美味し