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第9回熊本地域医療勉強会 開催報告 2024/6/29 in COMMON IDOE キャンプ場

2024年6月29日(土)第9回熊本地域医療勉強会 を、甲佐町のCOMMON IDOE キャンプ場で、開催しました。
講師を務めていただいたのは、
小国公立病院 片岡 恵一郎 (かたおか けいいちろう) 先生  です。

講演タイトルは、

「  医療MaaS「柴三郎号」が運ぶもの ~小国郷でいきていく~   」

講演動画はこちらから↓↓ 

 
講演資料はこちらから↓↓  ダウンロードいただけます!!

https://oguni-anshin.net/share/20240629chiiki-iryou.pdf

キャンプ場に「柴三郎号」が到着  
柴三郎号の見学会が開催されました


今、「小国郷」が熱すぎる!!

激アツポイント① 新千円札の顔となる北里柴三郎 先生
令和6年7月から、新千円札の顔となる、北里 柴三郎 先生 は、小国町出身です。

柴三郎先生の業績がすごい!
・破傷風菌、ペスト菌 の発見
・日本医師会の創設
・日本医学会の創設
・国立伝染病研究所の設立
・私立北里研究所の設立
・済生会病院初代院長
・慶応大学医学部初代学長
等々、ノーベル賞に値する数々の業績
日本医学の歴史上で北里柴三郎先生の業績に
匹敵する人物はいない といわれています。

柴三郎先生の有難いお言葉 を紹介

"一所懸命頑張れば、きっといつか成し遂げられる。
自分がいい時であろうが悪い時であろうが、
その事に一喜一憂してはならない。
苦労を耐えてこそ人である。
"

激アツポイント② 小国郷には「やぶ医者」がいる
片岡恵一郎 先生 のご紹介・・・
大学卒業後は、大学病院でグローバルな医学基礎研究を十数年やってこられました。平成23年の東日本大震災の被災地の状況を見て、今後は、ローカル(地方)に、自身の気持ちをおいて仕事をやっていこうと決意され、小国公立病院に常勤医として赴任されています。

片岡先生は、令和元年 「第6回 やぶ医者大賞」を受賞

「やぶ医者大賞」 とは
”やぶ医者の語源が、兵庫県養父市にいた名医” であることにちなみ、名医の郷として、若手医師の育成、医療過疎地域の医師確保及び地域医療の発展に寄与することを目的に、地域医療に貢献している医師を顕彰


激アツポイント③ 「小国郷医療福祉あんしんネットワーク」
片岡先生は「小国郷医療福祉あんしんネットワーク」の発足に尽力され、精力的に活動をしています。
「小国郷医療福祉あんしんネットワーク」は、超少子高齢化の進む小国郷の地域包括ケアシステムをデザインし、小国郷で安心して暮らす為の、医療・介護・福祉系の多職種のネットワークです。

毎月の全体会のほかにも、9つの多彩なチームに分かれて、日々活動が行われています。

患者情報共有チーム、認知症カフェ「ひとよこい」チーム、チーム美鳥、小国郷在宅医療サポートセンター、事例検討チーム、出前講座チーム、予防チーム、広報チーム、総務チーム 

詳しい活動内容は以下をご参照ください。


激アツポイント④ 「何でもできる夢の病院」
人口約1万人のまち小国郷を支える病院 小国公立病院の存在

地域唯一の病院であり、救急から在宅まで、幅広い医療・介護に対応し「地域密着型多機能病院」として、病院運営を行っています。
また「何でもできる夢の病院」として、人材確保に力を入れています。


≪小国公立病院の現状と課題≫
小国郷が位置する阿蘇医療圏は、人口10万人あたりの医師数が、335全国圏域中、321位であり、全国的にも医師数が少ない地域です。ちなみに熊本市圏域は全国で12位。
医師をはじめ、多くの職種で慢性期的にスタッフが不足しています。
20年 時代を先取りした高齢化率(40%越え)、診療所が少ない(2023年7月より2つに減少)点が大きな特徴です。

激アツポイント⑤ 医療MaaS「柴三郎号」 導入

病を未然に防ぐのが 医の道!!

≪医療MaaS 導入背景≫
診療所の減少 → 診察できる場所の減少 → 医療スタッフが少ない → 住民の移動手段が少ない(熊本市と同程度の広さの医療圏)
→ これらの課題を解決できる手段のひとつとして、医療MaaS の可能性を模索していました。

閉院する民間のクリニックを買い取り、2023年7月にサテライト診療所「おぐにサテライト診療所~OGNEY入江~」を開設。この診療所を医療MaaSや医療DXの拠点として位置づけて、内閣府「デジタル田園都市国家構想交付金」に応募。全国の病院組合で唯一、事業が採択されました。

柴三郎号には、遠隔聴診器(AMI社)、超音波診断装置、心電計、血圧計 などが搭載され、病院に行かなくても基本的な検査が可能です。検査データなどは、サテライト診療所にいる医師に共有され、オンラインで診察ができます。

また、車両の内装には小国杉が使われ、アロマやリラックス音楽とともに、癒しの空間で診察が受けられます。

柴三郎号は、地域の公民館など十数か所を訪問。 
移動手段が困難な患者さんや、医師の訪問診療などの移動負担を軽減し、小国郷の課題である、移動手段の減少や医師の偏在化を解消していきます。

柴三郎号のなかでは、看護師さんが診療をサポートします。写真は、遠隔聴診器の説明


激アツポイント⑤ 小国郷医療DX推進事業
人生軸のデータを蓄積して、 全世代のウェルビーイング の維持のために、活用することを目標とし、医療DXを推進しています。

●病院の病気のときのデータ:くまもとメディカルネットワーク、メディカルケアステーションを融合したシステム(OGCIS)

●行政の平時の健診データ:くまもとメディカルネットワーク

●PHR:生活の中でウェアラブルデバイスやスマートフォンに 蓄積されデータ(心拍数、体温、SpO2、睡眠状況など)

これらをビッグデータとして蓄積し、さらには今後AIを活用し、病気の予防や早期発見、最適な医療提供に役立てる環境づくりを目指しています。

小国郷医療DX推進事業のイメージ図

激アツポイント⑥ 民藝的医療の価値提供
私たちは、喫茶店でマスターがコーヒーを淹れる立ち振る舞いに癒されます。それと同じよう地域住民は、医療スタッフの行為・振る舞いに癒されに、病院に来ているのではないか と考えています。
小国公立病院では、柴三郎号と移動コーヒー屋さんのコラボイベントも計画しています(コーヒー無料!コーヒー片手におしゃべりしましょう! ステキな企画です!)。

高度急性期の病院が行う標準化・効率化を重視した工業的な医療と対比し、地域の病院においては、ひとり1人の背景や個別性・多様性を包括的に支える民藝的な医療が求められており、そこに価値を見出していきたいと思います。

民藝的医療について

激アツポイント⑦ 小国郷らしい地域医療を目指して
今後は高齢者中心だけではなく、全世代型のケアシステムを目指しています。人が生まれてから死ぬまで。すべての世代が自分らしく、よりよくいきる生活・人生を。それを支える相互ケアに基づいた「地域づくり・まちづくり」を行っていきたいと思っています。頼るものが少ないすべてのひとに、頼れる選択肢を複数つくり、相互に支え合って、負担を分担させること。相互ケアの矢印をたくさんつくり、住民のウェルビーイングを支えていきたいと思います。

全世代型のケアシステムを考える 夢期と現実期

小国郷には、住民の生活と医療・介護・行政が揃った3つの地域があり、それらをネットワークでつなぎ、「メディカルモール」と見立てています。さらには、黒川温泉や杖立温泉などの温泉地にもエリアも広げ、医療MaaS「柴三郎号」と医療DXが、これらの地域をつなぐことで、ネットワークが広がり、全世代へ最適な医療の提供ができるように目指していきます。

老後までここで過ごしたいと思える、小国らしい夢の国 「オグニーランド構想」を実現していきます。

オグニーランド構想(小国らしい夢の国)


今回の Take Home Message  !!

① オンライン診療車「柴三郎号」が地域をつなぐ

② 多職種がつながる地域ネットワークをつくろう

③ 夢・ストーリーをもって、地域をデザインしよう


さいごに、講演のタイトル
オンライン診療車「柴三郎号」が運ぶものとは??

オンラインでの診療を届けることはもちろんですが、
小国郷に関わる人々に、
「幸せにいきるために、愛と夢を届ける」

そんなメッセージが込められたように感じました😊

会場の様子

高校生、医学生も参加いただきました! あたたかい小国の夢のお話がきっと若いの世代の方々に、届いたことでしょう!!

勉強会後は、片岡先生を囲んでBBQ。美味しいお肉とお酒が準備してあり、夜遅くまで盛り上がりました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
次回の開催もお楽しみに!!

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